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カテゴリ:狩猟
12/5の日記
「渓遊さん、俺、鹿を見てみたい。」 「奈良公園になんぼでもおるじゃん。」 「じゃなくて、渓遊さんが山で撃って持って帰ってくる野生の鹿よ!」 と、隣のご主人が、俺が取ってきた鹿の刺身を食いながら訴えた。 「あっ、俺も見てみたい!鹿が走ってるところ!」 すかさず、うちの裏にお住まいのご主人が、俺の獲ってきた鹿の竜田揚げを頬張りながら追い打ちを掛けてきた。 ってな会話が、ご近所仲良し同士の飲み会の席で交わされ、今日はご予約第1号であるお隣のご主人と山に入ってきた。 ただ、ご近所さん達はもちろん銃の許可は持ってないので、獲物を見ても、撃つことは出来ない。俺が撃つのを見ているだけである。 もしくは、木の枝を振り回して大声を上げながら走って鹿を追っかけ回して貰う分には一向に構わない。 そして、俺の居るところに鹿を追い出してきてくれて、俺がドスンと倒すことが出来ればなお良いのだが。 夕べから雨が降ってて期待薄だが、俺のよく行く谷の、鹿がいそうな場所を順々に回っていってみようかな。 最初の谷、15分ほど歩いたが、獲物無し。気配も無し。 その後、雨の中、車で流していると、“ピーッ!”と鹿の警戒鳴き。 「鳴いたで!」 すかさず相棒が車から降りて谷を覗き込むと2頭の鹿が逃げていくのが見えたそうな。俺は車から銃をぴっぱりだすのに手間取り、目撃できず。 「渓遊さん、鹿のケツって白いやんなあ?」 「うん、真っ白や。」 「じゃ、鹿に間違い無いわ。」 ひとまず目的達成。野生の鹿を見ることが出来た。 再び車に乗り込み、 「とりあえず雨にもかかわらず、目標達成。運がええなあ。そういえば、この辺、ヤマドリも出るで。」 「ヤマドリってなに?」 「おととしによぉ、おれが刺身にして持ってって、あんた旨い旨いって食べてくれたじゃん。山吹色のキジよ。」 「ああ、あれね、見てくれは知らへんけど、刺身はごっつ旨かったわ~。」 「出た出た出た出た!ヤマドリ!」 「え、全然見えん、どれ?」 「車の前2mよ」 銃を持ってヤブに突入。が、ヤマドリはヤブの中で歩かれると皆目見えない。結局見失って撃つこともできず。 「ヤマドリって全然見えへんなあ。なんで渓遊さん、あれが見えるん?」 「おなかを空かせた家族が待っとるんよ。こっちは生活かかっとるけぇ、真剣なんや。」 「なんでやねん!(笑)」 この後、下流に下ってからはカモも目撃。これも矢を引いたが、クレー射撃をやったことの無い俺の下手っぴぶりが露呈しただけ。 獲れはしなかったが、獲物の姿をいろいろ見て、一通り追っかけて、猟らしい姿をお見せすることができたかな。 下手に鹿を撃ってしまって、一日解体処理に使ってしまうより良かったかも。それに解体現場を見せて、どんな反応するかも心配だったし。 「渓遊さん、鉄砲の免許ってどうやって取るん?」 帰りの車中で彼が一言。 ん~、俺はこの人の人生を狂わせてしまうのだろうか? 猟期になると、毎週末、家族をほったらかしにして山に行く生活。あまり他人に薦められるものではないな。 うちなんか、ご近所さん達から「週末母子家庭」と呼ばれているし。 ちょっと悩ましい狩猟見学ツアーなのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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