テーマ:映画館で観た映画(8530)
カテゴリ:映画
■原題 THE QUEEN ■監督 スティーヴン・フリアーズ ■脚本 ピーター・モーガン ■音楽 アレクサンドル・デプラ ■出演 ヘレン・ミレン/マイケル・シーン ■ストーリー 1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃がパリで、パパラッチとの激しいカーチェイスの末、自動車事故に遭い他界する。すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対し、エリザベス女王(ヘレン・ミレン)は本来コメントを発表する立場にはなかった。口を閉ざし続ける女王の態度は、国民の目には薄情としか映らず、女王はたちまち窮地に立たされてしまう。首相に就任したばかりの若きトニー・ブレア(マイケル・シーン)は、国民と女王の間に立ち、事態の収拾に乗り出す。 ヘレン・ミレンがこの作品により、アカデミー主演女優賞を受賞。 まだ存命中の女王の、こんなプライベートな内容の映画を作って 許されてしまうイギリスって、ある意味凄いわぁ~というのが最初の感想。 批判的な内容が続いて、これっていいのか!?とハラハラもするけど 最終的には、、、なるほど、イギリス国民にとっての女王の存在って こういうものなのだなぁ~と、妙に納得してしまいましたわ。 実は、私にとってイギリス王室は、殆ど興味もなく、名前だけの存在。 ダイアナ元妃の事故は衝撃的でしたが、その後のマスコミや国民の加熱ぶり ある種の女王批判があったことなど、全然知らなかったのよね。( ̄∇ ̄*)ゞ この作品で監督は、なるべくその当時の出来事を忠実に描こうと 王室の近い筋などから、情報を綿密に調査したという。 あの事件後の1週間、女王や王室の行動や考え、ブレア首相とのやりとりが 淡々と描かれ、ドキュメンタリーを観ているようで、引き込まれますわ。 前半、なりたての若きブレア首相と、エリザベス女王の初対面が興味深い。 緊張してガチガチな首相に対して、ちょっと冷笑気味の女王。 終盤にもう一度、同じ場所で二人の対面のシーンがあるのだけど 最初の頃との二人の距離感の違いが、微笑ましく思えて、ニヤリ。 意外なことにこの二人が会うのは、映画の中ではこの2回ほど。 電話のやりとりが二人の会話の殆どで、その都度女王が電話を受け取る場所が 違っていたとこが、妙に可笑しかったわ。特にキッチン。(笑) 驚いたのが、映画のシーンにもあったけど、女王は自ら車を運転されるのね。 しかも、お上品なロールスロイスではなく、昔から乗りなれた四駆(オンボロ)を。 避暑地の野山を、ガガガーと走りまくる姿は、かっこよいわよ☆ 主演のヘレン・ミレン、既にドラマでエリザベス1世を演じたことがあるとはいえ 実在の、しかも存命中の女王を演じることに、凄いプレッシャーがあったでしょうね。 ですが、ある程度の人ならば、あのメイクで姿かたちは似せられるだろうけど 内面から放たれる気品や威厳は、彼女が演じたからこそだわ!と、拍手モノです。 父王の病死により、26歳の若さで女王に即位することになったひとりの女性の これまでの苦悩と決意が伝わってきて、作品にリアリティをもたせるの。 鹿と出会う前後のシーン、彼女の表情、素敵でした。 ブレア首相役のマイケル・シーンは、私にはあまり馴染みのない俳優さん。 でも、これまたブレア首相をあまりよく知らない私にとっては、彼はピッタリな役。 下手に普段の彼の作品を知っていたら、先入観が邪魔をしちゃったかも。 彼も既にドラマで、ブレア首相の役を経験済み。完璧じゃない♪ 周りに左右されず、信念を持って突き進む、エネルギッシュな若き首相。 側近たちの批判的意見に対する彼の対応に、ジーンときてしまったわ。 そして、意外に手狭で、生活感丸出しの自宅シーンが微笑ましい。 ブレア首相、今年の秋までには退陣の意向だそうだけど たとえ作り物だとしても、この映画を観れば彼の支持は増えるのかも。 それにしても、いつの世もマスコミの煽りっぷりは変わらないのね。 そしてそのマスコミに、ついつい踊らされてしまう民衆も。考えさせられます。 もうちょっと王室の歴史を知っておくと、さらに楽しめたかもとちょっと後悔。 まぁ、知らなくても全然問題なしですが。(笑) 冷酷そうなに思えていたイギリス王室が、血の通った、魅力ある人たちであると 感じられること請合い!(単純すぎ、私?(笑)) とにかく、ヘレンの女王っぷりを最初から最後まで、じっくりご堪能ください。 『クィーン』公式HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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