先生のラグビー日記

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• こういうことは滅多にないが、あるとうれしい

  ラグビーマガジン最新号に、親子で載りました父はレフリーとして名前が、息子はマイクロソフトカップ交流大会のチーム集合写真に顔が掲載されました。こういうことは滅多にないので、今月号は家宝にします。

  2007.11.29

• 痛かった話

  調理実習で生徒が作ってくれた、かんぴょう&海草サラダ、食べているうちに涙が出てきた感動した…のではなく、親指大の口内炎にドレッシングがしみたのである。前回の日記のコメントにNaClさんが書いてくれたが、日曜日の試合で痛い目にあった(>_<)前半、Ｇ大学の選手が蹴ったボールが顔面直撃☆★目の前が暗くなると同時に膝から地面に落ちた。気力で笛を吹き、試合を停止、スクラムを命じた。スタンドの声に励まされ、立ち上がって試合再開。その時、口の中を切り、右瞼が腫れた。瞼はすぐに腫れが引いたが、口の中が痛くなったのは昨日から。現在、食事に難儀している。しかし、彼はどこを狙って蹴ったんだろう？僕を狙ったなら大当たりだが。人間、いつ怪我をするのかわからない。勉強になったよ。

  2007.11.28

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  すっかりご無沙汰

  このブログに記事を書いたのは、先週の月曜が最後。丸々１週間更新しなかったのは初めてだと思う。まぁ、いろいろあったのだが…一番の理由は…風邪を引きました「気を抜くと風邪を引きますよ」とお医者さんに言われたことを書いた直後だったので恥ずかしくて実は、所属している１学年の先生たちは先週、ギックリ腰、咳が止まらない、肉離れとバタバタと病や怪我に倒れていた。これはきっとコックリさんの呪い…水曜日に悪寒を感じたので、退勤のその足で薬局に行った。葛根湯と「若甦内服液G（30ml×5本）更に1本おまけ！：1119_10周年10」なる栄養剤を飲んで安静に過ごした。　かかりつけのお医者さんお勧めの「風邪の引きはじめは絶食して早く寝る」＋薬剤師さんお勧めの「若甦を６０ccのお湯で割る」という飲み方、これは効果てきめんであった。全身がポカポカしてきて、気持ちよく寝られた。翌日には完治、風邪は引きはじめが肝心というがまさにその通りである。　実は、毎回インフルエンザの予防接種を受けた週には風邪の症状が出ていたので注意はしていた。シーズン中の体調管理はレフリーの義務である。危うく穴を空けてしまうところだったと深く反省している。　それにしても若甦、よく効きました。風邪の引きはじめだけでなく体調の悪いときにも効果的とのこと、手放せなくなるかも

  2007.11.26

• インフルエンザ予防接種

  　今日は部活動が休みなので、定時に退勤。インフルエンザ予防接種を受けに近所の病院に行った。土曜日に接種しに行った家内から「ものすごく込んでいる」と聞かされていたので覚悟して病院に行ったが駐車場には一台の車も停まっていなかった。「休診日か、それとも診察時間終了か？」と思ったが、待合室の明かりはついていた。受付に行くと普通の対応だったので、「今日は空いてますね」と聞いたら、「これから混むと思います。学校帰りのお子さんがたくさん来るんです」とのことだった。絶妙のタイミングだったわけだ。　診察室にはいると、先生が開口一番「節制しているようですね」どうしたのだろうと思ったら「今年初めての来院ですよ」と言われた。確かに以前は年に数回診察してもらっていたが、ここ数年は予防接種くらいしか病院に行かなくなった。　この先生の持論は「疲れているときはものを食べてはいけない」というもの。消化吸収はエネルギーを使うので、疲れているときお腹いっぱい食べると風邪を引きやすくなるそうだ。数年前には「私は疲れたら寝ちゃって、朝仕事をするんです」と健康法まで披露してくださった。これを聞いてから、僕も満腹になるまで食べることを慎むようになった。自転車通勤と合わせたダイエット効果はてきめんであった。　先生は「気を抜くと風邪を引きますから、油断をしないで下さい」と言いながら注射をしてくれた免疫ができるまで数週間、体調管理に気を配らなければ。　帰りには薬局でイソジンを購入。風邪の季節、まずは予防からである。

  2007.11.19

• オーバー

  息子がラグビースクールの試合で怪我をした。怪我は仕方ないし、「腕を上げると痛い」程度なので大したことはないと思う。本人に聞くと、「オーバー」で怪我をしたそうだ。息子のラグビースクールではとある大会での勝利を目指して「オーバー」の特訓をしたそうだ。「秋に入ってからずっとオーバーの練習をしていた」というのは息子の話。オーバーでボールキープ、それから体の大きい、運動能力の高い子にボールを渡して突破。これがチームの戦術だそうな。果たして、念願かない大会では２勝。しかし、当日の試合は「ベストメンバーでいく」とのことで息子の出番はなかった。「次の大会は、オーバーがしっかりできるようにしてベストメンバーに入りたい」というのが彼の反省だったが、親としては複雑だった。昨年度までの小学校勤務&高校ラグビーの指導、そして今までのラグビー生活を合わせて考えてみても、小学生のうちから「オーバー」に明け暮れるというのはどうもすっきりしなかったからだ。奇しくもスポーツライターの藤島大さんがこれをテーマにコラムを書いていた。http://www.suzukirugby.com/column/no_56.html藤島さんが書いているように、おそらく正解などないのだろう。でも、言わせてもらえるなら小学生の時期にしかできないことを犠牲にしてまでやらなければいけないラグビー、価値があるのだろうか。これもまた、答えは出ないのかも知れない。

  2007.11.18

• 栃木県中学校文化連盟総合文化祭

  　土曜日だったがお仕事。第１３回栃木県中学校文化連盟総合文化祭の役員として一日働いていた。自分の学校の１年生全員が会場に来てはいたが、そちらの方は他の先生にお任せだった。　この文化祭、栃木県内の各地区持ち回りで年１回開かれている。今年は今つとめている町が当番地区で、町内の中学校の国語、音楽、美術の先生が各部門の部長を務めた。僕は去年まで小学校に勤務していたので、この文化祭の存在自体も知らなかった。何が何やら分からないまま「第１回役員会」なる会議に出席した。今年の８月のことだ。　配られた名簿を見ると「記録部長」の欄に僕の名前があった「一体、何をしたらいいんですか？？？？？」と事務局の先生に聞いたら、次年度のために会場の準備の様子やステージ発表の様子をデジカメで記録するのが仕事だと教えてくれた。僕も含め６人が部員で仕事を分担した。　前々回の会議で事務局の先生から「記録部は５人になりました」と連絡をもらった。「？」と思っていたら「部員の○○先生、お亡くなりになったんですよ」会議には来なかった先生なので顔を会わせたことはないが、それでもやはりショックだった。その先生の仕事僕がそのまま引き受けることにした。　当日は大したトラブルもなく、無事仕事は終わった。学校備え付けのパソコンとプリンターを持ち込んだので画像をすぐに印刷したので、その日のうちに仕事が終わった。我ながらいいアイデアだったと思う。一仕事終えてほっとした。　ステージ上では和太鼓、お囃子、合唱、演劇などが行われたがなかなか面白かった。特にオープニングの和太鼓は迫力があった。吹奏楽は、かなり上手な学校らしいのだが、演奏した曲がコンクール向けの新曲で多くの人には馴染みのないものだった。上手いのだろうけれどよく分からなかったというのが正直な感想。まぁ、聞く人が聞けばきっと激賛されるのでしょうが。　長い一日が終わり、正直なところかなり疲れました。　

  2007.11.17

• びっくり

  子供の頃、教室で「こっくりさん」をやってる友達がいた。ああいう類いのものは性に合わないのでやったことはなかったが、「呪われる」「霊に憑かれる」等、騒いでいる子達がいたのは覚えている。職についてからはすっかり存在を忘れていたが、なんと、先日、女子更衣室に籠って「こっくりさん」に没頭する一団を発見。 下校時刻を過ぎていたし、更衣室に籠るのは約束違反なので指導したのだが、絶滅？したと思っていたこっくりさんを発見した衝撃は大きかった。隠れキリシタンを発見した宣教師もこんな感じだったのだろうか？

  2007.11.13

• 泥濘戦

  　今日は関東大学対抗戦Ｂグループのレフリーをしに国立へ。昨日からの雨でグランドはあちこちに水たまりができていた。ホームチームの部員たちが水を汲み出し、ならし棒で整地している様は干潟の干拓のようであったグランドの中は所によってはくるぶしまで埋まるほどの泥。ここまでの状況は僕のレフリー生活でも初めてといっていいくらいであった。　もっとも、このグランド、２月には人工芝化の工事が始まるそうだ。グランド開きの日に吹かせてくれないかなぁ　試合の方は、最後の最後まで勝敗が分からない接戦だった。結果的にはホームチームが５点差で逃げ切ったが、なかなか熱い試合であった。勝ったホームチームは試合後喜びを爆発させていた。今シーズン初勝利とのこと。一方、敗れたチームはタイムアップの後、グランドに突っ伏して涙している選手がたくさんいた。この試合に賭けるものがあったのだろう。次戦、頑張ってほしい。　スタートダッシュが利かないグランドでのレフリー、正直言って大変だった幸か不幸か、両チームともＦＷの周辺を攻めてきたので、レフリーが疾走しなければならない、という場面はそう多くはなかった。遅れた、というシーンはなかったので我ながら頑張ったと思う(^^;)　以前、日本協会のアセッサーをしていたＹ井さんがグランドにいらしたのでご挨拶。「今日の笛はよかったよ。」と初めて褒めていただいた。　こういう試合の後は、衣類が水を吸って重くなる。行きより重たくなった鞄を引っぱって帰るのは骨が折れた。今シーズンの割り当ては残り６試合。今日が最初で最後の土のグランドだったわけだ。　今から洗濯。泥を落とさなきゃ。

