Spice of Life in UK

分娩室にはいると、痛みでもがいてる私にmethadone（？だったかな）注射をしてくれた。　これも効いたんだか？どうだか。　ガスも痛みのあるときにゆっくりと深呼吸して吸わなきゃいけないのに、パニックになってスーハースーハーと過呼吸になっている私にミッドワイフは「深く吸って、はいて。　陣痛のないときは使っちゃ駄目よ。」といろいろ指導してくれた。　パニックだったのでミッドワイフをわしづかみ。　両親学級のときにもミッドワイフから「パートナーはつねっても、たたいても何してもいいけど、ミッドワイフにしないでね。」と言われていたのに…

麻酔科医が来て、エイピヂュラルの副作用のことなどいろいろ説明してくれたけど、このときはあー、もういいから早くやって!!!という気分だった。　点滴のためにカニュラを入れなければならず、そこには2人のドクターが。　見るからに私は練習台。　陣痛の合間に入れてもらったカニュラは後で見たら14G か16Gもの太い針だった。　それでも陣痛の痛さと比べたら挿入のとき痛くなかったんだけどね。

あまりにも痛みで落ち着きない患者だったためか、持続のエピヂュラルをする前に、ワンショットで腰椎に注射をしてくれた。　そうするとあら不思議、みるみるうちに激しい痛みが取れていった。　それからエピヂュラルを挿入。　今まで激痛で目もまともに開けられなかったから、このとき初めてミッドワイフの顔を見た。　ミッドワイフも「あー良かった。いつものmoondaiに戻ったのね。」と。
ワンショットの注射をしたためか、尿道カテーテルを挿入。　
薬の副作用か吐き気のため３，４回分娩中に吐いてしまった。　「サイクロジン（制吐薬）欲しいでしょ。」と静注してくれたのだけど、これが痛いのなんのって。　静脈確保や尿道カテーテルの挿入なんか、いつも患者さんにしていたけど、まさか出産の時にフルコースですべて体験するとは…

ミッドワイフが私の子宮口をチェックすると、すでに10cm！　病棟でチェックしたときは６cmだったけど、分娩室に来たときはもしかしたらもう10cmになっていたのかもねっと言われた。　すでにエピヂュラルをしたあとだったので、人口破水をした後1時間ほど様子を見ることに。

日付が31日に変わり1時ごろだっただろうか。なんだかいきみたい気分になってきて、ミッドワイフに報告。
「じゃあ、そろそろ始める?」と。　
体力が必要なのはここからだったのだが、そんなことは知るはずもなく、私はすでに疲労困ぱい。　痛みから解放され心地よくベットに横たわっていたのに、陣痛の痛みがまた襲ってきたのだ。　エピヂュラルって無痛になるんじゃないのー!!!と思いながらミッドワイフの声かけと同時にプッシュ、プッシュ。　1時間がんばったけど、赤ちゃんは出てきてくれない。産科医が「赤ちゃんが出るの手伝ってもいい？」と聞いてきた。　自分でもうまくいきめてないし、疲れ果てていたので、最終的に産科医の助けを借りることに。
いわゆる吸引分娩。　1回目のプッシュの後、産科医に「やっぱり切らなきゃいけないみたい。」と言われた。　あー恐れていたことが…　できるだけ会陰切開は避けたかったのだが、ここまできたらもうNOとはいえないでしょ。　そして2回目のプッシュ。　赤ちゃんの頭が出てきたのだ。　なんともいえない感覚。　私は「えっ、泣いてないよ。」と言ったらミッドワイフは「まだ、頭だけだもの。　後もう1回プッシュよ。」　そして最後のプッシュで赤ちゃんが出てきてくれました。　感動というよりも、やっと終わったと言う達成感だろうか。
タオルにくるまれた赤ちゃんはギャーギャー泣くこともなく、よく寝ていた。

この夜は分娩室が忙しくなかったせいか、助産師3人、産科医１人、小児科医１人　総勢５人が私のケアをしてくれた。　産科医も１時間近く丁寧に縫合してくれ、助産師も２人がかりで清拭をしてくれた。　ほんとに至れり尽くせり。　
そしてここがイギリスらしく、出産後に紅茶とトーストのオファー。　まだ吐き気があったので、紅茶だけもらうことに。　お産後の１杯おいしかった。

続く