カテゴリ:読書
以前、ラジオでこの本が紹介されていて以来、ずっと気になっていました。
「OED」すなわち、「Oxford English Dictionary」。 wikiより引用すると、 「1989年刊行の第二版は、本体20巻 (累計21,730頁) と補遺3巻 (累計1,022頁) から構成され、主要な見出し語数は291,500、定義または図説のある小見出し語やその他の項目を含めると615,100。」という「オックスフォード大学出版局が刊行する最大かつ最高の英語辞典」。 この辞書を通じて、「英語の森」に分け入った冒険者の旅の記録が、この本です。
私自身、読書は嫌いではありませんが、辞書を「読む」経験をしたことはありませんし、 今まで読んできた本を積み重ねても、このページ数に行き着くかどうか。 そして、「OED」は、「最大かつ最高」であるが故に、 英語圏の人でさえ知らないような単語まで、網羅されているのです。 作者の読書の歩みに沿って、「A」から「Z」まで26章のエッセイがあり、 これだけでも十分に面白い「冒険記」なのですが、 作者が面白く感じた単語の紹介と、作者による単語への突っ込みがあり、 それらの言葉から垣間見える昔の風習の紹介、「悪魔の辞典」的な言葉に対する考察、 言葉を生み出してきた人間社会に対する皮肉、等々入り混じって、 面白い「読み物」になっています。 ========== ちなみに、この本、出版社が「三省堂」さんというのも気が利いています。 日本には、辞書編纂者の方々はもちろん、 「辞書を読む」方もたくさんいらっしゃるようで、 私も少しだけ、その仲間入りをしたくなりました。 読むんだったら何が良いかな? まず三省堂さんの「新明解国語辞典」かしら?
辞書編纂関連の本も話題になりましたね。
英語辞書、せっかくならこちらも、三省堂さんの…と思っていましたが、 こちらのHP(編纂者:山岸勝栄先生のページ)を拝見して、 「スーパー・アンカー英和辞典」を読みたくなりました。
========== 本書でも度々言及されていますが、 辞書には、編纂者の並々ならぬ熱意と努力が込められているわけで、 それを「読む」というのは、「編む」苦労に比べたら、たいしたことはありません。 私みたいな凡人読書家は、小説の作家さんや研究者の方々に対しても、 そう思うこと多いですけどね。 携帯やPCで手軽に意味を調べられ、電子辞書も安価に手に入る時代になりましたが、 それでも、紙媒体で辞書に触れられる楽しみを、改めて思い出させてくれ、また、 作家や編集者の方々に対する敬意を、改めて呼び覚ましてくれる、そんな一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 10, 2014 04:38:03 PM
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