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カテゴリ:心象スケッチ
今日は15回目の結婚記念日。お祝いにケーキを買って帰ったところ、うちの奥さんもケーキを買っていた。
「やっぱり夫婦やね。考えることが同じだわ」 うちの奥さんが笑った。 さて。 マヒワにとっては、今日から中間試験。明日も試験。 「教えてー」 マヒワが参考書を持ってやってくる。 社会科だ。 歴史では、ちょうど織田信長、豊臣秀吉の時代が試験範囲。 参考書を見ると、まず、織田信長が足利義昭を追放して室町幕府を滅ぼした、とある。 「追放された足利義昭がどこへ行ったか知ってるか。実は福山の鞆の浦なんだ。足利義昭はここで幕府を作り直した、これこそ福山の歴史愛好家が『鞆幕府』と呼んでいる、日本で三つ目となる幻の幕府なんだぞ」 得意顔に説明を始める父もず。 「そんなの試験に出ないと思うよ」と、マヒワは冷静である。 次に豊臣秀吉が、佐渡金山、石見銀山、生野銀山を直接支配した、と参考書に書いてある。 「時代が下って、この石見銀山から大量に出てきた酒瓶こそ福山の『保命酒』だ。鉱夫たちは福山の薬味酒を飲んで活力を得て、辛い労働に耐えたんだ」 そんなのどうでもいい、という顔のマヒワ。 次に、桃山文化の特色として、大阪城、姫路城などの壮大な天守閣を持つ城が作られるようになった、と参考書には書いてある。 「こういう壮大な天守閣を持つ城のうち、いちばん最後に作られた城はどこか知ってるか。これこそ水野勝成の作った『福山城』なんだ。福山城は蝠(こうもり)山と呼ばれる場所に作られて、そこから『蝠』を『福』に変えて『福山』という地名が作られたんだ」 またそこか。マヒワの顔が暗くなる。 明日の社会科は、歴史だけでなく、地理も範囲に入る。 参考書には、日本が七つの地方に分けられる、と書いてある。 「七つに分ける分け方は、古代史の重要性を知らない見解だ。正しくは八つだ。中国地方と四国地方とは一括りにしてはいけない。なぜなら文字通り、中国とは国の中心という意味で、広島県とその周辺こそ、古代からこの国の中心だったんだ(ホントか?)。なぜなら福山に鞆の浦という潮待ちの良港があったからだよ」 うんざり顔のマヒワ。およそ2時間にわたってこんな講釈を聞いて、肩を落として自分の部屋に帰っていった。 がんばれマヒワ。 明日の社会の試験、福山の問題が出れば100点だ!(でねーよ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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