  2007.11.11

• 雨の土曜日に大麻問題を思う

  　朝から雨だったが、サッカー部の対外試合の予定があったので学校へ。準備を始めたが雨脚が強くなり、気温も上がらないとのことだったので相手校の先生と相談の上、中止を決定。校舎内でトレーニングをして解散した。　思わぬ形で時間ができたので、たまっていた雑務を処理した。そこへサッカー部の保護者から電話。内容は大したことはなかったのだが、びっくりしたのはそのお母さんの第一声。「今、弟のサッカーの試合で○○小学校に来ているのですが…」この氷雨の中、サッカーやってるんですか！！風邪引かなきゃいいけど。　さて、大麻問題。連帯責任がどうこうとは言いたくないが、なぜこんな事態が起きたのかの検証を怠ると、同様の事態は今後も起こり得るということだけは忘れてはならないと思う。　ちょっと前の出来事。タグラグビーの地区予選にレフリーとして参加した。５つの県予選を突破した１０チーム(小学生）が地区の出場枠１を目指して熱戦を繰り広げた。　代表チームが決定し、全チームが閉会式に参加…と思ったら、並んでいるのは８チームしかない。関係者の話によると隣県の２チームから「自分たちの試合が終わったので帰りたい。遠方でもあるので。」との申し出があったそうだ。ちなみに、参加したチームのうち最も近いは地元のチームだが、その次に近いのが帰っちゃった２チームだった。　帰ったチームの理屈は分かる。閉会式に参加しても現実的に得るものはない。ただ、「試合がないから帰る」のは決勝進出チーム以外は皆同じだし、「遠い」チームはもっとたくさんある。特に配慮を求める事項だとは思えない。　もう一つ言わせてもらえるなら（そして、こちらの方がより重要な問題なのだが)、指導者は、この大会には「各県代表チーム」しか出られないことについてどういう認識を持っていたのかを聞いてみたい。この大会に出場しているのは各県２チームしかないわけで、出場チームは他チームの選手の期待を背負ってきているのである。帰っちゃった２チームの指導者には「自分たちの行動は、県のラグビー界の行動である」という意識があったのだろうか。大会に参加したのは「何とかラグビースクール」「何とか小学校」ではあるが、「○○県」「△△県」ラグビー協会は彼等を代表として送り込んだのである。「自分のチームだが、自分だけのチームではない」―閉会式不参加のチーム指導者、小学生にどう教えたのだろう。そして自分自身はどう考えていたのだろう。聞いてみたいものだ。　「地位が人をつくる」という言葉がある。また、「人様に後ろ指を指されるな」という教えもある。こういったことが日常生活で死語になってはいないだろうか。「自分らしく」も結構だが、「代表」とか「選ばれること」の重さを感じさせ、それにふさわしい行いを教えなければ、人の格は高まらないのではないか、と思う。　付け加え。「法に触れるからやらない」のではなく「恥ずかしいからやらない」という教えは、もはや時代錯誤なのだろうか。「大麻は国によっては合法だ」という理屈、それならば「大麻を所持しただけで死刑の国もある」という言葉を突き返したい。法の問題ではない。モラルの問題である。　元ワラビーズの選手の話。「初めてワラビーズに選ばれたとき、先輩から『ファンから頼まれたサインは絶対に断るな』と言われた。『お前がサインを断ることにより、その子がラグビーを嫌いになったとしたらお前はラグビーを裏切ったことになる』。これを聞いて身が引き締まった。」王貞治も同じ様なことを言っていたと思う。　代表とかチャンピオンとか優勝とか、誰もが一度は体験してみたいものだろう。だが、現実にそこまでたどり着ける人は少ないし、その後も「らしく」振る舞える人はもっと少ない。だからこそ、「らしさ」を教える責任が大人にはある。　

  2007.11.10

• 坂本龍馬の身長

  　今日のニュースで、「坂本龍馬の身長は１６９センチくらいだった」というものがあった。詳しくはこちら。　記事の中にも出てくるが、小説「竜馬がゆく」では大男として描かれていたし写真の印象からも大柄の印象を持っていた。もし記事が正しいなら、僕とそうは変わらないわけだ。もっとも、当時の日本人男性の平均身長は１６０センチ弱だそうだから、大きい方だったのは間違いなさそうだ。　大学を出て配属校が決まったときに、「今度来る先生はラグビーをずっとやっていた」と聞かされた先生たちは実物の僕を見て拍子抜けしたそうだ。よほどの大男が来ると思ったらしい。　現役選手だった頃、自分が小さいというのを気にしたことは一度もなかった。小さくてもやれるポジションはあったし、ものすごくでっかい相手は捕まる前にかわせばいいと思っていた。幸か不幸か接触プレーに強い方だったから、大きい相手とぶつかっても吹っ飛ばされるのも少なかった。　「あ、俺って小さいんだなぁ」と痛感したのは、レフリーになってから。駆け出しの頃、大学のジュニア選手権を吹きに「重戦車」大学に出かけた。試合は「重戦車」大学が勝ったのだが、試合後「質問があるのですが」と重戦車の方々８人が僕のところにやってきた。威圧するわけでも何でもなく、純粋に解釈についての質問だったのだが、８人に至近距離まで詰め寄られると壁が迫ってくるようで息苦しかった。縦にも横にも大きい彼等から見下ろされるとなんだか惨めな気分になってきた以来、大きいプレーヤーとはあまり近寄らないで話すようにしている。　体重別の競技を別にして、体が小さい方が有利だというスポーツ、何があるだろう？器械体操には大柄な人は少ないし、競馬の騎手も小柄な方が有利だ。今、思い浮かぶのはこれくらいかな。ラグビーは、これはもう、大きい方が有利である。能力が同じ選手が二人いて、どちらかを選ばなければならないとしたら、監督は大きい選手を使いたがるだろう。　大きい人たちに囲まれて学んだのは、人と同じことをやっていては生き残れないということだ。どうやって裏をかくか、ということを考えて工夫するのは面白い。体が大きかったらこんなこと知らずに終わっただろうな。　ＮＺに試合に行ったとき、でかい選手三人に前をふさがれた。咄嗟に相手の股をくぐって裏に出たら、観客がどっと沸いた。「韓信の股くぐり」ではないが、我ながらよくやったと思う　身長は生きていく上であんまり重要じゃないってことだろう。負け惜しみかな。

  2007.11.06

• ヘルメットの話

  　たしか、はなわが「佐賀県」で小学生が通学の時にヘルメットをかぶっている、と歌っていたような気がする。実は、僕の勤めている学校の学区にある二つの小学校も、通学時のヘルメットを義務づけている。交通事故にあっても重傷を負わないように、という配慮からだろうか。奇妙なことに、このヘルメット、夏の間は被らなくてもよいらしい。理由は「頭があつくなるから」ということだが、夏の間は交通事故に遭う確率が減るわけでもないだろうに、と思う。　誤解のないようにあらかじめ言っておくが、僕は、登校下校時の事故などあってはならないし、関係者は学校の行き帰りが安全であるよう最善を尽くすべきだと思っている。それに、自転車通学時のヘルメット着用は当然だとも思っている。　でも、徒歩通学にヘルメット、という考えには違和感がある。本当にヘルメットなしでの登下校が危険だというならば、どうしてそのような状況が放置されているのだろう。　実は、数年前まで勤めていた小学校も、登下校時のヘルメット着用が義務であった。やはりこのときも「ん？」と思い、時間をかけて改善を図った。調べてみると、通学路に歩行者用の通路がなかったり、ガードレールが不備だったりと、危険とおもわれる箇所がいくつかあった。そこで、当時の管理職に地区の交通安全のための設備が整っていない点を説明し、改善を働きかけてくれるよう、依頼した。また、地区の警察に依頼し、交通安全教室を開催した。　こうして、条件を整えた上で、「登下校の時にはヘルメットを着用する」という校則を、保護者の判断でヘルメットを着用するよう文言を改めた。保護者にも我が子の安全について関心を持ってもらうためである。今、その学校ではヘルメットを被って学校に来る子はいない。　絶対に被らせないと危険である、というのなら夏の間被らなくてもいい理由の説明ができないし、夏被らなくていいのにほかの季節に被らなくてはならない理由も不明確である。こんなことを書くのは気が引けるが、学校が「児童の安全のためにこんなことをしてます」というというパフォーマンスに子どもを使っているようにさえ思えてしまう。こういう偽善は大嫌いだ。　　　

  2007.11.02

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  人生ゲーム

  　今日はクラス全員で「人生ゲーム」をやった。　「１３歳のハローワーク　おしごと発見　人生ゲーム」、これ、歴とした「教材」である　中学１年くらいだと、職業に関する知識は小学生とそう大して差はない。僕のクラスの中で人気の職業は、女子だと「動物に関する職業」「パテシエ」「先生」、男子だと「スポーツ選手」「サラリーマン」「医師」というところか。人生での体験がそれほど多くないから自分の両親や親戚、あるいは身近な職業くらいしか知らない、というのが現実なのである。　このゲームは、１００種類の職業が体験できる、というのが謳い文句である。中には初めて耳にするような職業もあり、生徒にとっては刺激的であったようだ。　今日は途中で時間になってしまったので、来週２時間続けて「人生ゲーム大会」をすることになった。来週もキット盛り上がるだろう。中間テストが近づいてくるのが気がかりである。

  2007.11.01

• 方言の話

  　「方言と共通語」の授業をした。　子どもの頃、父親の仕事の関係で全国各地を転々とした。出生地は浜松市。でも、ここでの記憶はほとんどない。　次いで宮崎。ここで６歳まで過ごした。それから沖縄へ。小学校４年生になって茨城、６年生から今住んでいるところへ引っ越した。僕には弟が二人いるが、すぐ下の弟の言葉には訛りと言えるような特徴はないが、一番下の弟は栃木での生活が長いので完全に栃木訛りである。　レフリーの大先輩のＹ先生が強烈に訛ってたせいもあろうが、僕が東京で吹き始めた頃はレフリーの仲間から「訛ってませんね」と驚かれたものだった。先週の日曜日一緒だったＳ岡さんもきれいな共通語を遣っている。もっとも、彼は高校から東京に出ているからその影響もあるかもしれない。　話を授業に戻そう。多くの生徒が授業を受ける前には方言に対し関心がない、あるいはどちらかといえば否定的なイメージを持っていたが、全国各地の方言による「桃太郎」を聞いたり、「方言周圏論」の説明を聞いたり、身近な方言について調べたりしているうちに、「方言は面白い」「方言はその地方の歴史と文化の象徴であるから大切にしたい」という感想を書くようになった。こういう感想を目にすると授業をやって良かったと思う。　　大学時代は国語学を専攻していたので言葉には関心があり、方言についてはよくレポートのテーマにして調べたものだった。今回の授業にはこの時の経験が役に立った。自慢ではないが、この手の話をさせたら町内の国語教師一であると自負している。　再び授業。「もしある日突然共通語がなくなったら、どのような事態が起きるか」という問いを生徒に出した。　・全国ニュースが、各方言に対応するために長くなる。　・新幹線で降りられなくなる。　・国語という教科がなくなり、「○○弁」という授業ができる。　・国会が成立しなくなる。　・生まれ育った地域でしか仕事に就けなくなる。　・全国紙が潰れる。　こちらが考えていたよりも遥かに多い考えが出されて楽しかった。テストの点が上がるというのも学力向上だが、言葉への関心が高まるというのも同じくらい大事な学力である。その点では今日の授業は十分目的を達成できたと言える。でも、共通語が消滅したら、自分が失業するとは思ってなかったな　石川啄木は「ふるさとの訛なつかし　停車場の人ごみの中に　そを聴きにゆく」と詠んだ。ふるさとの訛は疲れた心を癒してくれる。訛っているのは恥ずかしいことではない。　　

