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テーマ:DVD映画鑑賞(14139)
カテゴリ:映画
『生きる』 黒澤明監督 志村喬主演 *注 ネタバレアリ とある市役所の市民課長が主人公(志村喬)。 時間ばかり気にして『お役所仕事』を地で行く勤務態度。 課長がこれですから部下の職員たちも右に同じ。 ところがある日、この課長が医者から胃がんであることを告げられます。 余命いくばくもなし。息子に病名を告げられず、 そして半ば自暴自棄となり、今までやったことないほどに遊びまくります。 (それまでは遊びなんて全くしない寡黙なタイプなんです) 人生初めての放蕩生活の果てに、初めて『生きる』ことの意味を発見します。 わしにも何か出来る・・・ やる気になりさえすれば・・・ そう、今までは何もせず単に日々をむなしく送っていただけだったのでした・・・ 黒澤監督の作品は、確か『乱』あたりから観はじめたような気がします。 他には『影武者』(面白いデス!)、『夢』『八月の狂想曲』と来て、 しばらくご無沙汰でした。 20代の半ば頃になってから、ようやく過去のモノクロ作品を観るようになった のですが、いやはや。ビックリでした。めっちゃ面白いんですよね。 『七人の侍』『天国と地獄』『用心棒』・・・どれも面白いったらありゃしない(笑) (但しモノクロ作品はDVDだとセリフが良く聴き取れなかったりしますが・・・) これらを観てはじめて、黒澤監督って、最高のエンターテインメント作品を 撮り続けた人だったんだと気付きましたねえ。 で、モノクロ作品にハマった頃に出会ったのが、この『生きる』。 地味~な印象でしたが、正直泣けました。志村喬が亡くなった祖父に似ていたから(笑) だけではなく、『真に生きるとはどういうことか』を考えさせられ、 胸に刻み込まされた作品でもありました。 やはり人生で一番影響を受けた作品の一つですね。 物語は話半ばで劇的に展開します。もう終わりか?と思ったところからが、 実はこの話の核心に迫っていくところなんですね~ その見せ方の手法が、さすが『羅生門』の黒澤監督!というところです。 私は後半は涙ポタポタ状態でツラかった(笑) 特に『夕日』と『ブランコ』(上の写真)のところ、ヤヴァイです。 印象的に使われる曲、『命短し恋せよ乙女~』もいたく涙腺を刺激されます。 あと、一番最後の市役所内のシーンは、別の意味で泣けました(笑) 思わず我が身を振り返り、襟を正さねばと思うところであります。 これはおすすめ出来る作品だと思います。 『ALWAYS』よりもちょっと前の時代が観れるのも面白いかも? そういえば、今回のアカデミー賞の方は、日本勢は惜しくも逃してしまいましたね。 私は第62回アカデミー賞(1989年度)の時を思い出しました。 そこにいたのは背の高い外国人を圧するほど長身の黒澤監督。 『アカデミー特別名誉賞』受賞。彼の長年の映画に対する貢献を表したものでした。 二人の『愛弟子』、ルーカスとスピルバーグがプレゼンターを務めました。 そこでの黒澤監督のスピーチが最高でした。 このような立派な賞を頂きましたが心配です。 なぜなら、私はまだ映画が良く分かっていない。 まだ映画というものをはっきりと掴んでいない気がするからです。 これからも映画という素晴らしいものを掴むために努力するつもりです。 それこそがこの賞に報いる唯一の方法だと思うからです・・・ この時、御年80歳。 なんと素晴らしい監督だったことでしょう。 あ、あと忘れるところでした。この『生きる』は、ハリウッドでリメイクされるそうです。 トム・ハンクス主演でニューヨークが舞台だとか。なんかビミョ~ですねえ。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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