沈黙のあと
長くいてはダメだと席を立つ。俺「ごちそうさま。美味しかった。」凛「……ありがとう…。」食器を片付けに来た凛。何を思ったのか。俺「…8年前に親父が亡くなって、今は俺と母さんの二人で暮らしてる。」凛「…………。」俺「ずっと出張ばかりで、ほとんど実家には帰ってないけど。」凛「……………。」俺「……………」凛「…………………」俺「……………………」沈黙のあと、凛が口を開く。凛「…どうして、この店に来たんですか?」俺「……多分、偶然。」凛「………そう…ですか。」俺「宮城県に出張中で、旅行がてら寄った店に入ると……」もっと聞きたいことはあるかもしれない。長くいてはダメと言い聞かせるも、心と身体が真反対になる。