51 菅江真澄の大沼
昔の人の紀行文、観察した記録は現代でも大切と思い紹介した.寛政3年「えぞのてぶり」より、川に板橋をかけてあり、このあたりをスクノベという。冬の間は氷が厚くなって、その上を真直ぐに歩いて行く路が出来る。渡って行けると言う、誠に、世に比べる物がない程よい所だ.心をひんれるのは、この大沼、小沼にこそあるのだろうと独り言を言った。これを馬引きの老人が聞いて、その通りです、4月ころまた来てはどうか、山々の桜が咲き乱れ、裾野まであった雪が消え、谷間に一箇所ぐらい見えるようになって、木の若芽が萌え出、このような風景画この世に又とあろうか。