かじったのだあれ2012.10.07上野 posted by (C)あっこ森
トマトを取り皿へ運ぶ父。
そして、「ヒマラヤ岩塩 ローズソルト ミル」に
手を伸ばす。
静かな夕飯だった。
ビンの蓋は、ミルなので入れ替えをするためのネジと
普段、引いた岩塩が出てくるところのふた用のネジと
二つがあり、ボーっとしていると
開けてはいけない「入れ替えをするためのネジ」を
開けてしまうことがたまにある。
そういう事故は、日常茶飯事なので
このミルに手を伸ばしたときは、
慎重に手元を見てミルを轢く。
母も私もよく料理をするので
このミルのクセをよく知っているが
いつまで経っても飲み込みの悪い父が
使うとたいがい大騒ぎになる。
忘れたころに事件はおきる。
昨日もそうだった。
テレビを見ながら
ボーっとミルのネジを回した父。
そして、起きるべくして起きた事故。
父の前の食卓にピンクソルトがあふれた。
「あぁ。塩が台無し。お父さん蓋じゃないほう開けたでしょ?」
「違うよ。開けてないよ。ねじったらこうなったんだよ。」
この散らかし放題の惨状で父が、ねばるところが可笑しい。
無理でしょ、父さん。この状況下でその言い逃れ…。
今、お父さんが触ってそーなったんだよね…。
なんと往生際の悪い。
母が慌てて
カレー用のスプーンを父に手渡した。
ピンクソルトが父のスプーンをよけて
ツルツルとその場から逃げていく。
新しい罰ゲームを考えたみたいな
母の道具選びのセンスが可笑しくて仕方ない。
ミスタービーンを生で見ているみたい。
ぶきっちょの父がピンクソルトを
銀色のスプーンで追いかけ必死に格闘。
笑うのをこらえて
白い10cm台のメモ用紙を手渡す。
即席のテーブル用チリトリ。
父は、スプーンをほうきにして集めだした。
でも頭は使わない派の父は
まだヨロヨロとした手つき。
笑うのを必死でこらえて
台所にいきシリコン製の
キッチンスクレイパーを取りにいき手渡した。
ほうきとチリトリとなるものが加わって
撒いた塩の回収がスピードアップ。
でも見た目がすごく汚い。
「拭かないと…」母は父に言い始めたけれど
「いいわ。この机、傷つきやすいからわたしがやる。」
といいなおしていた。
嫁入り道具の漆塗りの机を
父のぶきっちょ加減で始末したら…アウト。
父があまりに覚束ない手つきで
あくまで自分が悪いわけじゃないと強がりつつも
片付けている。
母と私は、笑うのを
必死でこらえて食事に戻る。
「汚いね。塩で清まったはずなのに
すごく汚いし
落ち着かないね。」
そういって唐揚げをガブリとやると
火のとおりが甘いので
再び戻って揚げるために席をたつ。
「塩はぶちまけるし、
唐揚げは生だし
忙しい落ち着かない食事だね。」
母は、ケラケラと肩を震わせて大笑い。
トマトにかじりつくけれど
我慢してトマトにかじりついたまま
笑うので鼻から鼻水。
「やめてお母さん。鼻拭いて。
すごく汚い。お父さんもお母さんも。
肉は生だし、塩はぶちまけるし、
お母さんは鼻水だし。」
私たちは、もう半なきするぐらい大笑い。
何度も何度も席を立ち、
体制を整えようとするけれど
笑いをこらえられないぐらい可笑しい。
父は、とうとうおしまいまで
自分の非を認めなかった。
あの状況下では、
父しかあのミルに触っていなかったのに。
そして、ピンクソルトの海と必死に戦う
父が超コミカルでたまらなかった。
食卓の端に平皿に父が
必死で集めたピンクソルトが小山を作り
その上に小鉢が蓋として
さかさまに覆いかぶさっている。
頑固親父と岩塩。
どっちがガンコだろう。
背比べ2012.10.07上野 posted by (C)あっこ森
写真は10月7日に上野にて撮影しました。
東京在住、
撮影は自宅から自転車で行った場所が中心です。
ごく身近な自然に目を向けています。
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