翌日も早朝からとても澄み渡ったよいお天気だった。
蘭子は朝練の頃の癖で早くから起きていたがスマホに通知が届いた。
それは昨日の葵子と駄菓子屋さんでソフトクリームを食べている
蘭子は所属中学の制服、葵子は男子校の制服という葵子の兄の
企画による写真であった。
すぐに電話がかかってきた。
「あっ、葵子?写真ありがとう」
するとスマホでは聞いたことのある声が少し低い声で喋っていた。
「要求を伝える」
「またぁ、そんな作り声してもすぐわかるとよ?栞志兄ちゃん」
「む、要求を伝える、来週のFM NAKASUのイベントである
カラオケ大会で篠原里沙(しのはらりさ)のファースト・シングル
それでも愛しとるばい、を歌え」
「何言うとるん?どうしたん?」
「やらんかったら、この写真を下校中に買い食いしました
とコメント付けてシャメッターにアップするけんね?」
「それ、もしかしてマジ?」
「ま、じ!」
「栞志兄ちゃん、なんでそんな意地悪言うん?」
「蘭子ちゃんのためやけん」
「うそばっか」
「蘭子ちゃんの人見知りと引っ込み思案を治して
ある大切なことを証明するためやけん」
「なんよそれ」
「それに今は帰宅部で暇しとろ?
絶対やけんね?JR中洲駅の北広場でイベントのあるけん」
そう言って通話は切られた。
TO BE CONTINUED
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最終更新日
2015年06月21日 21時20分32秒
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