休憩したい時の小ネタ
この間から、自分が何か書いたことに対して皆さんが書いて下さるレスの厚みに驚いている。うちに来て下さる方は幸か不幸か(爆)そういう人が多くて、書いて頂いたものに対して、また何か私が書く時も、これでも結構真剣にやっているのである。で、こういうのが続いた時は休みたい。ははは。ということで今日は、この間の金曜の朝にふと思ったことで小ネタ日記。私が住んでいるところはロンドンの真ん中ではない。かといってすっごい田舎地区でもない。観光客があまり来るところではないが、時々、道を聞かれることがある。車に乗っている人なら、路肩に寄ってきて「○○ Streetはどっち?」とか、歩いている人なら「△△ショッピングセンターってこっちの方向?」とか。これは普通だ。私もそうする。しかし、以前から、日本人から道を尋ねられる時だけは言い知れぬ違和感を感じてきた。その違和感の正体が何なのかついぞ気づかなかったのだが、先週の金曜日の朝にはっきりわかった。出勤途中に歩いていて、そろそろ駅だという時に、リュックサックみたいなのを背負っていた日本人男性と目が合ったな、何か聞かれるな、と感じでわかる。はたしてその男性が話しかけてきた。「エクスキューズミー、アーユージャパニーズ?」「そうですけど」そして、この後の展開は普通に日本語だ。その時、私はすべてを悟った。(大げさだ)久しぶりに道を聞かれたのでしばらくそんなことは忘れていたのだが、なぜだか日本人は「アーユージャパニーズ?」と英語で聞いてくるのだ。私がずーっと意識下で感じていた違和感の正体はコレだ。そう。「あの人、日本人じゃないかな?」と推測して話しかけてくるなら日本語でいいはずなのに、どうしてそこを英語で確認しないといけないのか?この疑問が心の中で長らく沈殿していたことに、やっと先週の金曜に気づいたのだ。「この人、日本人かもしれない」と思って何かをたずねる前に、相手に「日本人ですか?」と確認すること自体は別に構わないと思う。しかし、ソレ・・・相手が日本人かどうか・・・をなんで英語でたずねなければいけないのか、ということがずーっとどこかで気になっていたみたいだ。日本人を探して質問したいトピックがあるのなら、別に日本語で「すみませんが、日本の方ですか?」と聞くだけでいいのに、英語で確認する必要なんか最初からないやん。相手が日本人だったら「そうです」と、答える瞬間から日本語で言うし、相手が日本人じゃなければ最初からどうせ通じず、その先にはどっちにしても進まないんだから。日本人が海外で、相手が日本人かどうか確認するのに日本語以外の言葉を遣うのって、どう考えてもヘンじゃない。そう思いながら通勤電車に乗ったのだった。そこで思い出した、ふる~い経験。もう20年近く前に、ひっじょーに気まずい経験をした。その頃も時々ロンドンに添乗で来ていたので、友達のYくんから、無修正の雑誌を3冊くらい買ってきてほしいと頼まれた。(笑)その頃は、どこでそういうものを売っているかをよく知らなかったが、自分一人で街中を歩いている時に、歩道で雑誌を売っているブースみたいなのを見つけた。そこに立ち止まって中を覗き込んでみると、いかにもそれらしいヤツが奧のほうにあった。売っているおぢさんの頭の向こう側に表紙が見えるように立てかけていくつか並べられているのがどうもそういう種類らしい。いくら私でも(爆)その頃はまだ25になるかならないかで、ちょっと気恥ずかしかったが、ええい買っちゃえ。向こうも商売だ。おぢさんの頭の延長上に並んでいる、そういう類の3冊ほどを無表情を装って指差し、財布を出そうと思った瞬間、声をかけられた。「エクスキューズミー、アーユージャパニーズ?」ふと見ると、私よりもまだ年が若そうな日本人の2人の女の子じゃないか。よりによってなんで私に声をかけて来るねん、こんなやましいタイミングで。まるで繁華街で羽を伸ばしまくり、思わず見栄でタバコに火をつけようと思ったその瞬間に少年補導員のおっちゃんやおばちゃんが来るような、そんなタイミングだ。ちっと舌打ちしたい状況だったが、とにかく局面を打開しなければ。一瞬棚上げになってしまった雑誌購入も後々なんとかすべきであろう。普段なら私はそう聞かれた時点で「そうですが」と日本語で切り返すが、この時はどうにも間が悪い。それに英語で「イエス」と答えるのは、それ以前に意味がない。(笑)しゃーない。ここは日本人でないふりをしよう。(爆)わざわざ、こう書くのもヘンだが、私は英語で話している時に日本人だとバレたことは昔から対面でも電話でもほとんどない。「No, but may I help you?(チガイマスが、何かお困り?)」その2人はハロッズに行きたいと言う。めんどくさい・・・こんな時に・・・他に声をかけるヤツはおらんかったんか?「I guess you might have a guide book or a map, no?(ガイドブックとか地図はないの?」と言ったら「えーっと・・・イン・マイ・ホテル」と1人が答えた。そっか、忘れてきたか。そこからハロッズへの行き方くらいは地図なしで説明できる数少ない場所だったから、非日本人のふりを通し続け、ずーっと英語で「通りの向こうの階段から地下に降りて、地下鉄の●線でいくつめの▲の駅で降りたら、そこに『ハロッズはこちら』という表示があるので、行けるはず。わからなかったら、またそこで聞いたら誰でもわかるよ」と淡々とと答えた。かわいそうなのはその2人のオネエちゃんたちで、本当は「エクスキューズミー・・・」の後は英語もうまくない。しかし、だからといって私も途中で日本語に切り替えるわけにもいかないので、にこりともせずに英語で押し通したのだ。オネエちゃんたち同士の会話の内容は当然わかる。筒抜けだ。(ごめん)「●線の▲駅って言ったよね」「ハロッズは日本円は使えるのかな?」「えーっ?それも私が聞くの?」これ以上聞いていると笑いそうになるし、だいたい居心地が悪いもので「Sorry I gotta go now. Take care.(ごめん、もう行くね、気をつけて)」と言ってその場を足早に離れた。そうだ、その場を離れるしかなかった。結局、あまりのやましいタイミングで声をかけられた私は、その後はもう現場に戻る気がせず、Yくんのミッションであった3冊の無修正本は買えず、Yくんには後で「いやぁ、いろいろトラブルがあって時間がなくて」と謝った。ともかくですね、海外で日本人を探したいなら、相手には日本語で声をかけましょー。(爆)