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November 18, 2008
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カテゴリ:映画
しばらく前から、神戸三ノ宮のジュンク堂のマンガが置かれている階で、
DMC」のテーマが、ミニ映像と共に流され、気になっていました。

で、原作を読んでみると、いやはや、なんとも。
というわけで、予習を済ませて、映画に臨みました。

=====
田舎から出てきて、大学の軽音サークルで、カジヒデキ的音楽を奏で、
それなりに尊敬される先輩であった根岸は、音楽の世界へと進みます。

NO MUSIC NO DREAM !!!

しかし、その音楽会社で、今、彼が演っているバンドは、
デトロイト・メタル・シティ(DMC)」。
問答無用のデス・メタル・バンド&サウンド。

僕が演りたかったのは、こんなバンドじゃない!

という彼の叫びも虚しく、彼は「ヨハネ・クラウザー二世」と名乗り、
デス・メタル・ヴォーカリストとしての才能を開花させます。

-----
それでも、プライベートでは、路上で甘い恋の歌など唄ってみるのですが、
聞いてくれるのは犬くらい。

運命の再会を果たした相川さんとのデートで、
オシャレカフェで舞台に立つチャンスを得るも、
お遊戯じゃないんだ」と貶められる始末。

-----
本人の思惑とは裏腹に、DMCはインディーズ界を席巻していきます。

全てに嫌気がさし、何もかも捨てて故郷に帰る彼。
そこで再発見する自分自身の「才能」。

文字通り、地獄から甦った「ヨハネ・クラウザー二世」が、
今、信者どもを引き連れて、最終決戦の舞台へと走り出す!

=====
主人公より、ヒロインより、何をおいても拍手を送りたいのが、
我らが大倉孝二大先生!

『ピンポン』のアクマでも、『新撰組!』でも、『スウィング・ガール』でも、
この人の曲者ぶりは、腹が立つほど素晴らしかったですけど、
正直、この映画、この人のお芝居なしでは、成立しません(断言)

役柄としては、ただの「ファン代表」ではあるのですが、
彼が「解説」することによって、「ヨハネ・クラウザー二世」の行動が、
「信者たち」に意味を持って伝えられていくという、まさに、伝道師役。

この役を説得力を持って演じられる、というのは、奇跡に近い。

-----
音楽会社の社長役を演じて魅せる、松雪泰子さん。

彼女の歪んだ「愛」が、物語を導くわけですが、
役に負けないスーパーハイテンション。
セリフが下品あることすら忘れさせられるくらいの、ぶっちぎり演技。

-----
そして、帝王ジャック・イル・ダーク役に、
KISSヴォーカル、ジーン・シモンズさん。

音楽には素人の僕でさえ、ゾクゾクしてしまう、
あまりに、あまりに、圧倒的な存在感。

正直、あまりにも存在感がありすぎて、
物語のバランスを崩してしまってます。

ヨハネ・クラウザー二世」役の松山ケンイチさんが
いかに頑張ろうと、いかに上手かろうと、貫禄負けは仕方ない。

-----
主役に、松山ケンイチさん。
うーん。5年前なら、きっと窪塚さんだったよなぁ。

ヒロイン役に、加藤ローサさん。可愛い。

=====
マンガの世界観を、強引に実写に持っていったことで、
違う形での笑いになっているのが、面白い。

例えば、マンガの、メイクを落として、クラウザーメイクして、を繰り返す、
というギャグは、マンガだから成り立つ早替えの笑いなのに、
それを、本当に実写にしてしまう、なんてのは、
その度胸も含めて、身体を張ったギャグ。

「本当にやっちゃいますか!」となると、笑うしかないでしょう。

-----
あるいは、決戦の場に向かう、ヨハネ・クラウザー二世

必要ないのに、走って会場に向かう、それだけだと、物語の破綻ですが、
必要以上に、ずっと走り続ける、それを延々と見せられると、もう笑うしかない。

-----
相川さんに嫌われた、とガラスを叩くヨハネ・クラウザー二世

叩いているのが、楽器屋さんの窓というのは出来すぎなんですけど、
このギャグ的世界観なら、このシーンで泣き出しちゃった女の子が、
クラウザーさんが「乱入」する遊園地にもいる、というのも、むしろ、アリ。

-----
帝王ジャック・イル・ダークが、既に音楽対決ではなくなった激しい戦いの末、
どう考えても、音楽的には勝ててないクラウザーさんに勝ちを譲る、という無茶も、
「いや、それはないだろ~」と心の中で突っ込んでしまってることを思えば、
しまった、そういうギャグか、と。

=====
ギャグ映画としては、それなりに面白いし楽しいと思います。

ああ、ああ、しかし、しかし。

確かに「物語」としては、お母さんとのやり取りのくだりや、
相川さんとのアイデンティティに関わるやり取りなど、
ヒューマンなドラマはあってもおかしくないのですが、
そこまでちゃんと「物語」しなくても良いのになぁ、というのが、
正直な感想。

ぶっちゃけ、ぶっ飛びギャグ映画で通しても良いのに、と。

もちろん、これだけの豪華キャストを揃えた以上、
商業的には、そうやって丸めないと成り立たないのでしょうが。

-----
現実問題として、「面舵…(胸をつかむ)」のギャグとか
悪魔玉(相手の口に痰を吐く)」とかを、
実写で加藤ローサさん(じゃなくても、可愛い女の子)相手にやれたら、
正直、不愉快だし、犯罪な気がするから、「ひよこ(スカートめくり)」で十分なんですけどね。

-----
破壊的なギャグは、それだけで魅力なんだけど…。
という気持ちは、スタッフも同じのようで、
深夜アニメでは、その破壊性が全壊…全開のようです。

うちの地区では放送されないので、
そして、さすがにビデオを借りる気はないので、
どうなのかは分かりませんが。

-----
音楽的なことは良く分からないので、
そちらの観点では、あまり突っ込んだ話はできませんが、
ギャグ映画と商業映画の両方の要件を
十分に充たした作品だったと思います。

=====
『デトロイト・メタル・シティ』

2008年 日本 104分

http://www.go-to-dmc.jp/index.html

監督:李闘士男
出演:松山ケンイチ / 加藤ローサ / 松雪泰子 / ジーン・シモンズ /
    大倉孝二 / 細田よしひこ / 秋山竜次  他

★★★☆☆

原作:若杉公徳








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Last updated  November 18, 2008 08:07:56 AM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp@ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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