NHKドラマ 『遥かなる絆』
先週土曜日から放送が始まったNHKドラマ『遥かなる絆』(全6回)。第一回目の『はじまりの河』を録画で観ました。以前、原作本の『あの戦争から遠く離れて』を読んでいたので話の筋は知っていましたが、改めて映像で観てみると印象がより鮮明になりますね。 以前書いた記事『大地の子』と違って下敷きが実話のため真に迫るものがあります。それに、原作は一般のノンフィクション作家が書いたものではなく、残留孤児だった父を持つ実の娘が、中国に留学することによって、現地で父の過去を辿りながらノンフィクションにまとめたものなので、外部から覗いた話ではなく、肉親だからこそ描けた物語であるということに非常に感銘を受けます。終戦時、混乱の極みに達していたであろう満洲の地において、悲運にも命を失う者たちが数多くいた中、同じように多数の幼い子どもたちが自らの意志のあるなしにかかわらず、中国人養父母に預けられ、その後の人生を中国人として歩んでいかねばならなかった。原作者の城戸久枝さんの父、幹さんは、養父母に玉福と名付けられ、貧しいながらも温かい愛情の下で育っていきます。『大地の子』を観た時もそうでしたが、流れる血の違う子を我が子として育ててくれた養父母たちの存在は、決して忘れてはいけない人たちなのではないかと思いますね。第二回 『日本孤児』の放送は、25日土曜PM9:00~です(NHK総合) NHKドラマ『遥かなる絆』公式HP ↑最近ご本人の自伝も発売になりました蛇足・・・『兵隊太郎』の話をご存じでしょうか。このドラマとは逆に、日本軍が中国人の孤児を育てた、という話です。こちらでちょっと紹介されています。