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カテゴリ:仕事のこと全般
ウチの店の旧くからのお客様の話。
お互いに80代後半の老夫婦、彼らの息子夫婦はやや近いところで別居している。息子夫婦が何かと面倒見てくれるので、老夫婦はよく息子夫婦に贈り物をする。それを当店が受注・配達している。 老夫婦から頼まれるのは決まって缶ビールのセットである。しかしこれを初めて息子夫婦の家に配達した際に言われたのが....。 「すみません、ウチはビール飲まないので、これを何か他の物に替えていただくことできますか?」 ハナシを聞くと夫妻はビールはあまり好きではなく、日常的にはもっぱらワインを嗜んでいるという。ウチとしては立場上その申し出を突っぱねることもできるが、なんとなく気の毒な気もしたのでご要望に応えることにして、本来納めるはずのビールセットと同価格で換算したワインとお取替えした。 そして数か月後、その老夫婦からまた同じように、息子夫婦に缶ビールセットを贈ってほしいとの依頼があった。しかしどのみち前回と同じ展開になるだろうと踏んだ私は、事前にその息子夫婦の家に連絡を取ってどうするか尋ねた。一旦納品した後で交換をお願いされるのはたまったものではない、と思ったからだ。 当然息子夫婦からは「同等の別の商品にしてもらえると有り難い」という返答が返ってきた。そういうわけで同等のワインを持って行った。そして同じことがその後何回も続いた。 当店としては多少の面倒にはなるが、まあ対応できないというレベルではない。しかしこういうことがこれからも延々と続くのかと思うと、ちょっと気が滅入ってしまう。 息子さんが一言「俺、ビールは飲まないんだよ」と言ってくれれば事態は劇的に変わると思うのだが、なかなかそう言え出せない状況なのだろう。もちろん当店からそれを促すなんてこともできない。そういうわけでしばらくは同じような対応が続くことだろう。 親子といえどもどこかに遠慮とかそういうものがあって、スムーズな意思疎通がなかなかできないでいるんだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年02月22日 23時26分28秒
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