世界的新業態「万華鏡バー」に2代目社長の挑戦
相続という大事に追われ、精神的支柱を失って、,,,「万華鏡が好き!!」という一念で、業界でも一目おかれたカリスマ??母。大病をして新規の営業活動を控えて、経営的に見てしんどい状態であった父、、、精神的ストレスを抱えた店の経営者を引き継いでしまった私です。「本来、万華鏡はみて買うもの」という先代オーナーの父の堅い遺志がありました。コンピューターで売れるかともいわれました。 一方、「日本中の人に見てもらいたい、知ってもらいたい、、でも限界があるから、楽天で買ってもらえたらなあ」と母は病床で夢を描いていました。最後に残された母の万華鏡活動の手帳にも「楽天出店のためのアドレス」が力強く書き残されていました。 そして、相続。 小さな家族経営の商店が時代の流れに流されて、実家がビルになって、六本木の一等地で商売をするには相応の維持費がかかります。私は負の遺産を背負いました。億単位です。しかーーーし。相次いで両親をいきなりの癌で亡くしたショックと3人の子育てと2店舗の飲食店と数千万円分の万華鏡の在庫は行く場所がありません。 店舗の運営は、たまたまそこにいたスタッフに全面的に投げつけました。「お留守番」が「お店番」になって、いきなり「店長」になってました。 何人も変わりました。来る日も来る日もノーゲストとか、在庫だか、私物だか、わからないものもあって、大きな箱が気が付けばゴミの山だったりして、精神的にも追い込まれたようです。身内もそうでした。 「そこに近づきたくない、、」「難題には目をつぶりたい」、、、、父の思いが乗り移ってきました。いまでこそ「万華鏡」というものが認識されていますが、 15年前の誰も知らない状態から店を開いて、倶楽部を起こして、全国を走り回って、「まずみていただいて」と母を突き動かし、世界中の子どもたちのためにと、父はボーイスカウト活動で世界中を飛び回っていました。 お互いが好きなことを追求するたちなので、私は沖縄を追究して、料理店の売上で万華鏡店を好きなように運営できるようにしていたのです。 もちろん両親の活動は、手弁当です。 アメリカでのスカウト運動の最も面白い体験を若いころに日本派遣代表で体験していた両親は、その感覚で万華鏡のコンベンションを楽しんで、世界中の万華鏡ファンとふれあい、 倶楽部でのボランティア活動をしていました。 でも時代は変わりました。 お土産やさんではどこでも大量生産品の万華鏡を扱い、 万華鏡の店が数少ないお客様を取り合いして、、、 でも海外の作家たちは日本はすごい市場だと勘違いされてる。 一生懸命手作り教室をすれば、「作り方がわかったらあとはヒントを」と、みるだけで買う人が減少したのです。 コレクターを育てるような土壌は???? なければ売れないのに、、、あちこちでは、いない人の批判ばかりしている。画期的な売り方をしてすごいな!!と思う反面、やられた、、と思う気持ち。海外からは日本人は全部一緒に見られている。作品のすばらしさで、技術力が毎年高評価を受ける。一方で、コピー商品などの粗悪品を作る業者、ブームを作って売り逃げる業者、その被害にあった作者たちは、限られた知り合いたちに状況を聞きにくる。たまたまその場にいた日本人が追究にあってしまう。 私財を投じるような、カリスマ的なリーダーが相次いで亡くなりました。こんなところでは売れません。 で、楽天という新しい場で、万華鏡を知らない全国の人に手ごろな商品から本物を、観光地化している、夜の街六本木では、バーにして日銭を稼ぎながら、土地をとられないように守っていく、、、。 とるとられないという騒ぎは、収まりましたが、それでも殿様商売はしていけない。社長になってから、給料はもらうもの!!という方には分からないことがたくさん出てきました。(なかでも私が一番のもらう側の意識の人間でしたから)売れてても売れなくても。経営は大変です。売れなくても固定費は出て行きます。 自分で店に出たくてもランチが忙しくて、、、、でも新たに任せきりにする人は怖くて扱えません。 万華鏡の店をきれいにして、やっと聖地らしくなったと思われていますが、主人や幹部にはやっとオープンしたてなのに「今すぐに売上を上げろ」といわれます。 さらに追い討ちが、ネットショップ運営者誰でもが受ける誤解。「パソコンで遊んでいるように見える人には給料を出せない」ブログの営業にのめりこむほどに。(お客様がいないでPCに向かうとそう思われます)。 以上の結果、人事異動が行われ、業態転換しました。 倶楽部のあり方も、、、? 作家さんがうまく育てられる環境と、コレクターさんが育つ環境をしないと、本当にこの業界?はつぶれます。 今こそ、改革の時期ではないのですか?? 「学研の大人の科学」をみて、奮い立ち、同時に作家さんが来て固まっていたと聴きました。週末とかは酔っ払いさんに壊されても怖いし、棚にドアをつけて欲しいと交渉中でしたが、まずは、箱につめられた今年の新作を並べてみました。 「落とされたら怖い」という不安は伝わりますよね。酒瓶ばかりずらりときれいに並んでいますが、初めて万華鏡を見たという方には大好評です。 今回のコンベンションで購入した、コカコーラとコロナの万華鏡を酒の間にしのばせるのをやりたかった。本物のコーラだと思って飲もうとする人もいます。そして私はバーテンダーの資格を持っています。 上の飲食店が満席で入れない方、待ち合わせの年配の方、通りがかりの方、今までの数倍の人がお店に来てくださいます。 特にシェリーナップの新作にみな驚きます。 「ボーナスが出たら買おう!!」という声に励まされます。 ふわふわ羽の6万円もする本物の万華鏡が「楽天」で売れました。(藤井ふみやさんのコレクションと同じシリーズのものです) その昔は展示会で、「地方に400万円分持っていって、売上40万円、経費40万円、破損が40万円」という笑えない話を父がしていました。万華鏡の扱い方を知らない方が不意に落としてしまったとか、、、地元のマスコミのありがたい報道で集客がありすぎて、片時も目が離せない、なんて、、、これもトラウマです。 しかし、環境が整って、ネットで物が売れるんですね。 7年前の母の予見は的中していました。 ただ、コンセプトとして「万華鏡に出会うバー」として、4階から沖縄そばとかデザートとかのデリバリーもしてます。 女性も多いです。六本木初体験の方屋、外国人も多いです。ベビーカーも乗り入れられてました。(笑) 特に多くの作家がいるアメリカ人が万華鏡を知らないのに笑えます。 本当は、手作り教室のあと、延々と盛り上がって酒を飲みながら万華鏡の話をしている、あれをうちでできたらなあと思ってます。作家さんの常連客を募集中です。あと、名古屋の万華鏡ショップのオーナーの夢が「万華鏡カフェ」なんです。私的には同じなんですが、、、夢は実現しないのでしょうか。万華鏡ファンのサロンのつもりなのに、、。 起業の落とし穴、、、ここに落ちないように。自分の船は自分で舵を取る。子どものときに大好きだった言葉。「意志あるところに道は開ける。」精神一到なにごとか、ならざらん、かな??、忘れた。