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カテゴリ:映画
ブログ仲間に『横浜国際フォトジャーナリズム・フェスティバル』というものが開催 されていると紹介して頂いたこともあり、改めてこのDVDを観てみました。 『地雷を踏んだらサヨウナラ』 監督 五十嵐匠 主演 浅野忠信 *注 ネタバレアリ 浅野忠信演じる一ノ瀬泰造は、実在したフリーの戦争カメラマン。 1972年、彼は内戦が激化の一途を辿るカンボジアにいました。 戦場での実相を世界へ伝えるために、そして、アンコール・ワットをカメラに収めたい という一心から、命を賭けて現地へ入っていきます。 しかし、アンコール・ワットは既にクメール・ルージュの支配下にあり、さらに至る ところに地雷が仕掛けられ、簡単に近付けるところではありませんでした・・・ 以前、カンボジア内戦を描いた『キリング・フィールド』を観て以来、 何度かカンボジア内戦についての作品に触れてきました。 隣国で起こったベトナム戦争の煽りをくらい、アメリカ、中国、ベトナムなどの 軍事介入を受け、さらにその後政権を握ったポル・ポト派によって300万人 (国民の3分の1といわれています)もの大量粛清が行われたというカンボジア。 アンコール・ワットも戦争の被害を受け、当時は荒れ果てた状態であったろうと思います。 昔、リーダーズ・ダイジェスト社から発売された『世界最後の謎 失われた文明を求めて』 (1978年刊)という本が家に置いてあり、子どもの頃貪るように読んでいました。 その中にアンコール・ワットも入っており、使用されている写真は過去のもので、 現在は撮影不可能みたいなことが書いてあったと思います。 内戦で遺跡がどうなってしまうのかがとても心配で、もう二度とこの本に載っている ような姿は見れないのかと思ったものでした。 それと同じような思いが『タイゾー』にもあったのかなと。 この目で見たい。そしてカメラに収めたい・・・ 実際に行ってしまうのだから凄いですが。 肝心の映画の方は、ほぼオールロケの現地の風景が良かった。 また、邦画にしては珍しくほとんどのセリフが字幕です。 (英語やカンボジア語での会話が中心) 戦争カメラマンとしてだけでなく、20代前半の日本人青年タイゾーをごく自然に 描いている感じがしました。現地での生活、特にカンボジアの子どもたちと戯れて いる時の笑顔は忘れられないですね。 ただ、彼の作品(報道写真)についてはもうちょっと紹介して欲しかったという ところではあります。 心からカンボジアを愛し、そしてカンボジアの土になったタイゾーは、 最後に次の言葉を遺しました。 うまく撮れたら、東京まで持って帰ります。もし、地雷を踏んだらサヨウナラ。 彼ら戦場カメラマンの中には、『金』や『出世』などのために戦場へ出かけていく者も いるかも知れません。果たしてタイゾーにそういう気持ちがあったのかどうかは分かり ませんが、少なくとも、こういう風に命を賭けて写真を撮り続けている人がいるお陰で、 私たちは世界で起こっていることを知り、また考えることが出来るのではないかとも思 いました。 一ノ瀬泰造 公式HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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