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テーマ:DVD映画鑑賞(14212)
カテゴリ:映画
『キッズ・リターン』 北野武監督第6作。あのバイク事故から生還した後に最初に作ったのが本作で、 複数の若者たちの挫折と再生を描いた心に残る作品でした。 *注 ネタバレアリ 高校生のシンジとマサル。マサルはカツアゲを繰り返すワルで、シンジはその舎弟。 ある時カツアゲした相手がボクサーを助けに呼び、復讐されたことからマサルは ボクシングを始めることに。シンジも一緒に始めるが、むしろシンジの方がボクサー として成功する素質を備えていた。 その後マサルはヤクザの世界へ、そしてシンジはボクサーへと別々の道を歩んでいく二人。 しかし、二人を待ち受けていたのは、栄光とはほど遠いものでした・・・ その他にも漫才師を目指す二人組や、喫茶店でウェイトレスの子に恋心を抱く者など、 複数の若者が登場します。それぞれがもがきながら、少しずつ前進していく。 その過程に程よい笑いと涙を織り交ぜる手法には、さすが喜怒哀楽全てに通じた 北野監督だと改めて感心しましたね。 導入部はいきなりの展開で何が何だか分からなかったのですが、観ていく内にするするっと 引き込まれ、ラストにはグッときましたね。久石譲の音楽もイイ! シンジらが通う高校が男子校だったので、自分の高校時代を思い出し、 余計に引き込まれた部分もありました。 まあ、あそこまで酷い同級生はいませんでしたが、似たり寄ったりですかね(笑) あいつら元気にしてるのかなあ。 とにかく画面やセリフのはしばしに緊張感を漲らせる北野監督の映画は凄いです。 リアルというか、演技演技していないというか。 ボクシングのシーンだけでなく、何気ない普通の描写が上手いと思いますね。 若者特有の思い上がりや無鉄砲さ。 それが時には強い武器となるのでしょうが、いざ壁にぶつかった時にはどうなるのか。 死に直面するほどの大事故を起こした北野監督の思いもひしひしと感じられる作品でした。 ラストの場面、傷心のシンジとマサルが校庭で自転車の二人乗りをしながらのセリフ。 マーちゃん、オレたちもう終わっちゃったのかな。 バカヤロー! まだ始まっちゃいねえよ! 心に残る素晴らしい映画でした。 今話題の兄弟も、この映画観たのかなあ・・・ cinelog参戦中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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