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MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

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Mar 14, 2009
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カテゴリ:映画鑑賞記録
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"CHANGELING"

監督・・・クリント・イーストウッド
出演・・・アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー、エイミー・ライアン、マイケル・ケリー、他。

・物語序盤・
1928年、ロサンゼルス。
クリスティン・コリンズは、9歳の息子ウォルターと二人で暮らすシングル・マザー。
当時の女性としては珍しく、電話会社で主任として責任のある地位にあり、仕事は忙しいものの、経済的な不安は無い生活だった。
ある日、欠勤した交換手の代りとして、休暇返上で出勤する羽目になったクリスティンは、ウォルターを一人家に残して出掛ける。
夕方過ぎ、急いで帰宅したものの、ウォルターの姿は家に無い。
散々息子を探し回り、警察に電話で助けを求めるものの、24時間以内の子供の失踪は調査しないと断られる。
翌日になって漸く警官が事情を聴きに訪れ、捜索が開始されたものの、ウォルターは忽然と姿を消したまま戻らなかった。
何の手掛かりも無いまま数ヶ月が経過した時、職場に警官が現れ、ウォルターがイリノイ州で無事保護されたと告げる。
だが喜び勇んで駅へと迎えに行ったクリスティンを待っていたのは、見ず知らずの少年だった。
担当のジョーンズ警部は、クリスティンに圧力を掛け、取り敢えず息子として家に連れ帰るように言い、彼女は詰め掛けた報道陣の前で、見知らぬ少年と感動の再会シーンを演じる事に…。
しかしその後、本当のウォルターを探してくれるよう頼むクリスティンに、ジョーンズ警部は事件は解決したと告げ、クリスティンが抗議すると、彼女が精神を病んでいると、デマを流す。
孤立無援の彼女に手を差し伸べたのは、警察の不正や汚職を弾劾するグスタフ・ブリーグレブ牧師だった。

l_donotcross

これは実際に起きた事件を基に作られた映画です。
イーストウッド監督、良いネタ拾ってきますねぇ。
アンジェリーナ・ジョリーは、子を持つ母として辛過ぎると、最初は出演を断っていたそうですが。
確かに撮影中って、ずっとその役でいないといけないから、精神的な苦痛は甚大だと思います。
この人の立場に立たされてしまったら、どうしたら良いんだろう?と、観ている私も途方に暮れてしまいました。
汚職警官が蔓延っている事実は理解していても、基本的に、警察は民間人を助けてくれるものだと信じている主人公。
でも実際に犯罪に巻き込まれた時、何もしない所か、有り得ない事を押し付けて、苦情を言うと脅迫され、それでも抗うと…。
公権力に迫害された時、無力な民間人はどうする事も出来ない。
「これで納得しろと?えっ?嘘ですよね?」というクリスティンの戸惑いがストレートに伝わってきました。

同時に、こんなケースは驚くものではないという事も判ります。
昔だからじゃない。
現代でも世界のあちこちで、人々は忽然と消えて、二度と戻ってこない。
それが国家権力によって行われている行為ならば、誰にも助けは求められない。

以前、プーチン元大統領がかつて自作自演したと言われるアパート爆破事件についての番組を観ましたが。
ロシアで取材していた日本のテレビクルーに、インタビューに答えていた男性が「ここは日本じゃないんです。」と困惑していました。
国家や公権力への批判など口にすれば、翌日には行方知れずになって、それっきりですヮ。
「医者を送れ」というのは、私のお気に入りプーチン氏の名台詞で、私も戯れによく口にします。ダメ?(^_^;)

この映画の主人公の場合は、医者を送られるのではなく(=暗殺者による殺害)、自分が病院に送られちゃいましたけどね(=隔離による口封じ)。
「コード12の患者」(=警察に盾突いた不届き者)と「18号室」(=拷問部屋)、怖いですぅ。((+_+))
私、瞬時に、「私が悪かった。もう逆らわないから許して。」と泣くかも。ヘタレ…。
同じく"12"のケースで収容されてしまった娼婦が、笑顔でも反抗的でも無表情でも、結局全て異常者と判断され、車椅子の老婆を示しながら、ああなっても絶対に出られないと話すのを聞いて、ガビーンとなりました。
御先真っ暗、誰かタスケテ…。!Σ( ̄ロ ̄lll)

しかしクリスティンのケースだと、生殺しな所が痛いですね。
遺体や遺骨を見せられて、死にましたと言われたら、悲しくても前に進めると思う。
でも、何も見付からない状態で消えたままだと、いつまでも答えが出ないから、事件の日から時間が止まってしまう。
理性では、もう死んでいると判っても、もしかしたら何処かで生きているかもという気持ちが消せない。
同じ様な境遇の誰かが発見されようものなら、我が子も今も何処かで助けを求めていると確信めいた感情すら生まれる。
自分が諦めたら、我が子を殺してしまうという強迫観念。
絶対に抜け出せない無限ループに嵌ってしまった人間の心。

観終わった後、若い女の子二人が、「好い加減、諦めろよ」というような感想を言っていましたが、自分の身内だったら、死ぬまで諦められないよ、あれは。
アンジーは北朝鮮の拉致被害者についても言及していましたが、あの人達だって、「死にました」という回答では納得いかないよね。
あれは生きている確率が高いだけに、尚更、悔しいと思います。

ところで、ミサイル、何処に飛んでったの?
帰りの電車でニュース見ましたけど。

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最終更新日  Mar 14, 2009 05:01:32 PM
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