  2007.10.31

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  代休でした

  　土曜日に文化祭のために出勤したので今日は代休。午前中はサッカーの練習&書類の整理。　午後はのんびり読書。　　新渡戸稲造『武士道』の解説書である。実は新渡戸稲造は『武士道』という書物を著してはいない。彼が英語で書いた『Bushidou-The Soul of Japan』を櫻井鴎村が日本語に訳したものが『武士道』である。もっとも、その後もいろいろな人が翻訳をしているのでその数だけ『武士道』があることになる。　この『「武士道」解題』、著者は李登輝、元台湾総統である。キリスト教徒であった新渡戸稲造が英語で著した『Bushido』を、同じくキリスト教徒である、外国人(日本の教育を受けてはいるが）である李登輝の手による解説を読む、というのも妙な感じがする。もっとも、書物の内容は至極妥当なものである。　最近、意識してこの手の本を読むようにしている。というのも、世界観、国家観、あるいは人生観等なしで今の仕事をしていくのは、地図のない探検をするようなものだと気付いたからである。ここ数年は日本の文化、思想の類の本を読む時間が多い。　教師はどのような種類の本を読むのがよいか―かつてある先生にうかがったことがある。その先生曰く「すぐに役に立つ教育技術や実践に関する本が１割くらい。教育に関係する書物が３割くらい。残りの６割が小説や哲学書、宗教に関する本など。」毎日の授業に必要な書物も必要だが、教育者としての見識、さらには一人の人間としての知見を高めなさい、ということなのだろう。確かに目の前の授業のためだけに本を読んでも自分が賢くなったようには感じないものだ。「いつか役に立つ本」あるいは「仕事には直接役立たないが、視野が広がる書物」を読むゆとりだけは忘れたくないものである。　世間の方々には申し訳ないが、平日に堂々と休めるというのは何か得した気分である。今年は…もうないな　　　　

  2007.10.29

• 今日の秩父宮

  点差は１。全勝対決､気迫のこもった攻防が繰り広げられた｡特に接点でのﾌｧｲﾄは今年見た学生の試合では一番の力強さだった｡ﾐｽやｴﾗｰなどはあったが､好試合だったと思う｡今日はﾚﾌﾘｰ､ﾀｯﾁｼﾞｬｯｼﾞ三人合わせて180歳に迫るなか､最年少にふさわしい走りができたとおもう皆さんお疲れ様でした｡またよろしくお願いします｡

  2007.10.28

• 台風一過

  久しぶりの快晴。庭の柿の実は昨夜の風雨に負けずに枝にしがみついてます｡秋を感じさせる朝です｡昨日の文化祭､私ははじめての経験でしたが､熱気に圧倒されました｡一日中体育館にいましたが､次から次へと繰り広げられるﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽに感動しました｡熱気はありましたが､秩序ある興奮であり､側にいて心地よいくらいでした｡ある保護者(彼も中学校の先生､しかもｻｯｶｰ部顧問)が､｢すばらしいですね｣と感心してくださいましたが､その理由は｢不良が一人もいない！｣(^^;｡確かに世間をお騒がせするような人はいませんが､変な？感心の仕方に笑ってしまいました｡他の学校では生徒指導でたいへんな所も多いようですからありがたいことです｡さて､合唱｡PK戦になるとﾛｯｶｰに戻るｵｼﾑ監督気持ちがよく分かりました(^_^;)戻るべきﾛｯｶｰもないのでずっと聞いてました｡よく頑張ったと思いますし､十分すぎるくらいのできだったと思います｡残念！という気持ちもありますが後味は爽やかです｡ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘを逃した3年生が泣いていましたが､あの涙の意味を下級生には受け継いでほしいものです｡只今秩父宮にむけて移動中｡久喜駅から富士山がきれいに見えます

  2007.10.28

• 今日の出勤時間は

  　今日は７時までに出勤遂に来てしまった文化祭当日です。クラスの合唱、大丈夫だろうか…ここに来るまでに様々な人間模様が、なんて大げさなものではないけれど、ちょっとした事件はいくつかありました。そういうものを乗り越えて成長していくのでしょうね。　担任としては、練習通りできれば十分、それ以上できたら神様に(仏様でもいいです）に感謝、です。みんながんばれ。

  2007.10.27

• 五常

  　新井白石は知らない事物に出会うと「恥イボ」が体にできたそうだ。もし、僕にも恥イボができるなら、今年に入ってからは全身恥イボだらけになっていたに違いない。　今勤めている学校の校歌は、野沢一郎という人が作詞したものである。今の東京工大を出た後、建設会社巴組を設立した人である。体育館の天井を見ると鉄骨が菱形に組んであることが多いが、実はこの方法を発明したのが野沢氏である。　なぜこのような人が中学校の校歌を作詞したかといえば、彼がこの地区出身だからである。彼自身は今の僕の勤務校を卒業したわけではない(学校制度が違うからである）が、字本の出身地に新しくできた学校に期待するものが大きく、体育館等、多額の寄付をしてくださった。校歌の作詞も郷土の後輩への思いが込められている。　野沢氏作詞の校歌には度々「五常」という言葉が出てくる。五常とは論語に出てくる、人が必ず身に付けるべき心構え、態度とされている。「仁」・・・仁義・真実・まこと・誠意「義」・・・正しいすじみち・義理・すじ「礼」・・・礼儀 「智」・・・知恵・ちえ・認識「信」・・・信義・誠・確信・信ずる 　以上が「五常」である。恥ずかしながら、この歳まで「五常」の存在など全く知らなかった。「恥イボ」間違いなしである。　ところで僕が感銘を受けたのは、建設会社の社長兼エンジニアであった野沢氏が、論語の中に述べられた「五常」の大切さを後輩に伝えようとした点である。ともすれば、財界で大成した人が資産運用方法を小学生のうちから学ばせようとしたり、数学者が数学の大切さを主張したりするなど、自分の専門分野の重要性を語ろうとする中で、野沢氏は世論に逆行(新制中学校が誕生したのはGHQが日本を占領している最中であった）するように「五常」の尊さを説いたのだった。これを僕なりに解釈すれば、五常を身につけた者でなければ社会に出てから「人物」にはなれない、ということを示しているのだろうと思う。温故知新、また本物は不易である、ということになろうか。　道徳教育が見直されている中、もう一度論語を読み直してみるのも悪くない。

  2007.10.25

• 書写の授業

  　一時期、高校での世界史未履修問題が問題となったが、これに端を発して様々な「未履修」が話題となった。中学校での毛筆書写もこれらの一つである。　僕は去年まで小学校に勤めていたので、これらの騒ぎには無関係でいられたのだが今年からはそうはいかない。と言うわけではないのだが、今、２年生では毛筆書写の授業をやっている。夏休み前にもやっているので、今年度２回目である。　今、手元に国語科教育関係の雑誌が数冊あるが、これらの雑誌を定期購読し始めてから十数年、一回として「書写教育」が特集になったのを見たことがない。また、小中を問わず、書き方、あるいは書写の時間は国語の授業の一部として取り扱われる。ちなみに、高校になると芸術教科の一つに変わる。当然、専門の免許状が必要になる。従って、僕が高校に勤めたとしても書道の授業を担当することはないわけだ。　国語科教育の中でも、書道に関しては「近所ではあるが親戚ではない」ような感じで接する場合が多い。書道の創作を卒業論文に代える、ということも認められていたらしいが、それを選択する者は少なくとも僕が大学にいた頃にはいなかったし、いたとしても皆から「楽しおって」というような目で見られていたように思う。第一、僕たちに「国語」を教える、文学の先生も国語学の先生、国語科教育学の先生も（申し訳ないが）悪筆だった。肝心の書道の先生、たぶん有名な方だったと思うのだが彼の書いた字は僕には読めなかった。学会があったので彼に案内表示を依頼したが、達筆すぎて役に立たなかった、という伝説があるくらいだ。　だから、というわけではないが、教員になってからは字のことでは非常に苦労した。新採の頃の校長には「国語の先生があんな字を書いていてはいかん」と叱られた。そのせいだと思うが、地区の書道コンクールを牛耳っている、小学校の先生たちとは喧嘩ばかりしていた。彼等は「書道至上主義」で、コンクールに出品される作品にオリジナリティを求め、お手本に忠実な作品を「文部省御用達(当時」と一段低く評価した。当時は僕も若かったので「文部省御用達の何が悪いのか。学習指導要領を逸脱している者を教員が賞賛して良いのか」と真っ向から反対した。今にして思えば、書けないことへのコンプレックスがなせる技だったと反省している　ただ、今でも授業中の書写は、自分の字をお手本に近づければ十分であるという指導方針に変わりはない。というのも、小中学生がやっているのは「書いて写す」ことであり「書の道をすすむ」ことではないからだ。全員が芸術家を志しているわけではないのだから、最低限の筆遣いや文字の書き方、知識が身につけば目標は達成できたと見なして良いのである。　中学生にもなると、明らかに僕よりうまい子がクラスに５～６人はいる。そういう子でも「どこを直せばいいですか」なんて聞いてくるから冷や汗ものである。　「乱暴な言葉遣いを咎める先生は多いが、乱暴な文字を咎める先生は少ない。人に者を伝えるために用いる点では同じなのに、これで良いのだろうか」とある先生に言われたことがある。耳が痛い言葉だった。やはり、最低限の指導はできるようにならねばと思った切っ掛けである。現状？道は遠い…

