(一ヶ月以上も日記を書いていませんでした。いろいろと書きたいことはあったのですが...。おいおい埋めていくことでしょう。)
野球とサッカーのどちらが好きか、という問い(いまさら誰も問うことのないものかもしれないが...)があれば、どんなに世間がW杯で盛り上がっていても、松本山雅FCが活躍していても、僕は野球と答えるだろう。僕が子ども時代の遊びにはキャッチボールや草野球はあっても、サッカーはなかったせいかもしれないし、従兄弟からもらった漫画「巨人の星」や弟が買った「ドカベン」などを読みふけっていたからかもしれない。ちなみに僕の2番目の弟は大の野球好きで、海外青年協力隊でタイに野球を教えに行った後、現在、高校教師を本職として高校野球の監督業を生きがいとしている。
そして、最近漫画『おおきく振りかぶって』(ひぐちアサ著 アフタヌーンKC 既刊15巻、月刊アフタヌーン連載中)に注目している(岩崎夏海の「もしドラ」にも若干の関心はあるが、まだ手にしてはいない)。23歳の女性監督、高校一年生だけの総勢10名のチーム、100キロそこそこのスピードしかないピッチャーの投球で夏の甲子園埼玉県予選大会ベスト16に進出するというまずありえない設定。メンタルトレーニング、効率の良い練習、情報戦など現代的な野球戦術などを取り入れ「スポ根漫画」とは一線を隔し、子どもたちの心理的成長やチーム作りということにこだわっている。
主役の三橋廉は自分の居場所をピッチャーに見出し、練習によって4種の変化球と高精度のコントロールを持つが、スピードがないため中学時代はチームメイトに全く相手にされなかった。自分をダメなピッチャーだと信じ込み、弱気で卑屈な性格になっている。しかし、高校の新しいチームで、キャッチャー阿部隆也にそのコントロールの良さと癖のあるストレートを見こまれ、彼のリードによって、勝利を収めていった。キャッチャーとしての阿部に信頼を置く三橋は、そのリードに決して首を振らず投球の組み立てのすべてをキャッチャー任せにする。さらに、信頼を裏切ってはいけないと彼に意見や感じたことを素直に言うことをいつもためらっている。一方、阿部自身もコミュニケーションがいつも自分からの一方通行ではないかと悩んでもいる。
ベスト8を賭けての試合で、阿部が試合中に怪我をしてサードの田島がキャッチャーとして初守備となる。野球センスではチーム一番の田島が緊張していることを悟った三橋は、田島に「俺を信頼してくれ」と言い、途中から配球が読まれると、田島のサインにも首を振り、投球の組み立てを自分でもしていくようになる。そして、「自分が田島君のサインに首を振れば、また田島君が別のサインを出してくれる。まるで相談をしているみたいだ。首を振ることは俺の責任だ」とバッテリーのコミュニケーションをはじめて理解していく。試合には負けたが、一試合ごとにチームとしてのまとまりが強くなり、バッテリーが対等になろうとしていく様子に共感を覚えた。