|
カテゴリ:教会
村上春樹全作品(1990~2000 6) 村上春樹全作品(1990~2000 7) 反社会的な宗教、破壊的な宗教をいわゆるカルト宗教と呼んでいるが、今日は、そのカルト宗教に対しての弁護士会に参加してきました。 最初は、カルト宗教対策入門として、弁護士の方がどのような対応をしてきたか、証拠保全などの例や、ほとんどの宗教団体が訴訟を避けるようになってきて和解に応じることが話されました。また、損害を賠償させるだけでなく、カルト宗教から脱した後の精神的空白にしっかり対応しないと被害者は何十年も苦しむことになるといったことが語られました。そのため、カウンセリングなどについて宗教者にお任せするほうがよい、といったことも言われ、聞く私としては、覚悟せざるを得ないものも感じさせられました。 その次に、ある宗教団体の脱会者二人の体験が話されました。 これは、本人も家族も本当に苦しかっただろうな、と思わせられるものでした。家族の霊を救うために、と信じて、ますます宗教にのめりこんでいく女性に対して、その姉や父母が一生懸命に時間を設けて話し合おうとする姿もうかがいました。家族の一員を取り戻すためには、合理的な考え方だけで動くのではなく、家族の結びつきが一番大切であることが示されました。 もう一人の方は、具体的に自分自身の心理状況を語ってくれました。手相によって不安にさせられ、常に不安な心が癒される方法は、この宗教しかないと思い込まされたこと、そのときは神の声が聞こえた、天使が見えたと喜んでいたこともあったとのことですが、後から考えるとそれらは、自分の願望でしかなかったのではないか、朦朧とした意識の中でそう思わされただけだったと今なら言えるとも語られていました。 カルト的宗教の特徴は、極端なまでの上の立場の人への服従を要求するということ、情報が統制されてしまうこと、などがあるようですし、最初から自分たちの宗教の立場を明確にすることなしに、欺いて勧誘することなどがあるのですが、勧誘されやすい素地は、今も次々にテレビなどで作られているのではないか、という話もありました。占い師やスピリチュアル関係の人々が人気を得ているのは事実ですし、そのことによって守護霊や先祖の霊について信じやすくなっているということが問題だということでした。 ある仏教の方もお話され、テレビである占い師がお墓をたわしでこすってはいけない、とか、お盆のときはサツマイモで人形を作る、ということをいうと、それを本気にする人が檀家の中にも多かったということでした。例年、信心深くいる方でもそうなってしまう、ということに自分自身の考えの確かさを持たず、テレビなどマスメディアの情報で、簡単に信じてしまう人が多いことが怖い、ということでした。彼によれば、インドではじまったもともとの仏教は、自分自身がどう目覚めて生きるか、ということを大切にしていたのに、中国を経て日本に伝わった仏教は、道教・儒教の影響を受けて、占いやまじないを取り入れてしまったとのこと。浄土真宗だけは、霊魂を認めていないため、これだけが唯一カルト宗教に対抗できる素養なあるのでは、と言われていました。ちなみに、語られた方は日蓮宗の方であったため、そういう方でここまで言うものなのか、と驚かされました。 それから、キリスト教の牧師の方もお話され、自分は最初はこんなに脱カルト宗教の問題に関わるとは思わなかった人間だった、ということ。わたしがこうなったのは、あなたたちがあんな脅しをしたせいだ、と、あるカルト宗教団体の上層部に語ったこともある、と話されていました。その牧師の方は、ずいぶん多くの方を脱会させた経験を持っているのですが、決して自分の脱会のさせ方がすべて成功したわけではなく、失敗したことも多々あるとお話されていました。それは、本人や家族の心に傷を残してしまう方法であった、ということでした。時間はかかっても、脱会しても心を大切にしないといけないのだ、と強くお話されていました。 そうこう話しているうちに、かつてオウムの地下鉄サリン事件の被害者、そして加害者にインタビューした本を読んでみたくなりました。 村上春樹全作品(全7巻入)(1990~2000) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 22, 2007 05:41:29 PM
コメント(0) | コメントを書く
[教会] カテゴリの最新記事
|
|