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カテゴリ:生活
「I have a big secret」 悪戯っぽい笑みを浮かべながらクリスは言った。 そしてちょっと哀しい表情で前を見つめ、マルガリータを一気に飲みほした。 「すごい秘密って!?」 突然のことで、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした私達は固唾を呑み次の言葉を待った。 *☆* ☆ *☆* クリスとは、私が独身の時に通っていた近所の英会話スクールの講師で、見るからにアメリカンな容姿をした気さくでおおらかな女の子。 クリスはChrisというスペルではなく、ドイツ系アメリカ人なのでKrisと書くのだと教えてくれた。 彼女の授業は面白く、日常会話で終わってしまうことも少なくなかった。 1年間でテキストは5ページくらいしかやらなかったけど、友達と他愛もない話をしているような興味ある話題を中心に本当の英会話を習うことができた。 そして‘私達’とは、小学校からの幼馴染で、当時中学校の英語教師をしていたAちゃんだ。 ワーホリでオーストラリアにも住んでいた経験もあるAちゃんはbrush upのために通っていたのに、レベルの違う私に合わせて一緒のクラスで授業を受けてくれた。 1年以上も日本に住んでいるのに全くマイペースなクリスの早口英語を何度通訳してくれたことだろう。 そんな女3人の授業はスクール内だけにとどまらず、食事に行ったり家に遊びに行来する友達の仲へと発展していった。 そのうち同じスクールの講師をしているオーストラリア出身のジェニファーも加わり、よく4人で遊びに出かけた。 ジェニファーは、‘プリティーウーマン’に出てくるレディ変身前のジュリア・ロバーツのような雰囲気を持った赤毛でセクシィー、年上のような錯覚をおこしてしまう落ち着いた女の子。 サンディエゴ出身のクリスはメキシカンが大好きで、私達はよく地元のメキシカンレストランでワイワイ騒ぎながら、ムードメーカーのクリスを中心に楽しい夜を過ごしたことを思い出す。 そして最後にはクリスの独壇場にみんなが耳を傾けるのだった。 そんな太陽のような存在のクリスは、いつも皆の人気者・・・・ ある日、クリスの大親友ケイがサンディエゴから来日することになった。 ケイはインディアンとメキシカン、その他の混血で、ジェニファー・ロペスをちょっとエキゾチックにしたような息を呑むほどに綺麗な女の子。 ラテン系特有の健康的な色気を、その黒目と黒髪で抑制していた。 私達は、ケイも招いて我が家でキムチ鍋パーティーをしようという計画になったのだが、そのパーティーが思いもよらない展開を生むことになろうとは思ってもいなかった・・・ 次回につづく~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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