マンサク開花2013.02.09光が丘 posted by (C)あっこ森
田澤守さん(樺太アイヌ協会会長)のお話に
耳を澄ませてみませんか。
「樺太アイヌ」
「カラフトアイヌ」としたが、
これは便宜的な表現であり
決して好ましい言い方ではないという。
というのは「カラフトアイヌ」という言い方は他称。
自称の「エンチゥ」という呼び名を用いるのが
本来のあり方なのだそう。
田澤守さんのお話のなかで
「エンチゥ」ならではの指摘があった。
「アイヌ民族協会」
社団法人北海道アイヌ協会
(以下「協会」という)は、
北海道に居住しているアイヌ民族で組織し、
「アイヌ民族の尊厳を確立するため、
その社会的地位の向上と文化の保存・
伝承及び発展を図ること」を目的とする団体です。
と名乗る団体があるのだけれど
そもそも、樺太アイヌは、
狩猟採集で暮らしてきたので
狭いエリアに競合しては暮らしが成り立たない。
そこで、樺太アイヌ、エンチゥの田澤さんは、
「アイヌ民族」というくくりでは
アイヌは存在しないというのです。
田澤さんは、仰られました。
「国とは憲法である。」
和人であり不勉強である私は、
アイヌの特に樺太アイヌ、エンチゥの
田澤さんの思いが込められた言葉
「国とは憲法である。」が
簡単には、受け取れません。
国とは…と私が考え始めたのは
なにしろ、原発事故が起きてから
この国は利権のために国民の健康を捨てるのかと
この国に所属することが
私たちの幸せ感を増すことに役立っているのか?
と強く疑問を抱くようになって
税金をお支払いして、
この国の配下に属する自分の立ち位置に
違和感を感じるようになってからです。
自分の税金が望まない社会に
使われていることの悔しさです。
狩猟採集を生業として暮らしを立てている民族が
強制移住を強いられる。
このことが、ただの引越しとはわけが
違うことに想像が働くでしょうか。
狩猟採集というのは、
「どこに」「なにが」「いつできるのか」
言い伝えやこれまでの経験をもとに
先祖代々、土地を受け継ぎ
自らの命を土地の恵みによって生かされていく
知恵の結集の暮らしということなのだと思うのです。
第二次世界大戦での
日本の敗戦に伴って北海道へと
強制移住させられた人々の実情については、
戦後六十五年を得た今日まで
あまり知られてきませんでした。
エンチゥの場合、
1875年の樺太千島交換条約の際、
明治政府によって宗谷、
次いで石狩の対雁(ついしかり)へと
強制移住させられ、
多くの人が伝染病などで亡くなりました。
豊富町稚咲内は、第二次世界大戦の
日本の敗戦に伴って日本領に移ってきた
エンチゥのもっとも集中した地ですが
その後この地での残存者の数は
大いに減じてしまったのです。
豊富町稚咲内(ワカサカナイ)=稚内のことの意を
ご存知でしょうか。
稚咲内(ワカサカナイ)とは
水の湧かない川の意であり
生き物にとっての命の水もない
貧しい土地。
そこへの強制移住を和人によって求められた
樺太アイヌ、エンチゥ。
結果は、多くのものが
病気や貧困によって命を落とすのです。
そして稚内出身として
以後、差別も受けました。
エンチゥは、日本やロシアの
そういう領土問題とは本当は無縁で
土地で暮らす狩猟採集民族としての
尊厳が守られないまま
命をはぐくんできた土地を追われるのです。
和人とロシアの合間の歴史のなかで翻弄され
命を落としてしまった、そういう祖先を持つ人々です。
樺太アイヌ、エンチゥにとっての「土地」と
和人やロシアの人びとにとっての「領土」では
価値や生活のうえでの意味が違いすぎます。
「利権」争いという天秤によって
命を奪われてきた歴史。
そして、その争いは今も
皆さんがご存知のように続いています。
エンチゥである田澤さんが
墓参りをするために必要なものは
“パスポート”。
人の心に何を押し付けているのでしょうか。
人として、自分の先祖の墓に参るために
勝手に侵略して
勝手に強制移住をさせて祖先の命を結果として奪い
大事な心の通う墓石の前へ行くことでさえ
「通行証:パスポート」を求める。
田澤守さんをはじめとする
樺太アイヌ、エンチゥの
普通の暮らし、人としての尊厳が守られる暮らしを
和人として犯してきた歴史を省みて
このことの重要性をみなと分かち合いたい、そう感じました。
墓参という共通の気持ちを持ってすれば
樺太アイヌ、エンチゥの思いが
和人であり、日本人だと思って暮らしている私たちが
その思いを自分のことに近づけて
察することを可能にできるんではないかと
田澤さんが語られた重要なお話のなかから
クローズアップしてみました。
墓参りにパスポート。
国とは、憲法。
人の暮らしを幸せに導こうとしているのでしょうか、この国は。
この対応を強いる国に税金を納める…。
侵略されたものの気持ち、どんな思いなのでしょうね。
まずは、多くの方が、知ることが必要だと思います。
ぜひ、一度は、田澤守さんのお話を伺ってみてください。
日本人として、人として。
尊厳は、誰もが守られるべきだと思うのです。
マンサク開花22013.02.09光が丘 posted by (C)あっこ森
写真は2月9日に光が丘にて撮影しました。
東京在住、
撮影は自宅から自転車で行った場所が中心です。
ごく身近な自然に目を向けています。
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