「青春の輝き」 (1992)
"School Ties" 監督・・・ロバート・マンデル 出演・・・ ブレンダン・フレイザー、マット・デイモン、クリス・オドネル、ベン・アフレック、他。・物語序盤・ ディビッド・グリーンは優秀なフットボール選手。ニュー・イングランドにある名門校セント・マシューズに、フットボールの才能を買われて奨学生として引き抜かれた。由緒正しい家柄の裕福な家庭の子弟ばかりが集まるセント・マシューズ。労働者階級のディビッドは初めこそ浮いた存在だったが、陽気で爽やかな性格と、試合を勝利に導く目覚しい活躍から、たちまち周囲の人気者に。しかし充実した学校生活を送るディビッドには、皆に隠している秘密があった。彼はユダヤ人だったのである。資産家の白人しか入学させない名門校で、生徒達はユダヤ人を軽蔑し嫌悪していた…。ブレンダン・フレーザーというと、私は「ハムナプトラ」が初めての出会いでした。という事で、私の知っている彼は、少しぽっちゃりしたニヤケタ兄さんという印象(笑)。ところがこの作品では、すっきり痩せていて、なかなかの好青年なのですねぇ。この頃出会っていたらファンになっていたかも。ストーリーは青春物ですが、確り纏まっていて、最後まで飽きずに観られました。ユダヤ人に対する偏見は、未だにあれほどあからさまなのでしょうか?アメリカは黒人やヒスパニック系、黄色人種、また白人と一口に言っても、色々な国からの移民などがいて、人種の坩堝ですが、結局はアングロサクソン系の支配する国なんでしょうかね。自由の国だのと大見得を切っておきながら、イギリス植民地時代から、根底の思考が変わっていないとしたら残念な事です。この作品は少し強調されすぎかなとも思いますが。出演している俳優陣が、この頃はまだ無名に近い存在だった人達で、後にブレイクする若手が多いので、お得な気分になりますね。ディロン(マット・デイモン)が独り悪者にされてしまったのが、気の毒なのですが。彼の立場になれば、ディビッドを恨みたくもなりますよ。しかも自由なディビッドと違って、フットボールでも活躍し、且つハーバードに入らなければ、人間としての価値も無いというようなプレッシャーを与えられ続けてきたディロンの境遇を、少し考慮するラストにしてほしかったかな。きっと彼も内心、ごめんなって気持ちはあった筈。元々優しい性格だったしね。あのガールフレンドは結局、ユダヤ人のディビッドを捨てたのだろうか。あいつが一番厭な奴な気がするけど…。