  2007.10.24

• 「漢文学演習」の思い出

  　授業で「漢詩」を扱った。たまたま中国出身の生徒がいたので原文で読んでくれた。脚韻は漢字の音読みからではよく分からないが原文を聞けば「なるほど」と思う。抑揚、響きが耳に心地よく、昔の日本人が朗詠に憧れたのが何となく分かるような気がした。　大学３年の時「漢文学演習」なる講義を取ったことがある。必修ではなかったが卒業単位に換算してもらえるし、もともと漢文は苦手ではなかったから出席していれば何とかなるだろう、と考えていた。これが大間違いだった。漢文とは名ばかり、実際には現代中国語の勉強だった。　中国語の勉強は「四声」の修得から始まる。媽、麻、馬、罵、片仮名で書けば同じ「マー」となるこれらの文字を音の高低と長短とを組み合わせて区別するのである。これはまだ易しい方で、漢字の音読みなど全く当てにならない中国語の発音は、聞いていると頭が混乱するばかりだった。　受講生は４人、順番はすぐに回ってくるので気を抜く暇もない。予習しようにも何と読むのか分からない。僕が指定された場所を音読すると先生が哀れみとも軽蔑とも取れる視線を向けてくるのが辛かった。　このまま受講を続けるか、それともドロップアウトするか、真剣に考えていた夏休み前のある日、たまたま本屋でテキスト準拠のカセットテープを発見した。少々値が張ったが、３月まで拷問のような時間を過ごすよりはまし、と購入。　友人たちがウォークマンで好みの音楽を聞いているのを横目に、僕はひたすら中国語を聞いていた菅平の合宿中も寝る前の３０分は布団をかぶって発音の練習をした。夏休みが終わる頃には自分でも舌が動くようになっているのが分かった。　迎えた休み明け最初の授業。僕が教科書を読み終えると、先生が「君が中国語を発音したのを初めて聞いたよ」と褒めてくれた。「では、ここを読みなさい」と言われたところもすらすらと読んだ。以来、先生の見る目が明らかに変わったのを感じた。いくら語学の才能が乏しくても、毎日のようにテープを聴いて発音練習を繰り返していれば、向上しない方がおかしい。当然と言えば当然の結果だったのだが、それでも嬉しかった。　年度末、先生の出す簡単な問いに中国語で答えるという試験があった。その場で合格を言い渡された後で、先生は「入門当初は全くの劣等生だったが、夏を超えた当たりから別人のように良くなった。」と褒めてくれた。その後、「どうだ、来年も中国語の勉強をしないか」と誘われたのだが、既に自分の能力がよく分かっていたので止めておいた。やはり、「マー」の繰り返しより音楽を聞いている方が楽しかったのである。　あれだけ苦労して身につけた中国語、今ではすっかり忘れてしまったけれど、時々生の中国語を聞くとあの頃のことを思い出す。勉強して良かったか、と聞かれると答えに窮するが、大学生活の１ページだったのは間違いない。　もう一度、四声から勉強してみようかな　　

  2007.10.22

• 地元でレフリー

  　関東大学リーグ戦２部の試合が地元で行われた。カードはH鴎大学対S工業大学である。　試合は終始S工業大ペースで進み、終わってみれば９０－０。W杯で活躍したあの選手、彼にタックルにいった選手は文字通り粉砕されていた。ある人が「無敵になったスーパーマリオみたいだ」と言っていたがまさにその通り。格の違いを見せつけていた。　反則数は５つと３つ。ハンドリングエラーが多いので必然的にスクラムが多くなったが、それでも全体としてはボールが動き回る試合となり、たくさん走らされたが無事「完走」できた。　試合が終わって１時間半後には家にいた。いつもだったら電車の中である。その後買い物にも行けた。信じられない気分だった。　今までのレフリー生活の中で一番移動時間が長かったのは山梨で都道県対抗の予選を吹いたときだ。朝７時半頃の電車に乗り、グランドに着いたのが１２時半、１時半からの試合を吹いて、３時４０分の電車に乗った。家についたのは８時半だった。さすがにこの時は「俺は何をしてるんだろう」という気分になった。　車での移動では、２時間半かけて狭山まで行って３０分１本だけ吹いて帰ってきた、というのもあった。往復５時間かかって３０分、いくら何でも非効率である。　上の二つは例外的に長いのだが、もともと乗り物好きなので、長い移動もそれほど苦にはならない。特に電車での移動は音楽を聞きながら本を読んだりしてリラックスできるのでよい。でも、やっぱり、試合会場は近いにこしたことはない。　そんなこと言っても、近くで試合をやってないから仕方ないんだが。　来週から再び週末は遠征という生活が始まります。

  2007.10.21

• W杯終了

  　１ヶ月以上に渡るラグビーW杯、南アフリカの優勝で幕を閉じました。　決勝の内容は…双方のサポーターは手に汗を握ったのでしょうが、ラグビーを楽しもうと思った人には辛い試合だったかもしれません　解説の村上さんも言ってましたが、決勝にイングランドが来るなんて予想している人はごく僅かでしたし、優勝した南アフリカもフィジー、トンガに冷や冷やさせられるなど、「えぇー」の多い大会でした。そんな大会の象徴は、やはりアルゼンチンでしょうね。ホームのフランスを２回破っての三位、誰が見ても最も印象的なチームでしょう。　一方、決勝の内容が象徴的ですが、キックとコンタクト中心のラグビーは見ていて退屈という声が出てきているのも事実です。「誰のためにラグビーをやるのか（やっているのか）」という素朴な疑問も生じるでしょうが、より魅力的なスポーツへと進化していかないと生き残りは難しいのかもしれません。アンテナを高くして世界の動向に関心を向けていかねばと思っています。　次の祭典は４年後、場所はNZ(日本の可能性もあったんだよなぁ）その頃のラグビーはどうなっているんだろう。　

  2007.10.21

• 集団のルール

  　自分で言うのも変だが、教室で感情的にならなくなったな、と思う。以前はよく怒っていた。少なくとも、今年度に入ってからは叱りはするが、「頭に血が上る」ということはまだない。残り半年、このままで行きたいものだ。　最近は自分では「脱力系の学級経営（爆）」を心がけている「脱力系」といっても手抜きではない、念のため。　学級が始まる４月に「先生がみんなを叱るとき！！」と板書をする。１，「あいさつ」「返事」「靴をそろえる、出歩くときは椅子を机にしまう」以上ができないとき２，他人を不幸の上に自分の喜びを築きあげているとき３，注意を二回受けても改められないとき　「これを守れない場合は厳しく叱責する。しかし、それ以外は注意はするが叱りはしない。もし先生が約束を破ったら申し出てください。」と宣言する。今年から中学校に勤めているが、基本的な方針は同じである。１，は森信三先生が「学校での躾はこの三つができれば十分である」おっしゃっていたと野口先生が書かれているのを見て「なるほど！！」と思って取り入れた。最近、国見高校サッカー部の小峰元監督が同じようなことを書いているのを発見し、これは正しい、との思いを新たにした。もっとも、小峰監督も誰かから教わったのかもしれないが、だとしても小峰氏の実践の価値が下がるものではない。２，は弱い者いじめ、嘲笑、他人の不幸を見てみて見ぬふりをする、他人に迷惑をかけても償おうとしない、等の行為を戒めるためのものである。まとめて「恥ずかしいことをするな」と表現すればいいのかもしれないが、この夏まで良い言葉が思いつかなかった。恥ずかしい話である３，について。人は知らないことはできない。だから一度目の注意は「～してはいけない」という注意である。だが、ついうっかりやってしまう、というときもある。だから二度目の注意は「気をつけなさい」である。しかし、それにもかかわらず同じことをするというのは不注意というには度が過ぎるし、わざとだとしたらとんでもない話である。三度目は注意しない。厳しく叱る　児童生徒からみれば、何をすれば自分が叱られるのか分かるし、こちらも小さなことにまで目くじらを立てなくて良いのでおたがいやりやすい。特に、１については、上手くいっているときは授業をしていても楽しいし、２，３という問題も極めて少ないが、そうでないときは学級内でトラブルが生じていたり、いじめまがいの事件が起きたりと子どもたちの状態を把握するバロメーターになることも発見した。　同じにスタートしても、学級の雰囲気は毎年違う。同じ先生に受け持たれたからと言って、学級の特色まで同じにはならないようだ。少なくとも、僕のクラスに関しては他の先生からそういわれている。　僕から言わせてもらえば、構成メンバーが違うのだから色が違うのは当たり前で、毎年金太郎飴のような学級になる方がおかしいと思う。今年のクラスは、英語の先生曰く、「あのクラスは癒される」とのこと。昨年の小学３年生は「担任の先生が不在の時の方が静か(笑)」と評判だった。何でも、一言も発せず自習していたそうだ。僕には絶対見せない姿だった。　上手くいく年もあれば、最後までぎくしゃくした学級もあった。それでも、ここ１０年、放課後の教室で椅子が出っぱなしという状況はない。　藤原正彦氏は『国家の品格』のなかで「日本語の中から自由という言葉はなくした方がいい」と述べている。主旨は分かるし、共感できる箇所も実に多い。と同時に、だからこそ僕は「自由」の価値と意味を教えていきたいと思う。　　　　　

  2007.10.20

• エジソンの話

  　少年時代のエジソンは誰もが知っているように極めて個性的であった。あまりにも個性的すぎて小学校を追放されてしまう。彼にとっての幸運は、母親が自分の子どもの能力を信じていたことと、実際の彼の能力が非凡であったこと(彼曰く「９９％は汗」だそうですが）、更には時代が彼の能力を必要としていたこと、この三つにある。　高杉晋作という人、司馬遼太郎によれば「平穏な時代ならその半生を座敷牢で送ったであろう」という変人であった。彼もまた能力を見出してくれた師や友、そして何より彼を必要とした時流のお陰で日本史に名を残せたと言える。　社会のはみ出し者が長じて偉人となる、という話から我々は二つのことを学ばねばならない。一つは、実際にこういう人がいた、という事実であり、もう一つは、こういう人はめったにいない、という現実である。もし、問題児が全て偉人になるのだったら、そのような「偉人伝」など珍しくも何ともないのだから後世にまで語り継がれはしないだろう。多くの問題児は、何らかの試練を経て社会に適応し、そう目立った存在ではなくなる。そして、一部の人が社会の進歩に貢献し、一部の人が世間に多大なる迷惑をかけるようになっていく。「本当に個性的な人は、刑務所の中か精神病院の中にいる」こう言ったのは養老孟司である。　僕は昨今の教育問題の根本の一つに「義務教育期に必要以上に個性を尊重していること」がある、と睨んでいる。「間違っていても意欲を伸ばすのが新しい教育である」と述べた校長がいた。こんなとんでもない話をする人はもはやいないだろうが、個性の尊重＝教師の指導を減らす、という主張がまかり通っていたのはそう古い話ではない。この傾向は未だに残っている。 一昨日の日記にお二人の方からコメントをいただいた。「個性を生かす」「個性を認める」大切さについて書かれたものと理解した。同感である。敢えて付け加えさせていただくなら、彼のものの個性を認めるのは周囲の人たちであり、仲間や支援者を得られるか否かが大きな分かれ道であるという点である。「名馬は常にあれど名伯楽は常にはあらず」という言葉の通り、誰もが他人の個性を見いだせるものではない。自分の先生や上司が名伯楽か、そうでないのかは「運」だからどうしようもない。一方、年長者に認められ、同輩に支えられ、年少者に慕われるための「努力」―持ち味の発揮の仕方、場合によっては我慢の仕方も含まれるであろう―については後天的な学習で矯正、言い換えれば教育できる、というよりしていかねばならないと考えている。　名伯楽からはほど遠い僕は自分にできること―世の中の掟に従って生きることの大切さを教える―についてはしつこいくらい教室で話をしている。そうでなければ僕は自分の個性を生かしたことにはならないからだ。　　

