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November 11, 2007
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カテゴリ:美術
明治という時代は、奇跡の時代だったのだな、と思うことがあります。
天才達が、惜しげもなくその才能を開花させた時代であった、という意味において。

岡倉天心は、間違いなく明治を彩る天才の一人。
自身美術家にして、美術評論家であり、美術史家であり、作家であり、
なにより、教育者でした。

この展覧会は、教育者としての岡倉天心にスポットを当てた、
東京藝大設立120周年記念の展覧会。

岡倉天心は、27歳にして、東京美術学校(現・東京藝大)の第2代校長に就任。
横山大観、下村観山、菱田春草を輩出させた立役者でもあるのです。

=====
入口すぐに置かれているのが、平櫛田中活人箭」。

これに関しては、以前、茨城県の五浦にある天心記念館に行った時に拝見しています。
てか、岡倉天心に関するお話も、こちらをご参照頂ければ。

=====
さらっと解説されていましたけど、藝大に講師として
あの森鴎外や、「建築学」を創った伊東忠太を招いた、と。

いやいやいやいや。

-----
森鴎外(1862-1922)は、独逸留学時代に、若い芸術家たちとの親交も深く、
帰国後も評論や展覧会審査を通じて、芸術にかかわりを持ち、
後には、東京国立博物館館長も務めています。

それにしても、藝大でいかなるお話をなされたのだらふ?

森鴎外と芸術については、数年前、ズバリ「森鴎外と芸術」という展覧会がありました(行けませんでしたけど)。
 @島根県立岩見美術館 → こちら 
 @和歌山県立近代美術館 → こちら
 @静岡県立美術館 → こちら 

-----
そして、伊東忠太(1867-1954)。
日本に「建築学」という言葉をもたらした建築家であり、
世界を旅し、日本建築史を著し、築地本願寺を建て…
これまた明治を代表する、知の巨人の一人。

ちなみに建築学的に言うと、フランク・ロイド・ライトと同年生まれ。
日本史的には、夏目漱石・正岡子規・南方熊楠らと同期です。

-----
こんな人達を講師に招いて、って、今から考えても、すごく贅沢な話。

=====
そして、「教材」としての古美術収集・修復・模写・模作事業。

また、第一級の「先生」達が作ってみせる「教材」のレベルの高さ。
今でも皇居近くで見ることの出来る「楠正成像」の原型彫刻とか、
とんでもないものも置いてあります。

それらの緊張感に満ちた美しさは、とてもではありませんが、
「言葉」で伝えられるレベルを超えています。

-----
残念ながら、岡倉天心は、藝大を追われる形で、校長の職を辞します。

しかし、その精神は、紆余曲折を経て、形を変えながらも、
今の藝大に息づいていると言えるでしょう。

それは、「温故知新」なんて言葉にまとめきれるものではない、美への求道精神。

-----
溜息が出るほど、素晴らしい展覧会でした。

=====
『岡倉天心 ― 芸術教育の歩み ― 』
  @東京藝術大学大学美術館 (上野)

[会期]2007.10/04(木)~11/18(日)
[開館]10:00-17:00
[休館]月曜日
[料金] 一般 500円 / 大学生・高校生 300円 / 中学生以下無料

作者:
 岡倉天心 (Kakuzo Okakura;1863-1913) wiki
 横山大観 (YOKOYAMA Taikan;1868-1958) wiki
 下村観山 (SHIMOMURA Kanzan;1873-1930) wiki
 菱田春草 (HISHIDA Syunso;1874-1911) wiki
 松田権六 (MATSUDA Gonroku;1896-1986) wiki
 六角紫水 (ROKKAKU Shisui;1867-1950) wiki
 板谷波山 (ITAYA Hazan;1872-1963) wiki
 竹内久一 (TAKENOUCHI Kyuichi;-) 藝大HP
 高村光雲 (TAKAMURA Kouun;1852-1934) wiki
 平櫛田中 (HIRAGUSHI Denchu;1872-1979) wiki
等 

【参考】
 森鴎外(1862-1922)
 伊東忠太(1867-1954)
 夏目漱石(1867-1916)
 正岡子規(1867-1902)
 南方熊楠(1867-1941)


『ワタリウム美術館の岡倉天心・研究会』








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Last updated  December 25, 2007 05:25:00 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp@ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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