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カテゴリ:映画
こんなアホな「L」がおってたまるかいッ!
ワシが探偵でも、もうちょっとちゃんとするわッ、ボケッ! という関西のおっちゃんなつっこみを可能としてしまう、 グダグダ・ムービーでした。 ----- 『アフター・スクール』とか、『ジャージの二人』とか、 ちゃんとしてて面白い日本映画は、大劇場で公開されないのに、 こういう「お金をかけた駄作」が「好評」とか報道されるのは、 まったくもって、いったいどうなんだろう。 ああ、お金のかけどころが、宣伝費なんだなぁ…。 ===== えっと、まぁ、ストーリーは、 ウィルス・テロのあったタイの村から、なんだかんだ逃げ出してきた男の子と、 命を狙われている研究者の娘さんを、「L」が頑張って助けました。 というものです。 ----- おお。 今までで一番短くて分かりやすい無いよう紹介だ。 あ。変換ミスだ。内容です。 うーん。 この映画に関して言えば、あまり違いないですけど(>_<) ===== 『デス・ノート』前半だけ観て、ドイツに行って、後半は観てないのです。 で、その結果として、 やぁ、藤原さんって、やっぱりすげぇなぁ。 松山さんもなかなか演るじゃん。 スピン・アウトかぁ。しかも「世界」が相手なんて。 なんて、後半も観ずに、勝手な妄想をしてしまった 浅はかな自分を責めましょう。 ----- 原作のマンガが、ミステリの作家さんの間でも評価が高いと聞いて、 読んでみたら面白くて、「名探偵」VS「名悪役」的なプロットにも惹かれ、 今回も、天才の「仕掛」が見れるのだ、という期待をしてごめんなさい。 小説版を西尾維新先生に頼むなら、 映画の脚本も頼めば良かったのに。 ===== 一番驚いた一連のシーンは…。 ----- なんと、ウィルス感染者(空気感染しないとは証明されてない)を、 変装もさせずに、電車に乗せ、パニックを引き起こしてしまう「L」! (しかも、帽子とか眼鏡とか以前に、制服姿のまま!) ----- 電車がダメだからと言って、自転車を選ぶ「L」! (やっぱり変装をさせようとすらしないで、パニック拡大!) ----- パニックの引き金は、敵対組織がマスコミを使ったことに起因しますが、 いや、だから、そういう圧力をかけることくらい読め! (もとは、それくらいのスーパーキャラでしょうに。) とかとかとかとか、もうどうでも良いくらいお馬鹿な「L」! ----- パンフを読んでたら、「「L」は電車という交通手段を使うだろうか?」 という疑問を呈した松山クンをみんなで説得し…ってありました。 普通の頭でも、空気感染の可能性のある感染者を、 そのままで、しかも変装もせず、公共交通機関で連れ回しません。 松山さんが正しいと思います。 それを説得?納得できません。分かるように説明して欲しい。 ----- 脚本家は、自分の頭の悪さに気付いて欲しいです。 てか、もう脚本なんて書いて欲しくないです。 ----- 監督は、こんな脚本をOKした自分を恥じて欲しいです。 『インディ・ジョーンズ』は、今回の作品ができるまで、 何度も何度も、脚本を差し戻したそうです。 「こんな脚本で、ファンは納得しない」 そう言って差し戻して欲しかった。 ----- 原作者も、キャラクターをグダグダにされて怒るべきです。 「映画と原作は別物ですから」と仰る、 映画ファンな作家さんもいますが、 これはそういう許容範囲を超えています。 ----- 原作のさほどファンでもない僕でもそうです。 ファンの悔しさ、怒りは、想像を絶します。 意外な展開すらない、という意外な展開は、確かにびっくりしました。 ああ、ラストのラストに、すっごく意外なギミックが仕掛けられてますが、 原作読んでないと、あのセリフだけじゃ、意味が分からないですし、 原作読んでたら、「それ、原作者の許可取ってる?」と心配になります。 サービスのつもりでしょうが、ある意味恐ろしい仕掛けです。 ===== お馴染みの方はご存知のように、 このblogで「作品」の悪口はめったに書かないのですけれど(嘆息) ----- えっと、ま、正直、この映画に関して言えば、主人公が「L」でさえなければ、 こんな物語でも、「アリ」だと思うのです。 ネット上でしか人と接したことのない引きこもりの主人公。 それが急に、事件に巻き込まれて、現実社会と接さざるを得なくなる。 電車の乗り方、移動方法、とまどうことばかり。 それが、この物語を通じ、人との接し方を覚え、 自分の死を意識する中で、子供嫌いだったのが、 次の世代に何かを託す、ということを考えるようになる。 たぶん、監督・脚本の方のイメージはこんな感じなのでしょう。 その観点で見れば、実は、面白くないわけじゃない。 でも、「L」はただの引きこもりじゃないし、そんなバカじゃない。 ----- スピンアウトしてみたら、剣がからきしで雑魚にも負ける 「座頭市」「椿三十郎」「桃太郎侍」… ----- あるいは、「外伝」で描かれる、めっちゃ弱い 「ケンシロウ」「シティ・ハンター」「江田島平八」「DIO」… ----- 魚すらさばけない料理人、泳げない海猿、 柔道着のあわせが反対の柔道家… ----- 確信犯でパロディやるのならまだしも、 本気でそんな作品があったら、原作に失礼でしょう? 多分、「同人誌」でそんな作品を書いたら、猛抗議がきます。 つまり、何が言いたいかと言うと、「「L」の頭が悪い」って言うのは、 キャラクターのアイデンティティに関わる問題なのです。 ----- だから、純粋に映画としてどう、以前の問題として、 「L」とは関係なく、監督・脚本家オリジナルのキャラで映画を撮れよ、と。 そうしたら、それなりには評価の対象に出来ますけど。 「デス・ノート」前編は、オリジナルのキャラが生かされていました。 だから、このblogでもちゃんとお話が出来たわけです。 でも、今回の映画は、文字通りお話になんない。 たとえ、「映像が綺麗」だろうと、「Lの人間味が感じられ」ようと、 (この作品を褒めてらっしゃる方々の言葉より) 違うアイデンティティに立脚している以上、違うキャラクターだし、 故に、この題名自体が大間違い。 はぁ…。 履歴を見たら、ちゃんとした作品を撮れる監督なんだから、 ちゃんと原作読んで、ちゃんと原作者と話し合って、それで撮るか、 あるいは、脚本家と話し合って、違う映画を撮るか、 どっちかにしなさいよ(哀) あ。ちなみに、『デスノート』前後編とは違う監督ですので。 ===== 『L change the WorLd』 2008年 日本 129分 http://wwws.warnerbros.co.jp/L-movie/ 監督:中田秀夫 出演: 松山ケンイチ / 高嶋政伸 / 工藤夕貴 / 平泉成 / 南原清隆 他 ★☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 20, 2008 01:00:48 AM
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