カテゴリ:本
出版社名:講談社 出版年月:2006年8月 中学でサッカーを諦めた新二と、陸上をやめてしまった連。 とくに強豪でもない、春野台高校陸上部に入部したこの二人。 ひたすらに走る、そのことが次第に二人を変え そして、部を変える―。 2007年、本屋大賞受賞作品。 最近になって「風が強く吹いている」「バッテリー」「DIVE!」と スポ根小説を気に入って読んでて、その流れに乗ってこの本も。 相変わらず、陸上競技というものを分かっていない私。 でも、佐藤さんの文章は、目の前に状況を作り出し、読みやすい。 読むことを止めるのがもったいなく、一気に3冊、読んでしまいました。 何かに一生懸命な人って、こんなにも純粋で真っ直ぐなのだろうか。 走るということに、ただひたすら早く走ることに、こんなにも素直なのか。 こんなにも夢中になれることって、あるのだろうか。 才能ある兄の背中を見続け、でも同じ土俵では限界が見えてしまった弟の新二。 挫折によって普通ならいじけて孤立してしまいそうなのに、彼は明るくて、イイ子で。 兄に対する憧れの思いも、微塵たりともぶれたりしないとこも、読んでいて気持ちがいい。 幼馴染の天才スプリンターの連にでも、嫉妬もあるだろうに、それを超えて 才能を無駄にしてしまうことのほうを恐れ、もっと、もっと、彼に走ることを欲するの。 そこがまた、涙腺ゆるゆるポイントなのだ。 でも、新二の片思いだけではなく、連だって。「かけっこ」ってぇ~!(泣) もたれあうだけでなく、お互いを高めあう関係、素敵過ぎです。 新二を取り巻く人たちも、どいつもこいつも、魅力的な奴らじゃないか!! 顧問のみっちゃん、やる気がなさそうで、中身は意外と熱血感。 そんな彼に泣かれたら、新二たちじゃなくても一緒に泣いちゃうよ。 陸上部の先輩、まさに部長たる人格の守屋さんは、かっこ良すぎますよ。 ジンクス好きな浦木さんはオチャメで、何だかホッとさせてくれる。 後輩の桃山や鍵山たち、そんなに新二を困らせるなよ~と思いながらも 彼らの存在によっても、新二が成長していく姿が、微笑ましく、頼もしい。 新二を陸上部に誘った根岸は、男気があって素敵だ。彼の存在は大きいよ。 そして新二と若菜ちゃんの関係、もどかしくて可愛らしくて、ニヤニヤ。 思いもよらないところで、サラリと言われたセリフたちに、爆笑&号泣。 何度、やられた~と言わされた事か。 「Over Drive」の作者である安田剛士先生により、来月から漫画版の連載が始まるらしい。 でも、映画化でも思うことだけど、原作から入ってファンになってしまうと それが別の形で表現されることに、軽い抵抗があるのよね。 漫画なら、少しはイメージどおりになるかな。。。 とにかく、できるだけ時間を作って、3冊いっぺんに読んでみて♪ いや多分、言われなくとも、一気に読まずにはいられなくなりますわ。(笑) 新二たちと一緒に、風のように走り抜けてください。オススメ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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