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Apr 13, 2009
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カテゴリ:映画鑑賞記録
"THE NOTORIOUS BETTIE PAGE"

監督・・・メアリー・ハロン
出演・・・グレッチェン・モル、クリス・バウアー、ジャレッド・ハリス、サラ・ポールソン、カーラ・セイモア、デヴィッド・ストラザーン、リリ・テイラー、ノーマン・リーダス、ジョナサン・ウッドワード、他。

・物語序盤・
1950年代、アメリカはまだ性に対して保守的で、猥褻な雑誌は警察の取り締まりを受けていた。
そんな時代に一世を風靡した、一人のピンナップ・ガールが居た。 
彼女ベティ・ペイジは、ナッシュビルの田舎町で生まれ育ち、敬虔で厳格な母親の影響で、信心深く利発な少女として成長する。
演劇の為に、高校の首席での卒業と大学への奨学金を逃したベティは、教師への道を蹴って、地元の若者ビリーと結婚する。
だが程無く、若い二人の結婚生活は破綻し、ベティはニューヨークで新生活を始める事に。
世間知らずなベティは街角で声を掛けてきた男に騙され、車で連れ去られた後、待ち受けていた男達に乱暴されてしまう。
教会で一人泣き続けるベティだが、妹には明るい手紙を書き、時間の流れの中で傷を癒す。
ある時、コニーアイランドを散歩していたベティは、警官だという黒人ジェリーに写真を撮らせてほしいと頼まれ、それに応ずる。
ベティは水着の写真を撮られても平気だったが、周囲の人々は猥褻だと警察に通報するのだった。
それを切っ掛けに彼女は、写真のモデルとしてのキャリアを踏み出す。
自分のしている事に抵抗感を持たず、言われるままにポーズを取るベティは、忽ち人気モデルとなり、更にボンテージ衣装を着て、SM紛いのフィルムにも出演するようになってゆくのだった。

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実際に彼女と面識のある人の話では、ベティは驚くほど世間知らずだったという事でした。
それらの証言や資料を基にして再現された、永遠のピンナップガール、ベティ・ペイジの半生を描いた作品です。
伝記物なので、物語としては淡々としています。
世間が眉を顰めるような奔放で大胆な行動を取る反面、彼女自身はとても初な女性で、写真を撮られる事を心から楽しんでいる所がポイントでしょう。
ボンテージも最初こそ、変わった衣装だとおっかなびっくりでしたが、それが何を意味しているかも、その手の雑誌を買う男性達が何をしているかも知らない。
写真館のオーナーから、地位の高い人達が愛好しているのだと言われれば、それを鵜呑みにして疑いもしない女性です。
もう少し気を付けようよ…、と観ているこちらがハラハラする程、常に無防備な彼女。
痛い目にも遭っているのに、全然学習しない所が、ある意味凄い。(^_^;)

こういう職業の人は学が無いと思いがちですが、ベティは勉強も出来る子なんですよね。
でも、次席の卒業特典として与えられた教員養成学校への進路は、教員なんて厭という理由だけで、簡単に捨ててしまう、単純であっさりした性格のようです。
加えて、敬虔なクリスチャンでもあるベティですが、自分のしている事を余り理解していないので、彼女の中で矛盾はありません。
「アダムとイヴも裸だった。罪を犯して、人間は服を着るようになった。」という台詞は、なかなか奥深い。

半世紀以上前の話なので、今から見ると、この程度で猥褻なのかと思います。
SM的なショートムービーも、叩いているふりをしているだけで可愛らしいものです。
主演のグレッチェン・モル、何度も素っ裸になっていますが、スタイルが良くて眩しいですわ。
脱いでも溌剌としていて、全然厭らしく感じない所が、今なお愛され続けるピンナップガールの所以なのだろうか。
カメラに向かってポーズする事、写真に撮られる事が、本当に大好きだったんだなぁと。
神が与えた天職という感じがしました。

映画はこの時代に合わせた、今では珍しい白黒映像です。
白黒でも映える色を選んでいますね。
肌の白とボンテージの黒など、コントラストがはっきりしていて、白黒映画の良さを上手く使っていました。
休暇で行くマイアミのシーンだけは、総天然色(笑)です。
マイアミはベティが、心身共に疲れた時に何度も訪れていた場所で、カラーは解放を意味しているのでしょうね。

最終的にはベティは、クリスチャンとして伝道の道に進んでゆきます。
その時既に時代は移り変わり、彼女の写真などは生易しいものとなっていました。
映画の中ではベティは美しいままですが、実際にはかつての美貌は失われていた訳で。
時の流れって残酷だな。

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最終更新日  Apr 15, 2009 12:58:40 AM
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