高速夜行バスに必要なもの
最近、高速夜行バスが人気らしい。かつてはおカネの無い若者の足、というイメージが強かったが、いまや老若男女、様々な層の人たちが様々な用途で利用している。人気路線は予約開始後早々に満杯になる、というハナシも聞く。私も利用することがあるが、料金の安さはもちろんのこと、普段寝ている時間に長距離を移動でき、現地で朝一から行動できるというのは大きい。ただこの高速夜行バス、慣れないうちは色々と面倒もある。私も常々感じていることだが、普段朝、自宅で済ませるべきこと=洗顔・ハミガキ・ヒゲ剃りなどがなかなか出来ないのだ(私の場合、これにプラスして、「コンタクトレンズ装着」という作業も加わる)。私もはじめの頃、これらが済ませられないままいきなり街中に放り出されて、当惑した覚えがある。もっとも回を重ねるうちに、それなりに要領も覚えてきたが。例えば先日、某路線を利用した時のこと。まず夜明け頃の休憩でパーキングエリアに停まった時、10分ほどの間に洗顔とハミガキを済ます。その後目的地に着くまでの間に、バスのトイレに入って、電気シェーバーでヒゲを剃る。もっともトイレを長い時間占領するわけには行かないので、手際良くしなくてはいけない。コンタクトレンズまではさすがに手が回らなかったので、到着した街でマクドナルドを探し、そこで朝食を摂りがてら、トイレで無事装着した。もっともコンタクトレンズなら、大きな駅のトイレの洗面所でも何とかなるが。しかし男性はそれでいいが、女性はそうは行くまい。実際に女性の皆さんがどうしているのか、私の知るところではないが、化粧したりする手間も考えると、到着後に何らかの場所を確保することは極めて大事ではないかと考える。そういうユーザーの要請もあったのだろう、先日知人に聞いた話では、到着ターミナルそばのサウナとタイアップしているケースもあるらしい。バスが到着してからサウナとシャワーでサッパリ、その気になれば仮眠も取れ、身支度などはいくらでも入念に出来る。これなら例えば、キャリアウーマンの出張などに利用してもらう機会も増えそうだ。高速夜行バスは今のところ、価格中心の競争の時期にあるように思われる。しかしツアーバスの事故を機に、あまりの激安価格に対してユーザーの警戒心が高まるようなら、次はきっとこういった「アメニティ」面での競争になってくるかもしれないな。