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MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

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Nov 20, 2008
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カテゴリ:映画鑑賞記録
11/22(土)より全国ロードショーです。
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"BLINDNESS"

監督・・・フェルナンド・メイレレス
原作・・・ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』(日本放送出版協会刊)
出演・・・ジュリアン・ムーア 医者の妻
マーク・ラファロ 医者
アリシー・ブラガ サングラスの娘
伊勢谷友介 最初に失明した男
木村佳乃 最初に失明した男の妻
ドン・マッケラー 泥棒
モーリー・チェイキン 会計士
ミッチェル・ナイ 少年
ダニー・グローヴァー 黒い眼帯の老人
ガエル・ガルシア・ベルナル バーテンダー/第三病棟の王

・物語序盤・
ある日、車の運転中、街中の交差点で信号待ちをしていた日本人男性は、突然視界が真っ白になり、何も見えなくなってしまう。
辺りに居た人々が異変に気付き中の男性に話し掛ける。
自宅まで連れて行ってくれと頼む男性に、一人の男が自分が車を運転してやろうと言う。
だが図々しい態度の男は、実は犯罪を繰り返しているゴロツキで、失明した男性を送り届け序でに、彼の車を盗んでいってしまった。
日本人男性は同じく日本人である妻の帰宅後、タクシーで眼科医の元へ行く。
診察の結果、目に異常は見当たらず、何の手当も受けられぬまま、総合病院への紹介状だけ受け取って、夫妻は帰宅する事に。
彼を診察した眼科医は、自宅に戻った後、妻にその患者の話をし、原因不明だと言う。
翌朝、目覚めた眼科医は、自分も患者と同じ症状で視力を失っている事に気付き、それが危険な感染症だと悟る。
彼はまだ視力を失っていない妻に、自分から離れるように言うが、妻は夫の傍を離れず、彼を落ち着かせる。
謎の病は、他所でも感染を広げており、政府は緊急措置として、罹病者の隔離政策を発動する。
眼科医を収容しに来た車に、自分も盲目になったフリをして、夫に同行した妻は、隔離施設とされた場所が、長らく放置されたままの廃病院である事を教える。
やがて、隔離施設には次々に同じ症状の患者達が収容されてくる。
施設といっても、医師も世話をする者も居らず、ただ食糧だけが放り込まれるという酷い状況である。
外部と連絡できる筈の緊急用電話も常に留守番電話となっており、負傷した患者用の薬すら貰えない。
出入り口を監視している防護服を着た男達は、薬が必要だと訴える眼科医に銃を突き付けて、彼を内部へと追い返した。
施設には大きな部屋が三つあったが、三号室に集まった者達は非協力的な態度を取り、第三病棟の王を称するバーテンダーをリーダーに、暴走はエスカレートしてゆく…。



原作は、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説『白の闇』。
アメリカ映画と思っていましたが、製作国は日本でしたか。(カナダとブラジルも参加)

非常に長い二時間でした。
時間が経たなくて、体感時間としては、三時間以上にも思われました。
展開の速いパニック映画を想像していた私は、一カ所に留まったきり、なかなか進まないストーリーに疲れました。

結局、この作品は、謎の失明病をネタに、恐慌下に置かれ、社会の規制を受けなくなった人間達が、醜悪に変貌してゆく様を描きたかったというものです。
それ自体が悪い訳ではないのですが、登場人物達の行動や思考に違和感を覚えるばかりで、全く納得が行きません。

兎に角、ジュリアン・ムーア演じる医師の妻、使えねぇ度マックス…。
全員が盲目となった世界で、唯一、目が見えるんですよ、アナタ!
はっきり言って、貴方が最強の筈。
貴方が支配者として君臨できる存在じゃないですか。
なのに何故、そこまで使えない奴なんだ…。
原作の縛りがあるので、仕方ない面もあるのですが、全然解らん、ジュリアン・ムーアの行動。
私だったら絶対にこうするのに、と思う事を悉く正反対の行動を取る…。
モヤモヤ、イライラ。
巷の評判の悪さを実感した映画です。

恐慌下での人間の醜悪さを描いた作品だと、キング原作の「ミスト」、あれは傑作でした。
デフォルメもされていますが、キャラクター達の心理が全てが理解できるんです。
そして共感できる分、物凄く後味が悪い。
でも、それが傑作だと思った所以です。
それに比して、この映画の稚拙さと言ったら致命的ですわ。
原作があっても、面白くない部分や違和感がある部分は、大胆に変更すれば良いんです。
可笑しな原作に忠実に作っても、変な映画が完成するだけ。
最初から最後までヘンテコで、終わって、やっと解放されるとホッとしましたよ。
こりゃ、痛過ぎる。(>_<)
密室劇でももっと面白い映画は幾らでもあるのに、ここまで退屈な映画になるのが逆に不思議です。

映画の大部分の時間を割いて、失明した患者達が収容された施設内での遣り取りを描いていますが、このシーンで時間の経たない事と言ったら拷問に近い。
有り得ない発想ばかりなので、心は完全に離れてしまっており、余計にダルい。

悪党は三号室に集まっているのですが、他の部屋の人達が、何故、黙って服従するのか意味不明。
例えば、相手が完全武装した目の見える集団だったら、従わざるを得ないと思います。
でも条件は同じ。
ショボいチャカを一丁持ってるだけの連中です。
何故、戦わない?そんな横暴を許す?
「戦争になってしまう」と恐れる心理が判らん。
明日が全く見えない世界で、何が彼等をそこまで束縛するのか?
そこは既に、生きるか死ぬかの戦場なんだよ。
法も秩序もあるかよ。
食糧の代わりに、女を差し出せ~という、何のサプライズも無い展開になりますが、どんな悲劇が起こっても、全然可哀想と思えなかった。
自分の家族や仲間を守らないオスなんて、存在価値ゼロでしょ。
三号室の連中の方が、よっぽど適応力あるよ。
役立たずなオスを食わせる為に、三号室の男共と厭々寝る位なら、私だったら三号室のオスと組むね。
働かざる者、食うべからずです。笑。
腰抜け・タマ無し共は、何されても反撃してこないから、三号室の男と女だけで、全部の食糧食べれば良いじゃん。
そう言って、腑抜け男共を鼓舞しない女達に疑問…。
兎に角、戦おうよ、それがサバイバルの基本ですって。
誰よりも優位な立場にありながら、全然戦わないヒロインに怒り心頭でした。


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最終更新日  Dec 14, 2008 10:33:06 PM
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