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MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

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Jul 2, 2008
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カテゴリ:映画鑑賞記録
只今、公開中です。
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"IN THE VALLEY OF ELAH"

監督、脚本・・・ポール・ハギス
出演・・・トミー・リー・ジョーンズ ハンク・ディアフィールド
シャーリーズ・セロン エミリー・サンダース
スーザン・サランドン ジョアン・ディアフィールド
ジョナサン・タッカー マイク・ディアフィールド
ジェームズ・フランコ カーネリー大佐
フランシス・フィッシャー エヴィ
ジョシュ・ブローリン ブシュワルド所長
ジェイソン・パトリック カークランダー警部補
ジェイク・マクラフリン スペシャリスト、ゴードン・ボナー
メカッド・ブルックス スペシャリスト、エニス・ロング
ヴィクター・ウルフ ロバート・オーティス兵卒

・物語序盤・
2004年11月1日、元軍警察のハンク・ディアフィールドの自宅に、基地から陸軍に所属する息子マイクが無断離隊しているという電話が掛かってくる。
マイクが赴任先のイラクから帰国している事も知らなかったハンクは、息子の携帯電話に掛けるものの留守録状態。
言い知れぬ不安に駆られたハンクは、心配する妻のジョアンを自宅に残し、基地のあるフォート・ラッドへ飛ぶ。
基地で同じ隊の仲間達に話を訊いても、心当たりが無いという返答ばかり。
ハンクはマイクの使っていた部屋から、こっそり彼の携帯電話を持ち出して、壊れたデータを修復してくれるよう専門業者に依頼する。
また地元警察にも捜索を依頼したものの、軍隊の事件は軍警察の管轄だと門前払い。
そんな中、地元警察に遺体発見の知らせが入り、ハンクを追い返した女性刑事エミリー・サンダースも、現場に急行する。
遺体はナイフで滅多刺しにされた後、細かく切断され、焼かれており、多くは野犬などに食い荒らされた悲惨な状況だった。
そこへ軍警察が現れ、遺体のあった場所は、軍の土地であるので、事件は軍警察の管轄だと、地元警察を追い払ってしまう。
その後エミリーは、ハンクの熱意に押されて、彼を遺体発見現場へと連れて行く。
元軍警察で働いていたハンクは、殺人が軍の所有する土地の外である、道路脇で行われた事を指摘。
エミリーは彼女を下半身で刑事の地位を得た女と侮辱する上司カークランダー警部補と軍警察に対し、この事件が自分達の管轄である事を主張し、関係者から事情聴取しようと試みるが、軍のガードは固く、なかなか事件の真相に辿り着けないのだった。

USA_line

観終わった後、暗澹とした気持になりますね…。
救われない理由は、詳しく書いてしまうとネタバレになってしまうので、簡単に言えば、被害者も被害者ではないという事実です。
でも一方で、彼は間違いなく戦争の被害者でもありました。
エンドロールの最後の方に、PTSDの単語が見えましたが、イラクの惨状の中に身を置く迄のマイクは、確かに良き息子であり、アメリカの良識を信じていた、模範的な青年だったのです。
仲間の一人が言っていました。「英雄を戦場に送ってはいけない」と。

実話を基に作られたという事ですが、ぶっちゃけ胸糞悪い気分になる映画です。
でも観る価値はあると思う。

或る朝、父親の元に掛かってきた電話は、予想外のものだった。
イラクに出征したまま帰国連絡すら受けていない息子マイクが、アメリカの基地から失踪し、連絡が付かないと言う。
序盤から何か良からぬ事態が起こっているという胸騒ぎがする。
ハンクとジョアン・ディアフィールド夫妻は、二人の子の内、既に長男を空軍の事故で失っている。
次男マイクの陸軍入隊にジョアンは反対したが、自身も陸軍勤務だったハンクは賛成していた。
自分達に残された最後の子供…。
兎に角、基地に出向き、息子の失踪について、何か情報を得ようとするハンク。
しかし誰もこれと言った心当たりは無いと返答するばかり。

