|
カテゴリ:神社仏閣・御朱印
梅雨入り目前の6月19日、岐阜県郡上郡白鳥町方面の神社を巡って来ました。
目的は霊場白山に続く三つの修験道(加賀禅定道、越前禅定道、美濃禅定道)のひとつ、美濃禅定道。 美濃禅定道から白山を目指すとき、長滝白山神社が鎮座する美濃馬場で馬を繋ぎとめ、そこから自らの足で石徹白に入り白山中居神社から白山に向かいます。 この日は「白山中居神社」とその先に聳える「いとしろ大杉」に訪れ、白鳥町の神社と荘川名物「けーちゃん」を買って帰るのが目標です。 かみさんは海外に出かけているので、帰宅時間を告げなくてもいいので気が楽です。 普段なら自分の車で訪れるのですが、独り・林道の狭さ・燃費の悪さから軽で行く事にしました。 朝5:30に名古屋を発ち、下道だけで3時間かけて石徹白に向かいました。 この時間だと通勤時間には少し早いため関市までは渋滞もなく快調に辿り着く。 写真は国道418号線肥田瀬交差点の北東角に鎮座する金幣社 伊岐神社。 朱の両部鳥居が目に止まり立ち寄ってみました。 社号標には「金幣社伊岐神社」とある。 岐阜の神社を訪れると社標に金幣社、銀幣社、白幣社と記されているのを見かけます。 近代社格制度の廃止により、負担金が一律になったため、神社の大小で不公平が発生するため、昭和27年(1952)に岐阜県神社庁が献幣使参向神社を指定したもので岐阜県独自の制度です。 社殿は拝殿・幣殿・本殿で、本殿は一間社流造で脇障子、妻壁、虹梁には見事な彫が施されています。 金幣社 伊岐神社 創建 / 寛永20年(1643) 祭神 / 伊弉諾尊、伊弉冉尊 境内社 / 加茂神社、稲荷神社、白山神社、御鍬神社、伊社神社 祭礼 / 4月15日 所在地 / 岐阜県関市肥田瀬1263-1 通勤時刻前には関市・美濃市を抜け国道156号線に入りたいところ。 美濃市内の信号待ちで一度に通過できない事もあったが、国道に入ってからは法定速度でストレスなく郡上を通過。 写真は郡上市大和町河辺の国道156号線沿いに鎮座する河辺神社。 渓流釣りで訪れた事のある栗巣川左岸の山裾に鎮座し、訪れたのは今回が初めて、右手に小学校がある。 社殿は鳥居の先に見える拝殿(神楽殿)、その後方の山の斜面に付けられた長い石段の先に拝殿と一間社流造で唐破風を持つ本殿で、虹梁周辺の彫飾りはなかなかのもの。 本殿に続く石段はそれほど長くはないですが、朝一番はきついものがある。 慶長年中(1596-1615)に火災により古文書を焼失し、創建時期は定かではない。 御神体は空海が彫刻したものと伝わる。 河邉(河辺)神社 創建 / 祭神 / 蔵王権現 祭礼 / 9月16日 所在地 / 岐阜県郡上市大和町河辺955-1 白山神社。 白鳥町中津屋地内の長良川左岸に位置し、社頭の前には東海北陸自動車道の高架が続く。 国道からだとこの高架の手前で右折し北進すると社頭に至ります。 緑濃い森に包まれた境内、ここは息の切れる石段はありません。 社殿は拝殿とその先の覆屋の下に先の河邊神社同様の唐破風の付く一間社流造の本殿。 養老年中(717-724)、泰澄大師が加賀国白山開基の際、この地に天台宗の東永山十禅寺を建立、同時に氏神として伊弉冊尊を祀る神社を創建したのがはじまり。 後に十禅寺は廃寺となり、白山神社が今も受け継がれている。 杜に包まれた境内は強烈な陽射しを遮り、外の暑さとは別世界、居心地のいい神社でした。 白山神社 創建 / 養老年中(717-724) 祭神 / 伊弉冉尊 祭礼 / 9月15日 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町中津屋1228-1 白鳥町歩岐島で国道156号線から左の山間に続く県道134号線を進み、一山超えた石徹白に向かいます。 写真は白鳥町前谷地内の大日橋下流の眺め。 このあたりは民家も点在する開けた護岸が続き、澄み切った流れでフライが振りやすい。 陽射しは強烈ですが、心地よい風が吹き抜ける。 大日橋の手前に鎮座する前谷白山神社全景。 境内左に白い花を付けた樹が聳えており、恰も雪が積もったようにも見え、近づくと爽やかな香りが漂っていた、何の樹なのか分からないのが残念。 