テーマ:映画館で観た映画(8529)
カテゴリ:映画
■監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ ■脚本 ギジェルモ・アリアガ ■音楽 グスターボ・サンタオラヤ ■出演 ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/ガエル・ガルシア・ベルナル/アドリアナ・バラーザ/役所広司/菊地凛子 ■ストーリー モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が、突然何者かによって銃撃を受け、妻が負傷するという事件が起こる。夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちマイクとデビーの面倒をみるメキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラーザ)。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。やがて彼女は仕方なく、子供達も一緒に連れてメキシコへと向かうのだった。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊地凛子)は、満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしていた…。 バベルの塔 ―神は人間の思い上がりを戒めるため、一つであった言葉をいくつにも分けて混乱させた― ほぼ1ヶ月前に観た作品、いったい今まで何をしていたんだろう。。。(笑) アレハンドロ監督の映像は、なんと言うか、血なまぐささが漂うのよ。 常に何かが起こるのではないかと、ハラハラし通しで、最後まで目が離せない。 言語や思想、政治的なものも絡み、通じないもどかしさや辛さが、ちょっと痛いですわ。 モロッコで、夫婦の修復を図ろうとするアメリカ人夫婦。何ゆえモロッコを選んだの? あの土地は、楽しく過ごす場所ではないような気もするんだけどなぁ~と。 ただ、あのオシッコのシーンは、ちょっと素敵でした。(文面にすると変ですが(笑)) 非日常的な出来事が、お互いの心の底にあった温かなものを思い起こさせたのかな。 不幸な事件だったけど、愛を確認し合えたのは、彼らには良かったのかしら。 変わってメキシコパートの陽気さ。久々に、母国語であるスペイン語を話すガエル君♪ 明るさと軽率さをもった、ラテンのりのお兄ちゃん、サンチャゴ役は新鮮。 でも、いくらお酒が入っていたからって、あの強行はいかんでしょ。どこ行くのぉ~。 アメリア叔母さんはちょっと可愛そうでしたが、息子可愛さとは言え、浅はか過ぎました。 ただ、国境も出るときは簡単なのに、入るのがあんなに困難になってしまうなんて。 そして日本。菊地さん、まさに体を張った演技でしたね。 彼女の役は衝撃的でしたが、音のない彼らの世界での孤独や苛立ちが 切ないほど伝わってきて、眉間にぐぅ~っとシワがよってましたわ。(笑) あの手紙には何が書いてあったのか、それは問題ではないのよね。 国家同士の思惑で、人の命も助けられないという怖さ。 銃撃をすぐにテロと思いこんでしまう、国の内情の怖さ。 羊飼いの兄弟やその父親の、ちょっと掛け違ってしまった思いから 取り返しのつかない悲劇が生まれてしまう怖さ。。 人種差別による、偏見の怖さ。 そして、言葉が通じず、コミュニケーションがはかれない怖さ。 それぞれの国で、それぞれの言語を話す、当たり前のようで難しい。 ラストは、散らばっているピースが最後にピッタリ、、、という爽快感ないとう点では それを期待して観られる方には、この作品が消化不良に思えてしまうかも。 ただ、敢えてそうしない、アレハンドロ監督とギジェルモの思惑に身を任せ 見終わった後に静かに押し寄せる感情に、ムムムと唸ってみて下さいませ。(意味不明) 『バベル』公式HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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