カテゴリ:日本酒
今年の新酒の出来栄えも気になるところですが、去年の酒を春に絞って火入れしてタンクに貯蔵、夏を越して生詰めした酒を「秋あがり」「冷やおろし」と言います。
さんまの塩焼き、松茸、蛸めし、和歌山のハリイカ、焼津の秋鯵、ちゃんちゃん焼き・・・秋の風物詩といっしょに。 遊穂 山おろし純米 ひやおろし 無濾過生詰原酒 きりりとした飲み口。松、檜、杉のような酸を含んだなめらかな風味と甘味があります。飲み進める中で、かっちりとした古来日本酒のキャラクターです。 「山おろし」とは「生酛」造りのことで、古来日本酒の製法のこと。酒造りの根幹の「酒母」を造る過程で、まず「酛」を造るのですが、蒸米と米麹、水を混ぜたものを櫂棒ですりつぶす(山に見立てて積んだ蒸米の頂上からおろしていくことから、山おろしの意)、これが大変な作業。そこで、先に水と米麹を先に混ぜて「水麹」を造ってから蒸米に投入する方法でも酒母ができることが発見され、山おろしがなくなった意味なのが「山廃」。でも現在は、蒸米に「酵母」も先に混ぜ、乳酸を添加して水麹を造る方法が開発され、生酛や山廃に比べて半分の日数で酒母ができてしまうことから、この「速醸酛」が主流です。酒母を造るこの3種の方法で、微生物の発生、優秀な酵母菌を育てる過程(時間)の違いからそれぞれの個性があり、それぞれの蔵のポリシーで日本酒が出来上がって来ます。それぞれの味わいを比べてみるのも面白い! その面倒くさい行程を経てまでわざわざ生酛にこだわる蔵もけっこうあって、この御祖酒造もその一つ。 因みに・・現在の酛すりは、櫂棒ではなくて機械ドリルみたいなものでやってるみたい(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.10.19 00:34:41
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