テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:ロサンゼルス生活
先日 California Lutheran Universityで社会学の助教授をされている安池さんのお話を聞く機会がありました。 日本の少子化が経済のグロバリゼーションや富の偏在といった観点から議論され、とても興味深いものでした。 彼女によると、日本やアメリカという第二次産業(工業)で潤ってきた国が、否応なくグロバリゼーションの波に巻かれて、コスト低減のために製造拠点を中国やアジア諸国に移さざるを得なくなった。そして、その後に残った産業は高度な技術を持つ一部の高給をとるグループとサービス産業であった。 アメリカは現在ここ暫くなかった低失業率を喧伝しているが、労働者の多くがアメリカが好景気であるという実感が持てないでいる。就職口はあるが、希望するものとは程遠いのが実態ではないだろうか? サービス産業におけるパートタイム・ジョブが増え、保険・企業年金などの福利厚生が削減されている。 アメリカにおいて、1980年に平社員の給与の42倍の給与を貰っていたCEOが、2000年には平社員の691倍の給与をとるようになり、格差の広がりが加速している。また、年収ベースで1980年にトップ20%に入る人達の年収は2002年には15%増加しているが、その他の80%の人達の年収は減少している。特に年収の低い層の収入減少が大きい。ここでも富の分配に大きな偏在がはっきりと読み取れる。 日本でも同様の二極化現象が起こっている。夫婦二人で共働きをしても二人の子供を育てながら、いわゆる中量階級の生活を維持することが難しくなっている。この現実を見るとき、多くの若者が結婚し子供を持つことを躊躇する原因となっているということだ。 経済のグローバリゼーションから Is Wal Mart good for America?、日本のフリーター、男女格差、日本人の結婚観などに話は及び興味は尽きなかった。 我々の周りで起こっていることを、総合的に考えるということは何時も重要なことだと思っています。安池さんの話は今まであまり聞いたことのない観点から考察がされていて、興味深く感じました。このインテグレートして考える能力は年齢とともに強化されるものだと私は信じています。 私にとっては、物流の業務改善やサプライチェーンの仕事をしながら、その底流に思いを巡らすよい機会になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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