珍国際の書斎

　珍さんの団地は「美観を損ねる」という理由で、テレビのアンテナを立てることを禁止されているのこと。

　バブルの真っ最中に作られた団地で、１億円近い物件が倍率２０倍などという、今では考えられない状態だったアル。

　当初は売り手市場で、販売業者は「団地の美観を損ねる色に壁を塗り替えてはいけない」だの、「家の周囲のグリーン・ベルトを無くしてはいけない」、「垣根の高さを１メートル２０センチで統一せよ」だのと偉そうに言っていたアル。

　今では販売業者が撤退し、眉を顰（ひそ）めたくなるような壁の色に塗り替える家や、垣根が高さ４メートルに伸び放題の家まで登場する始末アル。

　珍さんは、アマチュア無線の資格を持っているアルが、この制約の為、無線用のアンテナを立てる事が出来ず、ストレスになっているアル。

　「テレビ用のアンテナを立ててはいけない」とは書いてあったアルが、「無線用のアンテナを立ててはいけない」とは何処にも書いてないのこと。

　だから、立てても構わない筈アルが、２８メガ・ヘルツ用のアンテナなんぞテレビ用の１０倍以上も大きいのこと。そんな物を立てた日には五月蠅いオバハン達を敵に回す事になり、我慢をせざるを得ないアル。

　テレビ・アンテナを立てられないアルから、やむを得ず、ＮＨＫとの契約以外にＣＡＴＶ（ケーブル・テレビ）会社にも金を払わなければならないのこと。

　そのＣＡＴＶ会社から「さっさとデジタル対応の契約をしちゃらんね！契約せんと、１月からはテレビは映らんようになるったい！契約すっとか、せんとか、さっさとハッキリしちゃらんバイ！」としつこい電話が掛かり、仕方なくデジタル対応に契約変更したのこと。

　昨日、「お宅のテレビの状況を調査させちゃらんね」とＣＡＴＶの社員が訪れてきたアル。

　しかし、たかが調査で、この大袈裟さアル。ケーブル交換の工事が始まったら、ドゲンこつになるったいね？