テーマ:映画館で観た映画(8531)
カテゴリ:映画
■原題 THE KING AND THE CLOWN ■監督 イ・ジュンイク ■音楽 イ・ビョンウ ■出演 カム・ウソン/イ・ジュンギ/チョン・ジニョン ■ストーリー 時は16世紀初頭。幼馴染であるチャンセン(カム・ウソン)と女形のコンギル(イ・ジュンギ)は、国一番の芸人になろうと誓い合い、旅芸人一座を抜け出し漢陽の都にやって来る。そこで時の王、ヨンサングン(チョン・ジニョン)の悪評を耳にした2人は、王を皮肉る芝居を思いつく。たちまち民衆の人気を博した2人だったが、噂を聞きつけた王の重臣によって捕らえられてしまう。そして、人前で笑ったことがない王の前で芝居を披露し、王が笑わなければお前たちは死刑だと宣告される。 韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞にて、史上最多である10部門を受賞。 韓国史上最大の暴君と呼ばれた実在の王、ヨンサングン(燕山君)をもとにした作品。 内容を殆ど知らずにいたので、もっとドロドロとしていて 暴君の下、芸人たちがさんざん苛められ、逃げ出したいのに逃げられなく どんなに嫌なヤツなんだと、怒りの感情になるかと。 ですが、何をしても常に先王と比べられ、幼い頃に母親を亡くし愛を知らない王が ワガママ放題で、気に入らなければ誰彼かまわず殺してしまう姿も 実際はどれほどの暴君ぶりだったのか、史実に詳しくない私には 映画から受ける印象は、なんだか切なく、哀しい人なのだなと、同情的な感情でした。 そして、チャンセンとコンギルの友情以上の絆、同性愛とはちょっと違う もっと精神的に繋がっている二人が、王と出会い、揺れて離れて。 最後はどうするのかと思っていたら、、、。 コンギル役のイ・ジュンギ、彼を初めて見たのは3年前、モノクロの画像の中。 ちょっとワルぶって、いつも拳銃を手放さない少年。 『ホテルビーナス』ではまだまだ幼く、子供だなぁ~という印象でしかなかった。 その子が、すっかり大人になって現れ、嬉しい悲鳴をあげております。 特別美人ってわけでもないのだけど、涼しげな目元、仕草が何ともしなやかで 妙に妖艶なのよねぇ~(〃∇〃) 時折見せる優しく切なげな表情に、クラっときてしまいますわ。 王とコンギル二人で、指人形や影絵で遊ぶシーンは、私の一番のお気に入り。 ギューっと胸が締め付けられ、ヘタなラブシーンよりも、美しく切なかったです。 チャンセン役のカム・ウソンは、無骨で一本気。 あの状態でもなお、芸に生き、愛するものを守っていこうとする姿、素敵すぎ。 彼の男気には、マジ惚れますよ。 ヨンサングン役のチョン・ジニョン、傲慢さの中に暗い哀しみを宿した王を ただの暴君としてではなく、愚かさと儚さを併せ持つ一人の人間として 演じきられてて、素敵だなぁ~って思いましたわ。 芸人二人に出会えて、初めて自分以外の人間を、認められたのね。 コンギルを母に、チャンセンを父にと、重ねていたように思えましたわ。 そして、この作品の凄いところは、劇中の楽器を使いながらの踊りや綱渡り 京劇風なものなどの見世物は、俳優たちの特訓により、全て本人達が演じているというとこ。 芸達者とは正にこのこと。素晴らしいのよ♪ 観ている側も、その場で大道芸を楽しむかのように、笑いや、拍手をたたきたくなる。 思いの他、どぎつさの少ない、静かなエロスを感じる、美しい作品でした。 『王の男』公式HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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