  2007.10.18

• 個性のあるなし

  　大昔、隣のクラスに手のかかる子どもがいた。ベテランの先生も彼にはほとほと手を焼いていた。まだ駆け出しだった僕は正直なところ「自分のクラスじゃなくて良かった」と思ったほどだった。　ある日、その子の母親が用事があって学校に来た。「いつもご迷惑をおかけして済みません」という母親に、教務主任の先生は「個性的なお子さんですね」と言った。母親は喜色を顔に浮かべ「個性豊かな子どもに育てようと思ってます」と言った。それを聞いて僕は「ものは言い様だな」と思った　ところで、個性的な人と変人との境界線ってあるのだろうか？あるいは、信念のある人と頑固者の境目はどこにあるのだろうか？さらに、勇気ある行動と無謀な行動、賑やかと騒々しい、慎重と臆病はどこが分かれ目なのだろう。　理科のテストで、「氷がとけると何になるでしょう」という問いに対して「春になる」と答えた児童がいた。×をつけたら親がすっ飛んできて「うちの子の個性を潰す気ですか」と言ったそうだ。親にしてみれば、我が子の感性に他人とは違うものを感じたのであろうが、僕は単に知っていることをテストに書いただけ、言い方を変えれば「水になる」という言葉を知らなかっただけだと思う。彼の「個性」が本物だったら、他人が寄ってたかって潰そうとずっと変わらないだろう。他人によって矯正可能なものは個性ではなく癖に過ぎない。　個性は人の役に立って初めて「個性」と認められる。もちろん、小学生のうちから個性を発揮し、長じても能力を生かし続けている人がないわけではない。でも、そんな人は極めて稀で、大部分の神童はやがてただの人になる。一部の無責任な輩は「学校教育は個性を潰す」と的外れな批難をするが、そんなに子どもの頃の個性が立派なら、小学生に世の中の運営を全て任せたらいい。繰り返すが、人に潰されるようなものは取っておいたって大して役には立たないのである。大事なことは、大人になってから個性を発揮できるようになることで、子どものまま大きくなることではない。　社会の一員としての勤めを果たしつつ自分の能力を発揮し、世の進歩や安定のために力を尽くす、というのが「個性的な人」であり、他人にどう思われようと自分のやりたいことをする、というのが「変人」である。価値あるものを守るために妥協しないのが「信念のある人」であり、何に対しても聞く耳持たないのが「頑固者」である。他人のために自分を犠牲にすることを厭わないのが「勇気」であり、危ないことを好んで行うのが「無謀」である。他人を楽しませるために明るく振る舞うのが「賑やか」であり、自分のために騒ぐのが「騒々しい」である。以上は僕の規準。同じような現象でも、他人にとって役に立つかどうかが分かれ目だと思っている。個性は孤生（ひとりでいきる）であってはならない。　

  2007.10.16

• クラブチームの試合

  　今日はクラブチームの試合のレフリーをした。場所は駒澤補助競技場、結果は関東ラグビーフットボール協会のHPで見てください。　(基本的には）企業や学校のバックアップなしで、ラグビーをやりたいものが集ってチームを作る、というのが日本における「ラグビークラブ」である。僕自身もかつてはクラブチームでプレーをしていたので、今日の試合はいつも以上に楽しみにしていた。そして、期待以上に楽しかった。さすがにこのレベルのクラブになると規律が高いし、レフリーの声にも反応してくれるのでボールが停滞するシーンは少なかったし、バックチャット(判定への意義）も皆無だった。不用意な反則でカードが２枚でたのは残念だったが、報復行為や反則をした相手プレーヤへの雑言もなく、両チームとも８０分間ラグビーだけをしてくれた。　今週は公私共々いろいろなことがあったが、この試合のおかげで頭も気持ちもすっきりできたように思う。かつてイングランドの名レフリーが日本に来たとき「仕事の大変さも、週末のレフリーのためだと思えば乗り越えられるよ」と語っていたが、あれってこの感じなのかな、と思った。ラグビーシーズンも中盤に入りつつある。１試合ごとに心を込めて吹きたいと思う。　

  2007.10.14

• 議論に強くなると

  　昨日は１時間ばかりある問題について某所である事象について意見交換を行った。ここでは内容は明かせないが、消耗した。無意味ではなかったが。　議論にせよ討論にせよ、そこには意見の対立、あるいは対立とまでは行かなくても相違が存在する。もしその場にいる人の意見が一致しているならわざわざ議論など行わなくても良い。ディベートを考えてみればこのことは明白である。例えば「日本は核武装すべきである」という論題が出された場合、賛成側になるのか反対側になるのかは原則として本人の意志とは無関係に決められる。仮に本心に従って立場を決めて良い、となると、全員が賛成、あるいは反対という事態が生じる可能性がある。そうなってしまうとディベートそのものが成り立たない。だから、ディベートでは人工的、言い換えるなら不自然な方法で対立を生じさせて討論を行うのである(で日べーとについての私見は機会があれば述べたいと思っています）。日常の議論はそうではない。言いがかり等の不当行為は別にして、真剣に議論が行われる場では双方の意見の持ち主がその存在をかけて争っているとも言えるのである。　ところで、「議論の名人」と言われる人をよく観察してみると、話術が巧みであることはもちろんなのだが、その博識なことに驚かされる。腕はあるが空っぽの冷蔵庫しか持ってない料理人には他人を感心させる料理を作り出すことなどできないように、話術だけあるような人も人の心を動かすなんてことは出来はしまい。　議論は案外単純なもので、大抵は知識の多い方が勝つ。ディベートも例外ではなく、相手を論破し聴衆を説得するための調査が欠かせない。論理の構築性を競うための討論ゲームであるディベートでさえこうなのだから、一般的な議論ではなおさらである。いくらこちらが論理的に意見を述べたところで大量の知識で反撃されたらまず勝てない。「論より証拠」は真実である。　だから、専門家と議論するはめに陥った場合よほどの達人でない限り取るべき方法は限られている。ひとつはこちらも知識で武装していくことであり、もう一つは限りなく「一般論」で話をすること―ここで初めて話術や論理性が役に立つ―である。話はうまいが議論に勝てない人の多くはこの点を理解していないのだと思う。つまり、相手の土俵を知り、かつ、こちらの強いところで話を展開しない限り、専門家には勝てないのである。　こんなことを書くと「勝ちさえすればいいのか」とお叱りを受けるかもしれない。が、負けても良いなら議論などふっかけない方がいい。先に述べたように、意見が対立し、尚かつこのままでは自分の安全や存在が脅かされると思うから相手に挑むのである。相手をやっつけて意のままに操ろうとするのとは根本的に発想が違う。「窮鼠猫を噛む」正当性が認められるのならば、追いつめられたものが相手に議論を挑むのだって認めねばなるまい。　論理的な意見交換だけで物事が解決すればそれに越したことはない。だが、現実にはそうはいかない。議論で相手を打ち負かすというのは良い気分はしないものだと改めて感じた。　

  2007.10.13

• 敦盛

  敦盛の美しさは気高い魂が作り出している。肉体は滅びても彼の心は八百年後の人の涙を誘う。彼から感じるのは「敗れたものの美しさ」である。亀田一家を非難する人は「マナーの悪さ」「礼儀知らず」を指摘する。が、これは正しくない。彼らはボクサーなのに柄が悪いのではなく、ごろつきがボクシングをしているのである。ごろつきに礼儀を求めても無駄であるのと同様、亀田一家にマナーを期待する方がおかしい。ただ、僕も昨日の亀田一家には一言いいたい。魂が腐ってるぞ。

  2007.10.13

• 野口先生

  　先日紹介した野口先生のインタビュー、久しぶりの「野口節」を堪能したもし野口先生を知らなかったら、僕は全く違った教員人生を送っていたのは間違いない。少なくとも「国語」の捉え方は違っていただろうし、中学校に行くような事態は起きてはいなかった（僕の周りの小学校の先生で「国語」にしがみついている人なんていなかったからね）。読んでない方、是非読んでください。　「国語に正解はない」と主張する高校の先生と議論したことがある。確かに、大学のゼミ等で作品の解釈を巡って侃々諤々やり合う経験をした人から見れば、文学作品の読みに正解などあるわけがないと思うのは無理からぬことだとは思う。だが、小中学生の教科書に出てくる文学作品には「正解」が存在するし、そうでなければ国語の授業はただの活動になってしまう。　例えて言うなら、算数、数学の正解が文字通りのピンポイントだとするならば、文学の正解は円である、と言えようか。「これだけ」というわけではないが、何でもありではない。　野口先生から学んだことで最も大きかったのは「教師が自分の解を持たずに授業をするな」ということである。今思えば極めて当然のことであるが、若かった僕にこの言葉は強烈であった。「いろいろな読み方があっても良いのでは？」と尋ねたところ、「小学校の子どもが自力で読めるような作品を大人が難しがってどうする！！」と言われてハッとしたのも良い思い出である。　かつてある同僚が「あんなのは能力なんてたかがしれている、宣伝が上手いだけだ」なんて野口先生を批判していたが、野口先生の信条は「仕事は目利きのためにするものだ」というものである。同僚の言動ははからずも野口先生の信条が正しかったことの証明になった。彼の国語の授業、見られたものではなかった。「実るほど頭の垂れる稲穂かな」、他山の石となった。　しばらくお会いしていないが、生の野口節を聞きたい気分である。　

