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カテゴリ:本
日曜日の子どもの礼拝で、説教担当の方が、聖書の箇所とは別だったのですが、お話してくださったことが心に残りました。
その方は、いつもエプロンシアターとか紙芝居をされるのですが、今日は、紙芝居を持ってきたはずが荷物に入っていなくて、即興で物語をしてくださいました。 それが、宮沢賢治の『虔十公園林』でした。 わたしは全然知らないお話でしたが、胸を打つものがありました。 風が吹いて葉っぱがチラリと光ると嬉しくなったり、木の葉からしずくが落ちるのをみるとそれがきれいで嬉しくなったりするような虔十という人の物語。彼は、うれしくなるとあはあはと笑っていたのですが、人はその嬉しさや笑いを理解できず、彼をいつもどこか足りない人としてバカにしていました。 そんな彼がある日一生に一度という願いを父母にします。それが杉の苗700本。父母は、めったに願い事をしない虔十のいうことを聞きます。裏の庭に虔十は杉林をつくり、一所懸命その世話をしました。そして、いつか、そこに子どもたちが遊ぶようになりました。子どもたちが遊ぶのを見て、虔十はとても嬉しくあはあはと笑うのでした。 虔十はチフスで死んでしまいますが、杉林は大きくなり、子どもたちは遊ぶようになりました。 いつしか時を経て、その町出身ので偉くなった博士がやってきましたが、虔十の森が残っているのを喜びます。かつて彼自身もそこで遊んだことがあったのです。そして、賢くないと思っていた虔十の業績をたたえます。なぜなら、その他の田畑がつぶされて工場や家になっていくなかで、森は開発を免れ、子どもたちの遊び場となっていたからです。 その博士はその森を『虔十公園林』と名付けて、町で保存するようになったということです。 全文は、こちらの青空文庫でよめます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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