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March 15, 2008
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【モンゴル】2008年4月5日(土)公開

監督 ・ 脚本 : セルゲイ・ボドロフ
出演 : 浅野忠信 /スン・ホンレイ/アマデュ・ママダコフ 他
期待度 : ★★★ → 観賞後の評価 ★★★
 

「モンゴル  / MONGOL  (2008) 」 ジャパンプレミア <ネタばれ>

モンゴルの英雄チンギス・ハーンを描いた映画です。 2007年第80回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。

監督は、「コーカサスの虜 (1996)」のロシア人監督セルゲイ・ボドロフ。

 

主役は、1996年・第20回日本アカデミー賞において「スワロウテイル (1996)」で話題賞(俳優)を受賞した浅野忠信。北野武監督がヴェネチア国際映画祭で監督賞及び「OPEN 2003」特別賞を受賞した「座頭市(2003)」、新しいところでは「母べぇ(2008)」にも出演しています。

共演は、宿敵となる勇士ジャムカに、中国の実力派スター『初恋のきた道』『セブンソード』のスン・ホンレイ。

テムジンの妻ボルテには、本作が映画デビューとなるモンゴルの新星・クーラン・チュラン。

 

Story : 陰謀が渦巻く時代、モンゴル部族の頭領の息子として生まれたテムジン(浅野忠信)。彼を待ち受けるのは、父の毒殺、裏切り、復讐、異国での投獄という壮絶な運命。やがて彼は、さらわれて他部族の子を宿した妻を救い出し、生まれた子を我が子として慈しみ、優しさを秘めた強靭な魂で運命と闘い、次第に統率者として頭角を現していく。そして、“兄弟”にして宿敵の勇士・ジャムカとの戦いが迫ったとき、テムジンの元には、史上最強の軍団が生まれようとしていた。彼こそが、後にチンギス・ハーンと呼ばれた男。いま、彼の熱き野望がモンゴルの大平原に放たれる! 全編モンゴル語、壮麗な大自然を舞台に、モンゴル帝国を築き上げたチンギス・ハーンの壮絶な人生を描いたアクション叙事詩。「2008年4月5日公開 」

浅野さんの作品を観るのは2度目です。ワイルドなキャラクターで人気があるのは知っていたのですが、ちょっと変わり者?みたいな印象を持っていたのであまり興味がなかったのです。しかし、「母べぇ(2008)」を観た時、TVなどで見ている浅野忠信の印象とかなり違った生真面目でそれでいておっとりした包容力のようなものを感じ、私的に好感度急上昇。

しかも、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた作品とあって、俄然、興味津津・・。っということで試写会に行ってきました。

 

舞台あいさつには主役の浅野忠信が登壇し、同じ所属事務所の後輩であり、アカデミー賞ノミネートの先輩である菊池凛子が花束を持ってお祝いに駆けつけました。

浅野さんは、モンゴル語を覚えるのに大変?芫???A苦労したそうです。撮影が1年間休止している間に、台本が変わって丸々1冊覚えたセリフがパーになってしまって、しかも新しいセリフを1週間で覚えなくてはいけないという、もう笑うしかない状況下で撮影に臨んだそうです。

モンゴルの人はみんな優しい人で、浅野さんのほうがお金を持ってそうなのに、必ずおごってくれると言ってきかないとか、タクシーなどに同乗すると料金は全部払ってくれるなどのエピソードを語ってくれました。広大な大地でのびのびと生きている人たちの素朴で穏やかな人間性を表しているかの様ですね。

 

チンギス・ハーンを描いた映画といえば反町隆史主演の「蒼き狼 地果て海尽きるまで(2006)」を思い出される方も多いでしょうね。

本作は、ドイツ・カザフスタン・ロシア・モンゴルのスタッフに日本の俳優浅野忠信を主役チンギス・ハーンに迎えて実質5カ国の行動制作映画となりました。

 

歴史上の人物なので、すでにどんな人生だったかご存じの方も多いかと思われますので、ネタばれに相当する内容で書かせていただきます。未鑑賞の方でネタばれをお好みでない方はここから~注意です~

*----------ここからネタばれ-------------↓

 

部族の頭領の息子として生まれたテムジンは12歳になって、部族間のつながりを保ち部族の力を強固なものにするために、力のある部族から将来の嫁をもらうために向????破6??2かう途中、休憩に立ち寄った部族の娘に、「私を嫁にもらうべきよ」とテムジンに話しかけてきた女の子ボルテにひかれ、部族のハーンである父親を説得し彼女を嫁に決めてしまいます。