  2007.10.11

• 硬派の教育

  　尊敬する野口先生のインタビュー記事を発見。詳しくは後で。

  2007.10.09

• 準々決勝の続き

  　フィジー対南アフリカ。途中から観客と一緒に「フィジー」コールしちゃったよ「たら」「れば」だけど、ゴールライン寸前のノックオンと、タッチインゴールに押し出されたプレー、あれがトライなら大波乱だって有り得た。それをさせない南アフリカが強かったという結論になるのだろうけど。　前の２試合、勝ったチームのディフェンス力が注目されたが、この試合に関しては負けたチームの攻撃力が試合を盛り上げた。久しぶりに「フィジアンマジック」の片鱗が見られたように思う。　もう１試合は録画して早送りで見たアルゼンチンの「負けない者が勝者」という戦術の徹底に、スコットランドが屈したという印象。トーナメント戦で華やかなランニングラグビーを繰り広げるのは難しいのだろうが、前の３試合と比べると試合後の印象が薄い。　これで準決勝は「イングランド対フランス」「南アフリカ対アルゼンチン」に決まった。　予想は止めるといったが、やはりむずむずするので週末にでも

  2007.10.08

• あら…

  　目覚めたらオールブラックスが負けていたもちろんフランスが勝つ可能性はあるとは思っていたが、NZに負傷者続出、フランスが鬼神のディフェンスを見せる等々の条件が揃ったとき以外は難しいだろう、と予想していた。これらが揃っちゃうんだから一発勝負は恐ろしい。　こうなると他の2試合も見逃せなくなった。特にアルゼンチン対スコットランド。ホームユニオンが意地を見せる…かな。　なお、予想は止めることにしました

  2007.10.07

• W杯準決勝　イングランド対オーストラリア

  　ワラビーズ敗れるスクラムをやり込められる、ハンドリングエラーは多発する、これでは勝てない。解説の村上さんも言っていたが、イングランドが勝つための条件が完全に揃った試合だった。　さっき、イングランド出身の友人(宇都宮在住）に電話をしたらかなり興奮していた。彼も、ワラビーズ圧倒的有利と思っていたそうな。イングランドの前5人を絶賛していたがこれには僕も同意した。次の相手はNZかな？と言ったら「フランス頑張れ」と笑っていた。セミファイナルでも自分の国を応援できるなんてうらやましい限りである。　準決勝の予想　○NZ対イングランド●　　　○サウスアフリカ対アルゼンチン●　これって至って常識的な予想でしょうか（笑）もっとも、イングランド以外はまだ試合結果が出ていないから出そろったら改めて予想します。

  2007.10.06

• 1学期終業式

  勤務校は2学期制のため、今日が終業式。先週末フットボール三昧のつけが来て通知票をはじめ諸々の事務処理が忙しくてブログまでたどり着けなかった同じ通知票でもやはり中学校は勝手が違った。次回はこれほど忙しくはならないだろうな。　終業式の後学年集会。各担任から簡単な話をする。Y先生曰く「この時期から中学生が崩れてくる」とのこと。確かに部活動の新人戦も終わって目の前の目標がなくなったり、中学校生活になれて人間関係がこじれてきたりと、緊張感を持続しにくいのは確かである。実際、今日は何人かの生徒と個別に話をするような事案があった。逆に、この時期に充実した生活を送れた者はその後グンと伸びる例が多い。小さなことで良いから目標を定めて生活を送ろう。　A先生曰く「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」。物事が上手くいかない原因を昔の出来事や人のせいにする生徒は思いの外多い。そういう生徒に共通しているのは「では、自分はどうなのか」「これからどうしたらいいのか」とは考えない点である。人のせい、過去のせいにするのは簡単で楽だろうがそれでは進歩はあり得ない。第一、過ぎてしまったことと他の人を変えるなんてまず不可能である。君たちにできることは「自分をよく変えていこう」と思うことである。そうすれば、周りの人たちもあなたとの接し方を変えてくれるはずである。　僕は「自分の願いを叶えたかったら、まず人の願いを叶える手助けをせよ」という話をした。自分のやりたいこと（あるいはやりたくないこと）だけを声高に主張し、他の人に関心を払わない者が多く見受けられる。楽しいことは自分が、そうでないことは誰かがやればよい、とでも考えているのだろうが、その「誰か」とは誰のことか。もっと言うならばなぜ「誰か」に自分を入れないのだろうか。自分は特別な存在とでも思っているのならとんでもない思い上がりである。世の中は地味で端から見れば面白いとは思えないようなことに誠意を持って取り組んでいる人たちのおかげで成り立っているのである。そういう仕事や人たちに敬意が払えないような者の願いなど誰も応援しないし、仮にかなったとしても誰からも支持されないから長続きはしない。もし君たちが本気で願いを叶えたいと思ったら、それと同じように他人の願いを叶えるための手伝いをせよ。そうすれば周りの人たちは君を応援してくれるだろうし、自然君の願いにも耳を傾けてくれるだろう。　話を聞いただけで生徒が変わるなんて甘いことは思わないけど、働きかけなきゃ変わらないと言うのも本当のところだ。授業再開は来週の木曜日。その間にリフレッシュしよう。

  2007.10.05

• 週末の過ごし方

  　昨日はサッカーの試合。試合前に正ゴールキーパーが発熱。やむなく2年生のGK経験者を出場させた。予備のユニフォームに彼の登録背番号を縫いつけねばならない。僕がやればいいのだが(かつて家庭科の授業は自分でやってました）、役員の仕事があってできない。1年生部員を集めて「君たちの中でもっとも裁縫が得意なものは誰か？」と聞いた。するとF君が挙手。「小学校の時の家庭科の成績は3でした(3が最もよい）」というので、彼に頼んだ。「出来ました」ともってきたユニフォーム、背中と胸が縫い合わせてあった。そこへ応援のお母さんたちが登場。急いで背番号をつけ直してくれてことなきを得た。　試合はシード相手に前半０－０、後半０－１で負けた。内容はボクシングなら相手のパンチをブロックしつつ、時々カウンターパンチを出しているような状態で、判定があれば負けは確実。でも、それでもこれだけの僅差、カウンターが決まれば勝利だって有りえた。こういうスポーツなんだと改めて感じた。手応えと反省が半々の試合であった。　今日は熊谷でラグビーのレフリー。雨が降り、気温も上がらないという状態。芝がはげるようなことはなかったがボールはなかなか動かなかった。プレーヤーは協力的でクリーンであったが、レフリーとしては、思うようにプレーが出来ないイライラをコントロールするのに気を遣った。試合はT大学が勝ったが、R大もよくディフェンスしていたと思う。両チームの今後の健闘を祈りたい。　金曜日からずっとグランドに出ていて、さすがに疲れたあ、明日から仕事だ…

  2007.09.30

• 平日だがレフリーをしました

  　勤務日の日中に堂々とレフリー、しかも出張扱いで…ただし、ボールは丸く、手を使ってはいけない「フットボール」の方ですが。今日から地区の新人戦が始まった。　我がチーム、苦しみながらも初戦突破2年生の保護者によると「入部してから初めて公式戦で勝ったのを見ました」とのこと。すると、去年1年は公式戦では勝てなかったわけだ、なんて思って学校に戻ったら「いやいや、俺がこの学校に来てからサッカー部が初戦を突破したなんて話は聞いたことがないぞ」と新証言。ちなみにその先生は今年で6年目。これが間違いなければ、今日の一勝は「快挙」である。明日は優勝候補のシード校。どうなりますやら。　さて、引率教員は一人最低1試合は審判（副審も含む）をしなければならない。今日の僕の割り当ては1試合。3人の審判が集まって、誰が主審をやるかを決める。僕以外の二人はバリバリの経験者、しかも一人はレフリーとしても将来を期待されている。笛を彼にお願いし、僕は副審をした。サッカーの副審はラグビーのタッチジャッジとはだいぶ勝手が違う。間違わないように気をつけていたらヘトヘトになった。明日も1試合、場合によっては2試合担当が入る予定。　　競技が違うのだから当たり前だが、「反則を防ぐ」ということについて割くエネルギーはラグビーのレフリーの方が大きい。例えば、オフサイドの位置からボールの方向にプレーヤーが動こうとするのを目撃したとしよう。ラグビーのレフリーならプレーヤーに声をかけて動きを抑制するし、彼が指示に従ったら笛を鳴らさない。一方、サッカーではそういうことは行われないらしい。オフサイドだったら副審は旗を上げる（採用する、しないはレフリーの判断）。だから、今日はオフサイドの位置にいるプレーヤーに声をかけたくなるのをかなりの回数我慢した。これもつかれる原因だっただろうな。　明日も早朝からサッカー。日曜日はラグビー。頭がぐちゃぐちゃにならないようにしよう。

  2007.09.28

• 勉強のタイミング

  　昨年度までの同僚、K先生から電話があった。わざわざ「内地留学終わりました」という連絡をくれたのだ。　内地留学の希望者募集の際、彼女に(以前から「機会があれば勉強したい」と言っていたのを知っていたので）「応募したらどう？」と声をかけた。彼女は「もう少し勉強してからにしようと思ってます」と言った。僕は「そんなことを言い続けているうちに意欲も萎えていくのが普通の人。勉強は知識のある人がすることではなくて、知識を身につけたい人がするものだ。」と彼女に言った。　かつて、「大学院に行きたいのだが、どうしたらいいのか」と友人に相談を受けた経験がある。一通りの話をして、「で、いつ受験するつもり？」と聞いたら、彼は「もう少し勉強してから」と言った。そんなことを言わずに、すぐ受けた方がいいよ、とアドバイスをしたら「今、5年生を担任しているから今の学年を卒業させてからかな」と答えた。直接は言わなかったが「あ、この人は永遠に大学院には行かないな」と思った。　教育委員会推薦とはいえ、入学試験に合格しなければ大学院には入れないのだから、彼の言うように勉強は不可欠である。だが、大学院は「入ってからが勝負」というところである。個人的な経験から言わせてもらうと、大学院に入る前に身につけていた知識は、研究にはほとんど役に立たなかった。文字通り「一からやり直し」で勉強をした。それまでは研究の仕方すら満足に知らなかったのだから、役に立つ知識がなかったのは当然である。そもそも大学院に入る前に十分な知識が身についていたとしたらわざわざ「入院」する必要はないのだ。　そもそも大学院での研究に見合うだけの学力がついているかというのは実際に試験を受けてみないと分からない。受かれば入学(入院か？）できるし、落ちれば次回受ければいいだけのことである。　では、大学院で何が役に立ったかといえば「意欲」である。「何が何でも勉強したい」という意欲があったから大学院を受けたわけだし、「これは面白い」「何とかものにしたい」と思うものに出会えたから（はっきりいって辛い）論文執筆が出来た。（だから、小中学生の学習も「意欲」が大切だ、なんてことは言うつもりは全くない。これは「大人」の、しかも「研究」の話である）。　チャンスが来るまで待つ、というのは、打てるボールが来るまで待っているバッターみたいなもので、待っているところにボールが来なかったら永遠にバットを振る機会はやってこない。第一、ボールが来たって打てば必ずヒットになると保証されているわけではないのだ。　むしろ、「まず打つ」「何が何でも塁に出る」という気概でバッターボックスに立つべきである。悪球打ちでもデッドボールでも、塁に出てしまえば後は何とかなる。大学院(内地留学）も同じようなものである。本当に研究したいという気持ちがあれば、実力は後から十分につけられる。　K先生は電話で「『研修の機会は待っていては絶対に来ない』って言われて願書を出しました。今、本当にその通りだったと思います。」と話してくれた。おそらく、今後も研究を生かして学校のリーダーとして活躍していくだろう。喜ばしい限りである。　彼女と話していて、僕も元気が出てきた。さて、そろそろ論文を書き始めますか。　

