カテゴリ:食
会社を出ると結構な勢いの雨が降っていた。
所用でクマイチは実家に戻っていて、帰りが多少遅くなりそうだったこともあって、私は定時が過ぎても会社に居残っていろいろ仕事の後片付けをやっていた。 そろそろ帰ろうかという頃にちょっとした緊急が発生してしまい、その後処理をしているうちにクマイチから戻ってきたとの電話。 結局私のほうが遅くなってしまい、22時を過ぎてしまったので、話は(当然)ラーメンにもつれ込む。 先日、山村さんにフランス料理をご馳走になった後、せっかく食べに行こうと思っていた近所のうまい店行きはクマイチの逡巡で断念。 そのうちに先に遠いほうのお気に入り店に行き、帰りに持ちかけたハシゴもクマイチに却下され、今日は絶対に最寄のこの店で食べなあかんわと思っていた。 とは言え、22時過ぎ、というような時間はラーメン屋がそろそろ混み出す時間帯ではある。 しかし雨足があまりに強かったので、わざわざこの雨の中をラーメン屋に足を向けるのは私らみたいなアホだけや、と、意を強くして地面の水溜りも雨水の撥ね返しもものともせずに目指すラーメン屋に向かう。 ・・・こういう同じようなアホは他にもいっぱいおった。(爆) 最初、閉じた傘からボトボトと滴を落としながら店にはいると満杯。 がくぅ~~~。 私たち2人の前に待ち人1名。 帰ろうかなと思ったが、やはりこういう時は店内の状況をささっと見回して「終わりそうな人」を目で探したりする。 しかしカウンターの3人はまだこれからラーメンが出てくるところ。 2つしかない4人がけテーブルをよく見ると、そこにいたのは一次会のような二次会のような、わけのわからん会社員みたいなやつらが2つしかないテーブルに分かれてどかっと陣取り、ギョーザとビールばっかり頼んで宴会だ。 こんな雨もよいの晩に単なるラーメン好きのアホどもが集結しているだけならコトは簡単だったのだが、こんな店で二次会かよ・・・ 100%個人的主観で悪いが、私はこういうやつらが大キライだ。 何がイヤかって、ここはラーメン屋だ。 ラーメン、食え。 いや、ラーメンも食ってギョーザも、というなら許す。 しかし、こんな狭い店は誰のために作られているかというと、一人ででもラーメンを食いたいやつが来る店なのであって、こんなところでギョーザとビールだけでダラダラだらだら二次会をする場所じゃあないのだ。(それだとしてもせめてギョーザ専門店へ行けよ、ったく) こいつらはギョーザを頼み こいつらが居座ってギョーザつついてビール飲んでいて、席は空きそうにない。 そうなるとよけいムカついてきた。 絶対にここで食ってやる、と思い、居座り覚悟でとにかく食券を買った。 クマイチが白味噌・太麺の大盛+ライス。 私が辛味噌・太麺の大盛+ライス。 (ちなみにここのギョーザは食べない。ちょっと好みとは違う) 買った食券を握り締めて、ひたすら待つ。 よく大阪のコントなんかでやっているが、おばちゃんが「あっ、ここ、ここ。もうそろそろ終わらはりそうやし、ここで待たせてもらお」と高らかな声を響かせて、そのテーブルの横でどかっと待つ、というパターン。 宴会流れ野郎どものテーブルの横に立って、コレほんまにやってやろうか、という気になった。 なんせもう、関西のおばちゃんはそのまま地でいけるんや、こっちは。 そうこうしているうちに奥の小上がりの席(変則3人掛けテーブルあり)が空いて、私たちの前に待っていた一人の男性がそっちに進んでいった。(この人も一人黙って待ち続けていた) お店のお姉ちゃんが来て「相席でもいいですか?」と言うので私は「私らはいいですよ」と言うとお姉ちゃんが「あちらの方もいいと言っておられるので」と言い、私たちも小上がりの席に向かう。 私たちの前に一人で待っていた男性がえへへと照れ笑いしてきたので(目を合わせたのはこの時が初めて)私たちも「なんか、すみません」と言って靴を脱いでそこに一緒に座らせてもらう。 その後はクマイチと「今日はな、最後にこんなことがあって・・・」等と話していてそんなことは忘れていたのだが、テーブルにはお水とコップがセルフサービス式に置いてあるのを、なんとその男性が私たちの分まで水を注いでくれ「どうぞ」と言って渡してくれた。 「ああっ、すみません、ありがとうございます」と私とクマイチは大きな身を小さくしてお礼を言う。 それからまたしばらくしてカウンターの1人掛けの席が空いたということで、男性は移動して行ったが、さすがラーメン好きはハートが違うとしみじみ思う。(爆) あいつらアホ団体(ラーメン好きでもないくせにっ!)のせいで、私たちのラーメンが出てくるのもかなり遅かった。 まあ今さら急ぐ理由もなかったし、のんびり待っていたのだが、結局ブツが私たちの前に運ばれたのは、席に座ってから15分から20分は経っていたと思う。 いや~~~、ここの味噌麺はうまいっ。 クマイチはそんなに辛いものを食べないので、いつも白味噌麺だし、私は洟でずるずるになっても辛味噌麺一辺倒。 しかしとにかくここはスープもうまいが、麺がまたうまい・・・ 話には大麦を焙煎した麺、だというのだが、普通のラーメン屋のうっすら黄色がかった麺ではなくて、ともするとぽそぽそしたというかもっさりした感じになりがちな、むしろ黒っぽい麺なのだが、この麺だけどこか買えるところがあれば買いたいくらい私の舌には合っている。 で、肝心のスープは一見ケチャップかトマトソースっぽい赤さで、普通にイメージできる味噌ラーメンとは少し趣きが違うが、これがまた辛くて、辛いだけではなくてうまみがある。 私はダシの中身のうんちくはほとんどわからないので、魚介系だろうか鶏がら系だろうかと深く詮索することもしないが、ここのスープの辛さとうまさ+麺のユニークさ(この麺に近いものは私はまだ食べたことがない)で、必ず足が向いてしまうのだ。 辛いものは好きだが、辛さのレベルを競って食べるほどではない私には、麺を食べ尽くした後のスープは、飲み干すには辛過ぎる。 そこで登場するのがごはん、である。(笑) できるだけレンゲでスープを飲むようにはしているが、スープだけだと飲み切れないわもったいないわで、スープをレンゲで掬ってごはんにかけて食べる。 う、うまい・・・ 以前は、ラーメンが大盛なのでライスは小にしていたが、ダメダメ。 ラーメンとは別に、このスープならごはんもしっかり食べたい。 よし、次はごはんも大盛にしよう。 でないとスープの残りが一滴でも惜しい。 できたら残りのスープは持ち帰らせてもらいたいといつも思う。 この間は地下鉄4駅分のところのこってりラーメンを食べた時には、私とクマイチの両方が、そっちのラーメンがナンバーワンだという結論にすぐに辿り着いたのに、昨日またこっちの味噌麺を味わっている間「こうやって食べていると、ナンバーワンが簡単に変わるな」と言って大笑いになった。 人間とは至極わがままで、しかも簡単な根拠で考えを変えるものだ。 ほとんどラーメン中毒になっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|