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カテゴリ:食関連
ウー・ウェンの北京小麦粉料理 この本で一番簡単な「マントウ」を作る。これで何度目だろう、生地がしっかりして、噛み締めるたびに味わいが広がるおいしい蒸しパンだ。 半分の生地に全量分のドライイーストを使って、適度に発酵させ、そこに残りの生地を入れる。昔ながらの特殊な技法らしい。 適当主義の私でも失敗しないのがうれしい。 中華饅頭というと餡が入っているものしか知らなかったが、餡のないものを初めて食べたのは雲南省の小さな村だった。早朝、人々が働き始めるころ、もうもうと湯気をあげている店先で求めたのであった。大理という町に向かうバスに乗っていたのに、休憩で降りたらバスは私を置いてそのまま行ってしまい、途方に暮れながら未舗装道路をひた歩いた。その街道沿いに店はあったのだ。 大きなマントウをひとつ求め、半分に割った。餡がないので少々がっかりしたが、噛み締めると仄かに甘く想像以上においしかった。熱々のマントウが心細い気持ちを軽くした。 そういえば子どもの頃は「皮」のほうが好きだった事を思い出した。どら焼きの皮、まんじゅうの皮、たいやきの皮・・・。残した餡は誰が食べていたんだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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