カテゴリ:環境
「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」について
===== せっかくのシンポジウムでしたが、懐徳館でのんびりしたため、遅刻してしまいました。 1時から『不都合な真実』上映、引き続いてのシンポジウム。 『不都合な真実』については、日本での上映前に、ドイツで観たので(こちら)スルー。 ===== シンポジウムのパネリストは、 飯田 哲也氏 (環境エネルギー政策研究所 所長) 末吉 竹二郎氏 (国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問) 住 明正氏 (東京大学 サステイナビリティ学 連携研究機関統括ディレクター) 瀧口 博明氏 (環境省大臣官房) それに学生の石川さん、渡辺さんを含めた、大変豪華な顔ぶれ。 ----- 黒川紀章氏も、元々のパネリストに名を連ねており、最初に氏の追悼企画があったそうです。 それには間に合いませんでしたけど…改めてご冥福をお祈りいたします。 それにしても、黒川氏の環境論、聞いてみたかったなぁ、と思います。 理解できるかどうかは別として、独自の視点からの論が、お伺いできたに違いありません。 ===== さて、私が入室した時、話は、ちょうど、 「アメリカは環境について後進国に見えるが、 民間や州のレベルでは、意識が高く、対策も進んでいて、 日本の方が遅れを取っている」 というような内容の結論部分でした。 ----- その例として、飯田氏から「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」の話がありました。 ドイツでは、再生可能エネルギーの導入・利用が進んでおり、 その背景には、それを推進する法整備があることは、このblogでも紹介したことがあります。 そして、同趣旨の法律が、ヨーロッパ各国で制定され、 環境対策が遅れているとされる中国ですら、導入を検討していることも。 ----- 当然、日本でも同じような法整備が検討されたことがあります。 しかし、この法律の制定に際し、当時の自民党政調会長であった桜井新氏の反対に加え、 (村山内閣で環境庁長官(!)として入閣するも、問題発言で辞任した政治家です⇒こちら) 国会議員(立法府)による立法をさせない(!)姿勢であった、当時の経産省の力が働き、 規制を嫌う電力会社の意向、さらに、選挙の結果が不幸な形で作用して、 電力会社の要求を全て受け入れる形での骨抜き法、 将来的な「新エネルギー利用」による、電力会社の負担を許さない、 羊頭狗肉の「新エネ利用特別阻止法」が成立したのだ、というお話。 ----- さて…この経緯の話の詳細についてはさておき、 実際問題として、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」が 「新エネルギー利用推進」になっていないのは、事実と言って良いでしょう。 それは、ドイツを筆頭に、他の欧州諸国と比べれば明らか。 wikiの、この項目が参考になるかと思います。 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」 ===== 日本が、国家として遅れを取っている原因が、政治家の怠慢にあるのだとしたら、 そんな政治家を選んでしまう我々国民にも責任の一端がある、ということです。 政治の世代交代が望まれるのは、過去の成功に執着し、未来に向けての政策を考えられない -ビジネスの世界では、この法則は広く知られていて、排他されるのが当然の事象です- こういう政治家がいるからです。 そういう意味では、過去の「しがらみ」-地盤・看板・鞄-を引き摺って政治家になる、 2世議員、3世議員も、場合によっては排除されるべきだと私は思っています。 ----- …こういう政治批判になってしまうから、このblogでは環境の話を避けているんですけどね。 それでも、産業界も、民間も、環境系官僚も、必死になって日本の未来を考えている中で、 足を引っ張る政治家がいることには、呆れや怒りを通り越して哀しみすら感じてしまいます。 日本の未来のために。 環境に関する政治センスのない政治家の方々には、早々に退場して頂きたいものです。 ===== 環境シンポジウム ~いちばん身近な環境サミット~ 【日時】2007.11/10 【場所】東京大学本郷キャンパス 【パネリスト】 飯田 哲也 氏 (環境エネルギー政策研究所 所長) 末吉 竹二郎 氏 (国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問) 住 明正 氏 (東京大学 サステイナビリティ学 連携研究機関統括ディレクター) 瀧口 博明 氏 (環境省大臣官房) 石川さん、渡辺さん (東京大学学生) 【主催】東京ドリームネット お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 21, 2007 12:10:13 AM
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