  2007.09.27

• ジャパンのW杯終了

  　本当なら勝たなくてはならない試合に勝てなかったのだから悔しいに決まっている。でも、昨夜のジャパンには「ありがとう」を言いたい。　ジャパンは守り抜いた。失2トライは勝利を得るにはこれ以上望めないほどの成果である。一方で、攻撃に関しては不満を感じる。これで取れる、という明確なものが今回のジャパンにはなかった。「攻めなきゃ勝てない」これは4年前にも言われていた言葉である。失われた時間の大きさを悔やまずにはいられない。　でも、画面の残り時間の表示が赤くなってからのジャパンの攻撃、祈らずにはいられなかった。大西の蹴ったボールの弾道を見たとき、両手を天に突き上げた。「まだ勝たせるわけにはいかない。でも、君たちの勇気は認めよう」―ラグビーの神様の声が聞こえたような気がした。　1年前、ジャパンの権威は地に落ちた。惨めな気分だった。今、日本でラグビーをやっていることを誇りに思う。4年後、NZの地に「俺たちの」ジャパンの勇姿が見られることを祈念する。　

  2007.09.26

• 名月や

  何年かぶりに十五夜お月さまが顔を出してくれました。給食も「月」づくし。スコッチエッグ、お月見ゼリー、パンはクロワッサン。なかなかやるね。生徒に聞くと、お月見泥棒、ぼうじぼ、知らないそうだ。ところ変われば、だね。秋の月に恵みを感謝する。こんな風習が生きている国に生まれたことを嬉しく思います。

  2007.09.25

• 今シーズン３試合目

  ようやく秋らしい天候になりました。吹いていても気温は気にならず快適でした。ところで今日のグランドは人工芝でした。先々週も人工芝。来月もひとつ人工芝での笛が入ります。実は、学校近くにフットサル場がありますがこれも人工芝。今や人工芝なしにはグランドは語れない時代です。今日は感じませんでしたが、暑い日の人工芝は熱を持ち靴の裏がかなり熱くなります。聞いた話ではスパイクの金属部が火傷するくらいの熱を持つとか。レフリーとしては埃がたたないので洗濯が楽で、ありがたい限りです。今日は上から下まで白を着ました。

  2007.09.24

• リズム

  早朝4時開始の「ジャパン対ウェールズ」、早起きしてみたのはいいが、やはり昨日の午後から影響がてきめんである。無理はいけませんね。今日の午後昼寝をしてすっかり回復。あれ、通知票の仕事をするはずだったが…

  2007.09.22

• 漢字の話

  　夏休みに実施した漢字検定の結果が来た。学校での実施、好評だったので来年はもう一工夫して参加者を増やそう。中学校だけでなく、近隣の小学校に呼びかけて見るのも面白い。うちの息子たちも合格できました。片方落ちたらどうしよう、と心配していましたが杞憂に終わりました　ところで、植物の茎で、同化物質を流す管を「師管」という。こどもの頃、どうして「師」の字が使われているのか不思議でならなかった。その理由が分かったのは、大学にいるときのことだった。　もともとは「師管」の「師」は「篩」と書いた。訓読みすると「ふるい」、そう、「ふるいにかける」のふるいである。つまり、顕微鏡で見た形状が篩のように見えるから「篩管」と書いていたのだ。　ところが、「篩」が当用漢字から外れたために教科書で使えなくなってしまった。そこで「師」の字を当てたのである。　初めてこれを聞いたとき、あまりの馬鹿らしさに力が抜けた。「篩管」ならわかるが、「師管」では何のことやらさっぱり分からないではないか。その他にも「絵を描く」というのはダメで「絵をかく」とするのが正しいとか、「子供」はだめで「子ども」とするように(もっとも、これは教科書会社によって扱いが違うそうな）とか、よく分からない理由で漢字の使用には制限がかけられている。なんのこっちゃ。　漢字はどんどん使った方がいい。読めなければルビを振ればいい。漢字を減らすと国民の文化水準は上がるのかといわれればこれは明らかにNOである。今ほど漢字の使用制限がされている時代はないのに、若者の多くが本を読もうとはしないことからも明らかである。　むしろ、たくさんの漢字を知っている者の方が進んで本を読もうとする傾向は強うように思う。繰り返すが、漢字の多さと読書の困難さとは直接的に関係がない。　話は違うが、忘れ物の罰として漢字練習させる先生ってまだいるのかなぁ。

  2007.09.20

• おすすめの本は？

  　図書委員会の３年生に「明日の集会で全校生徒に読んでもらいたい本を紹介してください」といわれたのが昨日の昼休み。さて、一体何を紹介しようか？と真面目に考えた。　自分が中学生の時には何を読んでいただろうかと改めて考えた。司馬遼太郎は好きでよく読んでいた記憶はある。新田次郎も読んだ。『武田信玄』は３年の冬に読んだ覚えがある。井上靖の文章に影響を受けたこともあった。　渡部昇一が自らの読書生活を振り返り、年相応のものを読むのがよい、というようなことを書いていたように思う。彼によると、高校の同級生で文学的に早熟な者がいて、太宰治に心酔していた者がいたそうだが、後に彼は痴漢になったそうなもっとも、渡部昇一は自分の考えに反する行動をとった者は最後には不幸になる、というような書き方をよくするので太宰好きな高校生が痴漢になるかどうかは話半分に聞いた方がいいかもしれない。でも、彼の言わんとすることは何となく分かる。つまり、３０代の人生経験を積んだものでなければ理解し得ないような作品を１０代の若者が好むというのは本来あり得ないことであり、もし本当に若者がこれを理解しているとすると、何か心に不健康なものを抱えている可能性がある、ということだろう。これについては逆のことも言える。すなわち、１０代の頃に感動した作品を３０になって読み返してもそれほど面白いとは感じないとするなら、その作品は１０代特有の感性で読まれてこその名作であるといってもよいだろう。本にも旬があるのだ。　いろいろ考えた末、『モンテ・クリスト伯』を紹介した。岩波文庫で７巻、長編である。でも、この作品をするのと知らないのとでは生きることの重さが違ってしまう(と僕は思っている）。１０代のうちに読んでおきたい作品である。　高校生の時、夏目漱石の『こころ』を読まなかったら国語の教員にはならなかっただろう。また、『罪と罰』を読み終えた後は時間の流れが今までとは違って見えた。本によって開ける人生もある。

  2007.09.19

• 水を飲む

  　あんまりきれいな話にはならないのでご了承ください。　今日は大学生の試合のレフリー。天気予報では３４℃まで気温が上がるとのことだったので、移動の電車の中からこまめに水分補給をしていった。アップ中、それから試合中、試合後にも機会を見つけては水を飲んだ。５００ｍｌのペットボトルが３本空になったので少なくとも１．５L、その他にも飲んでるから多分２Lくらいは体内に取り入れたものと思われる。　で、今日は何回トイレに行ったか。駅で１回、試合前に１回、先程家に帰ってきてから１回。２ﾘｯﾄﾙの水を飲んだ割には少ない。特に、試合直前から試合終了まで相当量飲んだのにさっき家で出たのはかなり色の濃いオシッコだった(汚くてごめんなさい）。うーん、これは腎臓によくないぞ。　僕のレフリーの師匠は、数年前血尿が出て入院したことがある。話を聞くと、若い頃から水を飲まずにラグビーの練習をしていたツケが歳をとって一気に出てきたとのことだった。僕がプレーをしていた頃、特に高校生の頃は、練習中に水を飲ませて貰った覚えがない（今思うと野蛮の極みであるルールブックにウォーターブレイクが明記されたのはここ５，６年のことだろうか。　先日ある科学番組で実験をしていたが、大量の汗をかいた後に真水を飲むと、体液が必要以上に薄くなってしまうので体が水を拒否する(飲みたくなくなる）そうだ。このため、水分が不足するとのこと。薄味のスポーツドリンクなどでミネラル等を補給するのがよいそうだ（これは大分前からスポーツ医などが推奨してますよね）中学校のサッカー大会では「飲水は水だけ」と通達されているらしいが、どうしたものか。　人間ドック後の生活指導で、腎機能の低下に注意するようアドバイスされた。やはり、腎臓の空回しの期間が長かったことが今になって症状として現れているらしい。誰でも歳をとれば様々な問題が出てくるが、予防できるものは予防したほうがいい。　試合は後半の数少ないチャンスを生かしたWがTを突き放した。両チームの皆さん、暑い中お疲れ様でした。水分補給を忘れずにね。

