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テーマ:塾の先生のページ(7841)
カテゴリ:まじめな教育論
3歳の子供に対して、父親が大声で怒鳴りながら泣かせて勉強を教えたら、それはかなり異様な光景だろう。
しかし、狂言の野村萬斎は、3歳で舞台デビューする自分の息子を、怒鳴り上げ泣かせながら稽古していた。 3歳の男の子は初舞台で子猿を演じる。子供が一生懸命「キャッ・キャッ」と叫んでも、野村萬斎は狂気を含んだ厳しい目で子供を見据えながら、「駄目だ」とよく通る声で叱りあげていた。 お父さん野村萬斎は「キャッ・キャッ」と子猿というより狼みたいな怖い声で見本を示す。子供が「キャッ・キャッ」と可愛い涙声で叫ぶ。 そんな親子の格闘が、テレビで映し出されていた。 ところで、子供に厳しく勉強を教える父親に対して、私は病的なものを感じる。 父親が会社や組織で不遇感や疎外感を味わっている。その復讐を子供の教育にぶつけるケースが多い。 子供から「父さんはオレを利用して社会に復讐しようとしてるんだろ!」と言われても仕方ない教育熱心ぶりだ。 自分を冷たくあしらった巨人軍に対する複雑な感情を、息子を鍛え巨人軍に入団させることで晴らそうとした星一徹みたいな父親には、男同士の近親相姦みたいな、歪んで淀んでひねくれた不潔な匂いがして、私は強い嫌悪感を抱く。 しかし野村萬斎親子の厳しい稽古には、逆に心地よい清涼感を覚えたのはなぜか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/12/06 03:24:08 PM
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