観客は常にハンクの視線から物語を追う形になります。
マイクの身に何かが起こり、関係者達が口を噤み、不味い問題を揉み消そうとしているのは判る。
しかしこちらは元軍警察の人間と言っても、リタイアして久しく、内部には既に仲間も残っていない。
一定の敬意は払ってくれるが、相手は巨大な組織、知らぬと言い切られては、一個人が出来る事など何も無い。
唯一の手掛かりと言えば、息子の私物から隠れて持ち出した携帯電話のみ。
ハンクは熱で破壊された画像データ修復を、業者の青年に依頼する。
データ修復が徐々にしか出来ないというのが、この映画のポイントです。
映っている動画はマイクがイラクで撮影したものばかり。
初めに送られてきた動画は、途切れ途切れの車内の映像と、「危ない」「止めろ」「そのまま行け」と言い争う息子達の会話。
厭な事が起こったのだな、と不安な思いが胸に広がります。
そして程なく、マイクの行方は最悪の形で判明します。
バラバラにされ、焼かれて放置され、野犬に食い荒らされて、一部しか残っていない無惨な遺体となっての発見…。
その上、遺体の発見場所はまたも、軍の管轄内という事で、地元警察は追い払われ、内輪での隠蔽が進む。

駆け付けた妻ジョアンは、硝子越しにしか対面出来ない変わり果てた息子を前にして泣き崩れる。
せめて一人だけでも残してほしかったと、軍への入隊に賛成した夫を責める。
子供に先立たれた親というのは、本当に悲しいですね。
年老いて全ての子を失ってしまえば、自分達が夫婦として、未来に残せるものが何も無くなってしまいます。
夫婦で歩んで築いてきた軌跡全てを否定された気持ちになります。

ハンクに出来る事は、息子の身に起こった事件の真相を明らかにする事だけ。
地元警察の刑事エミリーの協力を得て、ハンクは独自の捜査をするが…。

脇役ですが、エミリーの人物像も確りと作られていた点が評価できます。
日本よりは女性進出の割合が高いアメリカでも、男社会である事には変わりなく、刑事に昇進した彼女を、同僚は署長と懇ろな関係になったからだと愚弄し、凡そ刑事のする仕事でないような事件を回してくる。
夫が犬を風呂で溺死させたと訴える婦人の話を聴くエミリーの後ろで、犬の鳴き声を真似て揶揄する同僚達。
この事件も後に、悲劇的な結末を迎え、もっと深刻に受け止めるべきだったと、エミリーを後悔させる事になるのですが。
さらっと流されましたが、この問題の夫も帰還兵で、戦争によるPTSDという背景がありました。

最後まで観て、事件の全貌を知ってしまうと、何とも言い難い気分になります。
誰が悪いの?と訊かれたら、戦争としか答えられない。
今、私達が、"今の私達"で居られるのは、今暮らしている社会の中でだけ。
人間は良くも悪くも、順応力を備えた生き物。
人殺しが当たり前の社会に放り込まれれば、最初はショックで泣いていても、その内、自分も殺人や弱者への虐待が平気になってくる。
平気どころか、楽しいとさえ思えてくる。
マイクの仲間だった兵士の一人が言った言葉は真実だろう。
「イラクに居る時は、一日も早く帰国したいと願っていたが、いざ帰ってみると、イラクが恋しくてたまらない。」
一度、狂気に染まってしまった心は、狂気でしか満たされない。
仲間から"ドク"という渾名で呼ばれていたマイク。
何故彼がドク(医者)なのかは、最後に修復された動画の中に映し出されている。

最初に見付かった何気無いイラクの街角の風景写真。
マイクが撮影しようとしたものは、彼の心の崩壊の始まりだったのかもしれない。

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最終更新日  Jul 9, 2008 07:50:01 AM
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