社殿は正面の拝殿と奥に一間社流造の本殿、左右に境内社が祀られている他、郡上宝暦義民の一人、助左衛門定次郎の顕彰碑が立てられています。 養老2年、泰澄の白山登山の際当地に逗留し、悪病が流行していた当地の病難消除のため正ヶ洞床並に白山神社を勧請したのがはじまり。 昭和35年第二室戸台風で本殿を除き下流の長良川に流失し、昭和39年に再建。大正6年に集落の島反別に遷宮鎮座し、字森の稲荷社(大鍬社)を合祀。 現在の社殿は平成17年に再建されたもの。 社殿を流失させたのは大日橋の下を流れる前谷川なんだろう、上流には不動明王が見守る阿弥陀ヶ瀧がある。 前谷白山神社 創建 / 養老2年(718)、嘉永5年 祭神 / 伊弉冊尊、伊弉諾尊、菊理姫命、倉稲魂命 境内社 / 稲荷社 祭礼 / 8月20日 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町前谷319-2 さていよいよ峠を越えよう、ここから先は急登のウネウネが続く対面通行で、過去は豪雪地帯で当時この奥にあった幾つかのスキー場に通ったものですが、厳冬期にガードレールのない峠道を重たい四駆で下る時は車速を殺すのに一苦労する怖い道で、平静を装うのに苦労したのを思い出します。 あれからスキー場の名称は変わり、大きな入浴施設やキャンプ場も出来、リゾート化は進んでも長良川に下る道はそれほど変わっていないようです。 対向車も後続車もなく、目的地の白山中居神社に到着。 写真は社頭左の駐車場のマップ。 平瀬から白山を登ったのは何度かありますが、ここから白山を目指した事はなく、釣りでも訪れていますが神社に参拝目的で訪れたのははじめてのこと。 白山中居神社社頭の全景。 大きな杉の樹や銅製の両部鳥居も変わらず聳えていました。 鳥居右の社号標は「金幣社 白山中居神社」と記されています。 駐車場の境内マップ。 ここで、靴とストック、お守り代わりの熊鈴を付けて社殿に向かいます。 因みに白山山系には熊の他、多くの猿が生息しており、泊りで釣りに訪れるとキャンプサイトを荒らしまくり、特に群れに囲まれるとタチが悪く鈴なんか役に立たない。 鳥居から続く参道は一旦石徹白川支流の宮川に下りの参道が続きます。 樹齢を重ねた大杉が聳える参道の先、宮川に架かる宮川橋の先が社殿になります。 宮川橋から下流の眺め、一帯は禁漁区でこの時期にしては水量は少ないように見える。 昔のように雪も降らなくなっていることもあるのだろうか。 白山中居神社社殿全景。 社殿は左の両社と中央に磐境と高みに本殿覆屋、右の大宮殿が主なもので、両社の左奥に参集殿があります。 白山古道の絵図。 下の丸が鳥居、中央が社殿、上に大きな杉が描かれています。 泰澄上人が白山開山の際、使用していた杖が大杉になったという伝承のある「いとしろ大杉」だろうか。よく見ると小さな堂があり、これは淨安杉では、しかしその上にいとしろ大杉の姿は見当たりません。 参集殿の脇から浄安杉に続く禅定道が伸びています、地図によれば約15分程で辿り着けますが、「いとしろ大杉」は更に上になります。 大宮殿を大杉が包み込む。 泰澄が開いた美濃国禅定道は、ここから白山へとつながります。 大宮殿右から社殿全景。 ここから右に白山古道が続きます。 白山古道入口。 石徹白の方々が藪は刈り、禅定道はある程度整備されています。 歩けない事はないですが、足元が見えず蛇との遭遇は避けられそうもない、蛇にも怖い奴がいるんで「いとしろ大杉」へは林道を走り白山登山道から向かう事にします。 白山中居神社 創建 / 景行天皇12年(82) 祭神 / 菊理媛神、伊弉諾尊、伊弉冉尊 祭礼 / 5月15日・10月20日 白山神社の一つであり、白山信仰と関わりが深い。 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町石徹白3-48 参集殿の左から石徹白川沿いに上に続く林道、この道の突き当りが「いとしろ大杉」への近道。 良くある対面通行の林道で100㍍間隔で待避所もありますが、ここから先の道幅が広くなることはありません。 この道をひたすら上り詰めます。 