ブックレビュー「白い雲~ある愛の軌跡~/村田道男」
昭和40年代の東京が舞台の、九州出身の男女の純愛物語。
博識で頼りがいのある男性が、東京にはまだ不慣れな
誠実で聡明な女性を案内してのデートを重ねて
互いに理解し合っていく内容です。この案内する様子が
読者にとっても良き昭和40年代東京案内となっており
昭和ノスタルジー作品として非常に興味深いです。
他の昭和ノスタルジー作品の副読本として読む都市小説
としても注目されるべき内容であるようです。
二人の純粋な男女のやりとりは読んでいて「そうだよね、
男女はこうありたいよね」と思わせられます。二人きりの
世界の描写に多くの文章が割かれていて、互いに誠実
ということがどんなに素敵なことか深く理解させられました。
この作品には関係ないですが小学館のビッグコミック連載中の
「藤子不二雄A/愛・・・しりそめし頃に・・・」が
同時代同地域でのエピソードであるためファンの者には
かなり興味を惹かれますよ。またBGMに70年代フォークの
ベスト盤を聴いていたのですが、作品世界に非常にマッチ
して読んでいてとても盛り上がったことを付け加えて
おきたいですね。
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