  2007.09.17

• タイトルマッチ

  　先月末に獲得した「○○○カップ」、早速挑戦者が現れた（といっても同じ町内の２校だけど）。こちらは金曜日まで期末試験、しかも昨日は練習が休みだったのでコンディションとしては最悪に近かったが、これは他校も似たような状況なので言い訳にはならない。チャンピオンは逃げてはならないのだ（なんてね）。　１試合目K中学校戦、優勢に試合を進めるものの相手の好守に阻まれなかなか得点が出来なかったが、後半残り５分でロングシュートが決まる。これが決勝点となり、まず１勝をあげる。　２試合目はK中学校戦。K中とM中との対戦は２－４でM中が勝っているので、勝たない限りタイトルは防衛できない。このころになると気温が上がり、加えて練習不足から選手の動きに明らかに疲労の色が見え始めた。コミュニケーションのミスから１点を取られた。のみならず、「何やってるんだよ」「お前こそ、走れよ」と味方同士の責任のなすりつけ合いが始まる。これはいかん、と「取られた点は仕方ない、人任せにしないで全員が責任を果たせ」と指示。すぐさま１点を返すも、終了間際に追加点を奪われた。　ハーフタイム、さっきの二人がまだ憮然とした態度でベンチに戻ってきたので、全体への指示の後ベンチ後方に呼び出す。「お前達の今の態度、チームの勇気を奮い立たせるために役に立っているのか？」「まだ試合は半分残っているんだから、言いたいことがあったら試合のあとで言えばいい。まず１点取ることだけを考えよ」と注意してグランドに送り出した。　後半１０分同点、さらに５分後逆転。後は双方ボクシングのクリンチ合戦みたいなサッカーを続けた。そのままタイムアップ。タイトルを防衛した。　勝ちは最高の良薬、もめていた二人も自らの非を認め反省。チームとしても、コンディションが決してよくない中、最後まで弱音を吐かずに戦えたのが大きな収穫であった。　金曜日に校長先生から「『サッカー部がタイトル獲得』と９／１８付の学校新聞に書いちゃったんだから、防衛できるよう頑張ってください」と妙な励まし方をされたが何とか責任を果たせてほっとしている。次回の対戦は１１月頃。その時は楽々勝てるようになっておきたいものだ。　明日はラグビーのレフリー。試験の○つけもしなくちゃね。

  2007.09.16

• 運動会

  息子たちの学校は今日が運動会。四色対抗、みんなでオリジナルの「運動会のうた」を歌う、なんてところは僕が通ってた頃と同じ。すくなくとも３０年は変わらないわけだ。懐かしいね。 あんまり言いたくはないが、首にタオル巻いて準備してる先生がいるが、美しくないなぁ。 それから、号令「前へならえ」を正しくかけてる先生、ほとんどなし。 先輩が後輩に教えてないんだろうね。 いかん、何をしに来たのか分からんな、こりゃ。

  2007.09.15

• 胸を張れ！

  　W杯はその国のラグビー界の威信をかけた戦場である。だから、フィジーとの試合に負けたジャパンは任務を果たしたとは言えない。これは誰が何と言おうと間違いない。ジャパンは敗者である。　でも、昨夜のジャパンは決して惨めではなかった。８０分間本気で勝ちにいった。ロスタイムの猛攻、テレビを見ていてあんなに鼓動が激しくなったのはいつ以来だろう。タイムアップの後、力が抜けた。涙が出そうになった。勝ったら…泣いただろうな。　あの試合、戦っていたのは間違いなく「我らが」ジャパンだった。一緒の夢を追い求めているという一体感があった。フィジー戦の結果だけを見てジャパンをけなす人がいたら、僕はその人を許さないだろう。　戦いは後２試合残っている。だが、敢えて言わせていただこう。勇気をありがとう。　

  2007.09.13

• 期末テスト初日です

  　我が校は２学期制のため、夏休み後に期末テストを実施する。今日がその初日であった。１，２年生の国語のテストは明後日実施なので、今日と明日は試験監督くらいしかやることはない。　自分がこどもの頃は、定期テストの最終日以外は試験が終われば下校であった。今は試験が終われば普通通り授業を行う。で、２年生の１クラスで授業を行った。　「先生、今度の試験は難しいのですか？」と生徒が聞いてきたので、「さっき、自分で作ったテストを自分で解いたら４０点しか取れなかった」と答えた。すると真顔で「えー、すごく難しそう」だって。よく考えてもご覧なさい、そんなわけないでしょ。素直というか、冗談が通じないというか、かわいいものである。　ともあれ、残るは後４教科。頑張ってください。　

  2007.09.12

• 男の子に「～君」、女の子に「～さん」をつけるのは差別なのでしょうか？

  　小学生の息子が「今日の昼休みは○○さんと△△さんと遊んだんだよ」と話していたので、「今日は女の子と遊んだのか？」と聞いた。すると、「違うよ、男の子だよ」という返答。学校では男の子も女の子も分け隔てなく「～さん」という呼称をつけて呼ぶようにという指導を行っているそうだ。言われてみると、授業参観で担任の先生は子供を分け隔てなく「～さん」と呼んでいた。息子の学校は数年前まで人権教育の研究学校だった。　　こういう学校、実は少なくないらしい。入学当初、僕のクラスの３分の２はそのような指導を受けてきたそうで、実際にクラスの友人を男女関係なく「～さん」と呼んでいた。残りは「～君、～さん」で呼ぶように、と言われていたとのこと。３分の２の子が通っていた学校はやはり数年前まで人権教育の研究学校であった。これはもちろん偶然ではない。こう呼ぶように、と指導する人がいるのである。　おそらく、男の子を「君」、女の子を「さん」で呼ぶのは人権の侵害に当たるのであろう。そうでなければ人権教育の研究校特有とも言えるこの指導の説明がつかない。ただ、僕は全くもって不勉強なのでどんな不都合があるのかご教授いただきたいとかなり本気で思っている。こういう指導を推進している方にレクチャーしていただきたいものである。。　せっかくだから、ついでに教えていただきたい。英語では男性と女性の敬称を区別するが、これはやはり人権侵害に当たるのであろうか。当たるとするならば「人間は全部～さんと呼ばねばならない」と主張する人たちはこの実態改善のために何をする予定なのだろうか。いくら何でも日本と英語は別だ、などとふざけたことは考えてはいまい。日本語の習慣は許し難いが英語の習慣は認めるなんてことを言い出したら、「言語を差別するのか」と糾弾されるのは火を見るより明らかである。　さらに、フランス語にいたっては（例えば「日」は男性、「月」は女性だというように）名詞に男女の区別がある。男女を「君」「さん」で区別するのが許せない人がこの事態を放置しておくはずがない。今後どのような行動を起こす予定なのか教えていただきたい。フランスが「人権宣言」の元祖だからといって遠慮する必要はない。世界を相手に自らの正しさを説くべきである。　男の子に「～君」、女の子に「～さん」をつけたって差別になんかなりはしない。これらは現代日本語の中にしっかりと根付いた文化である。これが差別なら、外国語の例も全て差別である。日本文化の破壊は許されるが外国語の枠組みは壊せないなどとふざけたことを言う者には「平等」を口にする資格はない。　もう一つ言わせていただこう。男の子に「～君」をつけるのをやめれば、男女差別はなくなるのか。それが可能ならば、世の中の不都合を表す語句全てを使用禁止にすればいい。そんなことをしたところで事態は何も変わらないくらい、常識ある人ならば容易に想像できるだろう。大事なのは、言葉いじりではなく、物事の道理を骨の髄まで教え込むことである。　人間の完全平等が実現されても、息子に「君」なんて呼ばれたくはないなぁ。

  2007.09.11

• 「大敗」を通して学んだこと

  　ジャパンがワラビーズに粉砕された。試合内容についてはいろいろな人が述べているので僕が改めて言うまでもないだろう。スコアを見て、母校のラグビー部のコーチを始めたばかりの頃を思い出した。　新人戦を何とか乗り越え、第4シードを獲得。春の大会では準決勝で花園常連校との対戦が決まった。この年、関東大会の出場枠は３つ。つまり、準決勝で負けても3位決定戦で勝てば関東大会に出られるわけだ。だが、いくら勝算のない試合でも負けてもいい試合などあるはずはない。目標は決勝進出。その後は試合が終わってから考える―組み合わせが決まった日に選手にはそう告げた。　与えられた時間は実質2ヶ月半。加えてコーチである僕は週末しか来られない。出来ることは限られる。新人戦の結果をふまえて出した結論は、タックル、ディフェンスの強化、攻撃パターンの絞り込みであった。悪条件の中、当時の選手達は自主的に与えられた課題に取り組んでくれた。春休みには東京の強豪校とも練習試合を行ったが、大敗はするものの、自分たちの取り組みはかなり通用するという手応えは得られた。　迎えた準決勝、前半終了時のスコアは０対２１。攻撃らしい攻撃は２～３回しかなく、後の時間はずっとゴール前に釘付けだった。でも、ひとりひとりのタックルがよく決まり、ディフェンスも機能していたので新米コーチは後半もこの調子でいけるだろうと考えていた。　試合終了時のスコアは０－９０（ちなみに３０分ハーフ）。文字通り、蹂躙されてタイムアップの笛の音を聞いた。唖然として声も出なかった。　相手の攻撃を食い止めるためにディフェンスを鍛える、というのは全く正しい。だが、打たれっぱなしのボクサーの体力がやがて尽きるのと同じように、ディフェンスばかりしているチームの足もやがて止まる。「どうやってマイボールをキープする時間を増やすか」、つまり、タックルしなくていい時間を増やすかという戦略なしでは、ディフェンス中心のゲームプランは成り立たないのだ。「攻撃は最大の防御」、未熟なコーチの頭にはこんな簡単なことすら頭に浮かんでこなかったのである。　では、このチームはこのまま沈んだのか。答えはNOである。最終的には関東大会には出られなかったが、３位決定戦の最終的なスコアは０－５。タックルに次ぐタックルで相手の攻撃を寸断、小さくてへたくそな連中がでかい相手に群がるように襲いかかるシーンは感動的ですらあった（この試合があったから、今でもこのチームとの関わりを切らないでいると言っても過言ではない）。　「勝てそうだったが勝てなかった」その原因は、ある選手の「取ったボールの使い方がよく分からなかった」という言葉が物語っている。ディフェンスが機能すればターンオーバーが増える。「タックルはボールを取り返すための手段」という意識が高ければ、奪ったボールの活用方法についてももっと落とし込みが出来たはずだ。相手を止めるところで思考が止まった新米コーチの力量の低さが、この試合を善戦で終わりにしてしまった。コーチにとっては「痛恨の試合」である。　スコアが似ているので昔のことを思い出した。もちろん、JKのジャパンとへっぽこコーチに率いられた素人チームをを同一に論じるつもりなど全くない。いいたいのは、前の試合の大敗はチームにとって必ずしも悲観の材料になるとは限らない、ということだ。高校生だって１週間でチームを甦らせられるのだから、日本を代表するプレーヤー達がいつまでも沈んでいるわけがない。ジャパンは必ず浮上する。ワラビーズ戦は決して無駄ではない。　　　

  2007.09.10

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