5年後迎えにくると約束し、結局目的地に向かうことなく家路に向う途中で父ハーンが毒殺されてしまうのです。

幼くしてハーンの後を継いだテムジンでしたが、父の手下の裏切りに遭い、部族の村は焼き払われてしまいます。命からがら逃げるのですが、つかまって囚われの身になってしまいます。モンゴル人は女と子供は殺さない・・・そういう風習のため、テムジンに食物を食べさせ早く大きくさせようとします。

脱走しては捕まって捕虜となる繰り返し・・・・

隙を見て逃げ出したテムジンは、嫁にすると約束したボルテを迎えに行き、母の待つ部族のもとに帰ります。

ところが今度はテムジンの父に嫁(母)を略奪された事を恨みをもった部族の男が復讐のためにテムジンの嫁を略奪にやってくるです。不意を突かれて襲われたテムジンは重傷を負わされ、妻のボルテがさらわれてしまいます。

 

妻を奪還するために、盟友のジャムカに復讐を手伝ってほしいと頼み、ジャムカの部族を従えて戦いに行きます。見事に勝利し奪還したボルテでしたが、略奪した男の子供を身ごもっていました・・・

 

妻の子供を自分の子供として育てる決意をし、戦利品を手下に平等に下げ与えたテムジンにジャムカの手下がテムジンについていってしまいます。それを知って怒ったジャムカの弟と手下の棟梁がテムジンの村の馬を盗もうとします。そして過ってジュヤムカの弟を殺してしまうのです。手下の棟梁にそそのかされジャムカはテムジンへの復讐のために兵をあげます。

女子供などを逃がしたものの多勢に無勢、またもテムジンは囚われの身に・・・

 

  

まるで岩窟王のよう・・・って岩窟王のストーリーはよくしらないのですが(笑)、顔の様相が岩のようになっても強靭な精神力で生き延びていたテムジン。

妻の力で救われたテムジンは、「なぜモンゴルは、盗み、略奪、復讐に満ちているのだろうか・・」というボルテの嘆きを聞き、モンゴルを統率する決意をし、妻の元を去ります。

父から崇めるようにと教えられていた神のもとに祈りに向かい、神の庇護のもと、法を作り賛同する兵を集め、モンゴルを統一するためにどうしても避けて通れないジャムカ率いる多勢の軍との戦いを制して世界の半分を占める広大なモンゴルを統一することに成功しました。

こういう英雄を物語る神話的な英雄伝ではしばしば神がかり的な、またはその自然現象を巧みに利用した勝利で語られることが多いですが、「エリザベス:ゴールデンエイジ(2008)」では風が見方をし勝利し、ティムジンには雷が見方をして勝利することになります。

↑---------------ネタばれここまで--------------*






一説には、源の義経が頼朝の兵から逃れモンゴルに渡ってチンギス・ハーンになったと言われていますが、それは日本でだけ言われていることですね。

馬賊であるモンゴル人は、子供や女まで日常的に馬を乗りこなしていますが、テムジン役の子役の男の子がなんの違和感もなく普通に乗りこなしているのにびっくり(笑)

モンゴルの部族の頭領の息子は、まだ、12歳と子供なのに部族間の結束を高めるために、その部族に行って候補の女の子を並べて男のほうが勝手に選びます。嫁選びの基準は、顔が平らで目が細いこと、眼が大きいと邪悪な霊が入り込むと言われているからだそうです。また、足は強いほうが男を幸せにしてくれるといわれているのだそうです。

足元を見ただけで足が強いという観念はちょっとどうやって判断するのかなと、ちょっと不思議にも感じますけどね・・・・

 

盗難、裏切り、復讐など争いが絶えなかった時代のモンゴルで部族の党首の息子として生まれながら、裏切りや略奪など不運に見舞われながらも不屈の精神で生き抜いて、統制のとれた国家建設を実現したモンゴルの英雄を描いている映画です。

 

逃げては見つかり、投獄されては脱走し、異国に売られて牢獄生活を耐え抜いて、生き抜いた波乱万丈の人生を浅野忠信が好演しています。

激動の人生なのですが、子供だったテムジンがいつのまにか大人になっていたり、流れる月日は突拍子もなく飛んでいてかなりの端折ったストーリー展開なのですが、なぜか引き込まれて見入ってしましました。

よくも悪くもモンゴル人の風習はこうという慣習を破り、自分は違うと自分の信じる生き方を貫き、戦利品は皆で分け合うテムジンのリーダーシップに賛同しついて行くものが多く次第に巨大な軍団に成長していきます。

男が女を選ぶ風習だった時代に、「あなたを選んだのは、私よ。」と言うボルテとやさしいまなざしでほほ笑むテムジンに、新しい時代の夜明けを感じさせるラストはすがすがしかったです。

  ~ おしまい ~

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Last updated  March 15, 2008 04:24:28 PM
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