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カテゴリ:観光関連
鉄道でいらっしゃったお客様を駅まで迎えにいく。宿のチェックインまで時間があるし、お天気もいいから笹ヶ峰に向かった。翌日の予定を伺うと、午後の電車に乗るつもりとおっしゃるので、だったら稲刈りしている棚田とはさ木、その向こうに見える山の景色をご覧いただき、大滝荘で「こそば」のお昼にしたらいいかな、などと考えながら車を走らせた。
3キロほど山道を走ったところで、お客様の一人が苦しいとおっしゃる。車酔い。それほどカーブがきついとも思わないのだが、よく聞くと普段ほとんど乗り物に乗らない生活で80年近くこられたという。電車も進行方向を向いて、酔わないように一生懸命おしゃべりしてきたと。 困った。牧場まではまだまだある。様子を見ながら走るが、だめ。もう戻りたいとおっしゃる。 そして車を降りられた。時折立ち止まりながら、同行者の肩につかまってゆっくりと山道を歩いていく。その脇を徐行しながらついていく。 宿までは歩いていける距離ではない。翌日のプランも却下だ。 何とか具合が良くなり、車に乗り込む。ゆっくりと宿までお届けする。しかしまだ苦しそうだ。 徒歩だけで楽しめるところが宿の周りにあっただろうか。ない。 宿でゆっくり温泉につかり、部屋からの景色を楽しみ、おしゃべりして過ごすほかないのか。 結局、そのような旅行になった。駅までは5分とかからないので何とか車で行った。駅の周りも土産物屋くらいしかない。気晴らしが出来てよかったと言って下さったが、何とも残念。 ここまで乗り物に乗ってくる他ないのだが、到着してから歩いていける範囲で観光客が楽しめるところというのはないのだとつくづくと思った。乗り物を乗り継いで点と点を繋ぐ。温泉街が土産物屋を回るだけでなく、歩いて楽しめるものだといいのになぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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