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カテゴリ:映画

清須会議
(C)2013 フジテレビ 東宝
映画「清須会議
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公開前なので、映画はまだ見ていないのですが、原作を読みました。


清須会議 [ 三谷幸喜 ]


本屋で流れてた映画紹介のDVDで、三谷幸喜さんが、映画は本と違うアプローチだから見てね、って言ってました。

それにしても、豊臣秀吉役に大泉洋さんというキャスティングには、ちょっと唸らされます。
人懐っこくて、憎めなくて、でも、どこか何か企んでいる、そんな役を説得力を持って演じられるのは、まさに人徳でしょう。

そもそも、キャストが贅沢すぎ。
私からすると、キャスト表を見ているだけでも幸せな気分になれる映画です。

==========
さて、小説版の物語は、「本能寺の変」における、織田信長の独白から始まり、それから15日後、柴田勝家が本能寺を訪れるシーンへとつながっていきます。

この15日の間に、豊臣秀吉が毛利との戦いを切り上げて戻ってきて、丹羽長秀の軍勢と合流し、山崎の合戦にて明智軍を打ち破っていました。

明智討伐に加われなかった柴田勝家は、丹羽長秀からの助言を得て、織田家の後継者と領地の再分配を決める「清須会議」の開催を織田家の宿老達に提案します。

ここからが物語の始まりです。

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織田家の誰が後継者を担い、それを支えるのは誰になるのか。

織田家後継候補たちのそれぞれの思惑。
信長の妹、美貌のお市の方の思い。
軍師黒田官兵衛の活躍。

そして開催されるイノシシ狩り。
それを受けて変わる情勢。

前哨戦の3日間を経て、いざ会議という名の戦場へ!
誰が誰につき、誰が最後に笑うのか。

会話劇では描き切れない、それぞれの思惑を活字にすることで、駆け引きの裏側まで見せて楽しませながら、思いもかけない展開をみせる物語は、まさに言葉のジェットコースター。

さらに、会議という「戦」の後の駆け引きも、ハラハラドキドキと楽しませてくれます。

そして我々は、「それはまた別の話」ではあるものの、豊臣秀吉柴田勝家を破り、天下人となるという、その後の展開を知っているわけで。

だからこそ、ラストには少しのほろ苦さと、切なさを感じてしまいます。

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全文、「現代口語文」で書かれているのが、展開の面白さを引き立たせています。

本来、時代劇は「見てきたような嘘を言い」の世界で、あくまで「お約束」として、それっぽいセリフ回しで進んでいくわけで、本当に当時の言葉のままが使われる時代劇なんて、あり得ない。

でも、どうせ見てきたような嘘を言うのなら、このような「現代口語文」で、心情に踏み込んでも構わないわけです。
舞台の世界では、違和感なく行われてきた手法ですが、小説やドラマ(時代劇)にすると、
斬新な感じになりますね。

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また、戦国時代、というアクション満載の時代を背景にしながら、「会議」という舞台設定なのも、面白い点です。 

今回映画で柴田勝家役を演じられる役所広司さんが宮本武蔵を、益岡徹さんが佐々木小次郎を演じられた、三谷幸喜脚本の抱腹絶倒の舞台『巌流島』も、決戦前夜の宿を舞台にした会話劇で、巌流島という題名にも関わらず、決戦のシーンを描かないという、驚きの展開だったのを思い出します。

あるいは、三谷幸喜さんの代表作から引用するなら、映画化もされた『十二人の優しい日本人』『笑の大学』の密室会話劇を連想する方が正しいのかもしれません。


12人の優しい日本人 【HDリマスター版】



笑の大学 スタンダード・エディション


会議室という「密室」からくる緊張感が、戦国時代という舞台を背景にしたことで、より高められ、「笑い」以上に「言葉」の密度が高い、良い意味で様々な期待を裏切ってくれる、小気味よい作品です。

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文庫本のペリー荻野さんの解説が、非常に上手に上記の点を指摘されていて、わが意を得たりだったので、そこから展開させたような感想になってしまいましたが。

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さてさて、映画はどうなりますことやら。
豪華キャストによる演技対決、楽しみにしたいものです。





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Last updated  November 2, 2013 08:29:24 AM
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mrtk@jp@ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
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