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カテゴリ:映画鑑賞記録
"REIGN OVER ME"
監督、脚本・・・マイク・バインダー 出演・・・アダム・サンドラー、ドン・チードル、ジェイダ・ピンケット=スミス、リヴ・タイラー、サフロン・バロウズ、ドナルド・サザーランド、マイク・バインダー、ロバート・クライン、メリンダ・ディロン、ジョン・デ・ランシー、レエ・アレン、他 ・物語序盤・ アラン・ジョンソンは、ニューヨークのマンハッタンで、クリニックを経営する歯科医。 妻と二人の子が居るが、何故だか患者の女性に言い寄られる事が多く、本人は困っている。 或る日、仕事帰りの車内から、大学時代にルームメイトだったチャーリー・ファインマンを見掛けて、アランは大声で呼ぶが、彼は気付かぬまま行ってしまう。 チャーリーは数年前、家族を一度に失うという悲劇に見舞われていた。 チャーリーの事が気になったアランは、再度街角で彼を見掛けると、彼に話し掛けた。 だがチャーリーの振る舞いは異様で、アランの事も何も、過去については覚えていない様子だった。 一方アランは、表面上は恵まれた人生を送っているかのようだったが、何でも二人一緒でないと気が済まない妻に疲れ、息が詰まっていた。 また患者の女性から言い寄られ、拒絶すると、性的暴行を受けたと訴えられ、トラブルに見舞われてしまう。 チャーリーの気紛れな行動を迷惑に感じながらも、次第に彼と過ごす時間が長くなってゆくアラン。 チャーリーは記憶喪失なのか、頑なに忘れたふりをしているだけなのか? 彼は狂っているのか、ただ現実から目を背けて、喪失の悲しみを紛らわせているだけなのか? そもそも何故、彼は家族を一度に失くしてしまったのか? そういう事を、主人公を取り巻く人間模様を絡めつつ、ゆっくり解き明かしてゆく映画です。 だから、答えを最初に書いている荒筋には、閉口してしまいますね。(^_^;) どんでん返し系の映画でないにせよ、時間の経過を大切にしている映画なのに。 チャーリーの異常性を描きながら、実は皆、何処か可笑しい。 この社会で生きる為に、自分を押し込めて、そこから狂いや歪みが生じている。 傍から見れば、羨ましい限りの人生を送っている筈のアランも、自分の本心を呑み込んで消化不良を起こしている。 年老いた両親は都会の暮らしに慣れず、文句ばかり言い、外出もしない。 妻は糊のように貼り付いて、彼に自由を与えない。 クリニックには、離婚訴訟で精神を病んだ女性が現れ、彼に性的な関係を迫る。 逆ギレした女性に訴えられると、クリニックで働く他の歯科医達は彼を批難する。 困った人達に囲まれ、自分自身も困り果て、同じビルで精神科のセラピーをしているアンジェラに、いつも話し掛け、助言を求めるアラン。 しかしアンジェラに言わせれば、アラン自身も人間関係を円滑に出来ず、知らずトラブルを招き寄せてしまう、セラピーを受けるべき人間である。 皆が歪んだ現代社会の中で病んでいる。 だから、少しずつ歪みを直す努力をして、それぞれ心を健全にしようよ。 簡単に言うと、そういうテーマの映画ですヮ。 のんびり鑑賞していると、ちょっと癒されたような気分になれます。 ゲーム「ワンダと巨像」をチャーリーがずっとプレイしているので何度も出てきます。 そう言えば未プレイだったと思い出した私は、アランと一緒になって、私にもやらせてと言っていた。(^_^;) ここから、ネタバレ。 ネタとしては、9/11テロものです。 外国から来た悪魔が殺した、と亡き妻ジャニーンの母親が話しますが、その時点では、まだその正体が明かされていません。 ジャニーンと三人の娘達は、ハイジャックされた飛行機の乗客でした。 恐らく世界貿易センタービルに激突した飛行機の。 思い出しても、何も良い事は無いと、チャーリーは嘆き怒ります。 正にその通りで、思い出しても、自分の胸が掻き毟られるだけ。 過去を忘れたと思い込む事で漸く保っていた精神。 乗り越えるには、余りに大きい喪失。 それでも猶、過酷な現実を直視し、前進しなければならないのだろうか…? 夢想の中で漂ったまま、人生を終わらせる選択は間違っているのだろうか? 彼を精神科へ入院させて、薬漬けにしておけば、それが前向きで正しい道なのか? 映画は救いのある方向へと結末を導いています。 物語としては救いがあって安心したという反面、救われないのが現実なのではなかろうかとも思い、複雑な心境でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 6, 2009 08:14:54 PM
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