この辺りは比較的状態のいい道になります、途中には山水を逃がすバンプが何カ所かあり、車高の低い車だと徐行しないとフロントがヒットする場所もあります。 ここから先は大小様々な角のある岩が転がっているので、避けて通るのが賢明です。 スペアタイヤのない軽だと、こうした岩を踏んでバーストすれば、修理は出来ません。 因みに白山中居神社駐車場で既に携帯の電波が届きません。 白山登山口駐車場到着。 目的の「いとしろ大杉」は登山口から、丸い石で作られた石段が続く山道を約10分程登った先に聳えています。 正面の休憩所で大杉までの登山届を提出するか否かは自己判断で、自分は単独なので届を出す事にしました。 駐車場脇の白山・別山の山頂図。 「いとしろ大杉」へは登山口から約350㍍と遠くではありません。 駐車場向かいの登山口入口。 距離は近いですが水と塩飴は持っていきます。 登り始めた直後の登山道、駐車場から「いとしろ大杉」までは標高差約90㍍になります。 登山道はよく整備され、藪漕ぎの必要はなく、見通しがきき心地いい道が続きます。 角の取れた石段は滑りやすいので足元注意。 一気に登りきるのは過去の幻のようです、息子にはここに行く事は話していない、転んだらまずいことになる。 一段ずつゆっくりと確実に登り、息が切れたら休憩です。 ほゞ登りばかりの登山道も10分程で尾根に出て、視界は広がります。 その先に聳えるのが「いとしろ大杉」 泰澄上人が白山を開山した際、使用していた杖がこの大杉になったという伝承があるもので、太い幹の半分から上は枯れて折れているようですが、今も樹勢は衰えず空に向かって成長しています。 周辺は杉の保護のためロープが張られ、近づいたり触れたりすることは出来ませんが、周囲の大杉ですら子供のような存在にしか見えません。 この森の主の存在感が漂っています。 白山国立公園内にあり、国の特別天然記念物に指定されています。 樹高24㍍、幹周り13㍍あり、樹齢1800年以上と推定される大杉で、縄文杉が見つかるまでは日本有数の大木とされたようです。 ここで一息入れてしばらく森の主に見惚れていた。 登りは大変ですが、一度は見ておくべきものかもしれませんね。 後は来た道を安全第一で確実に降りて車に戻る事だな。 無事に登山口に戻り、脇の清水でハンカチを濡らして顔を洗いリフレッシュ、再び林道を戻り国道156号線の帰路に着く。 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町石徹白 最大の目的は達成したが、白鳥町周辺の白山神社を巡る予定でいましたがそれ程回れなかった。 帰りに美濃馬場の長滝白山神社に参拝し無事に戻れたことを報告して、白鳥町のスーパーに向かいます。 長滝白山神社 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町長滝91 白鳥町二日町地内の国道沿いに鎮座する八幡神社。 国道沿いに社標が立ち、鳥居は随分奥に建てられておりとても広々とした境内を持ちます。 境内の東は長良川鉄道線路が続き暫くまっていたが、車両は来なかったなぁ。 八幡神社 創建 / 創祀未詳、慶長年中(1596-1615)再建 祭神 / 応神天皇 祭礼 / 9月23日 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町二日町335 スーパーマーケットバロー白鳥店 ここで荘川名物いちまのけーちゃんと地元の酒を買い求め、ここで買い忘れたら何しに来たのか分からなくなるところだ。 帰りは帰宅ラッシュに巻き込まれそうだが、法定速度+10㌔で急がずのんびり家路に向かう事にする。 所在地 / 岐阜県郡上市白鳥町白鳥字向島1073 参拝日 / 2024/06/19 関連記事 / ・「白山長瀧寺と長瀧白山神社」 ・奥美濃へ 「阿弥陀ヶ滝、長瀧白山神社」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.23 00:00:18
コメント(0) | コメントを書く
[神社仏閣・御朱印] カテゴリの最新記事
|