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2024.11.03
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カテゴリ:神社仏閣・御朱印
10月16日、バスツアーで高山の町を訪れた際、市内の町角に鎮座する秋葉社を何社か写真に納めました。
今回はその中から大新町1に鎮座する秋葉社を掲載します。

鎮座地は宮川に架かる宮前橋の大鳥居から、正面の桜山八幡宮方向に向かう参道右に鎮座しています。
高山の歴史は古く、奈良時代には国分寺と国分尼寺など建てられ飛騨の中心として栄えていました。
現在見る城下町の礎が築かれたのは、戦国時代の金森長近(1524~1608)が高山城の築城して形作られたといっても過言ではないでしょう。
参道中ほどの交差点の角に立つ桜山八幡宮の大きな社標、その右側が鎮座地になります。


大新町の秋葉社社頭全景。

石の明神鳥居と常夜灯を構え、町角で見かける社としては規模は大きなものです。
綺麗に剪定された一本の大きな松が御神木です。

鳥居脇に立てられてた解説、内容は以下になります。
 「鳳凰台組秋葉社
秋の高山祭(十月九日十日)には、祭りの華ともいうべき屋台が十一台出ます。
 この一台一台の屋台を維持管理するのが屋台組と呼ばれる町内組織です。
屋台組には組内の火防鎮護と町内安全を願って、古くから秋葉神を祀る風習があります。
 この秋葉神は鳳凰台組内の火伏せの神として、遠州秋葉山本宮よりご分霊を勧請して深く尊崇され、篤い信仰を集めてきました。
祭神は迦具土神。
 又の名を火産霊神とお呼びします。 鳳凰台組。」

高山祭は、春と秋の年二回開催されます。
春の高山祭(4月14・15日)は日枝神社の「山王祭)」、秋の高山祭(10月9・10日)は桜山八幡宮の「八幡祭」として行われ、春と秋の二つの祭を指して高山祭と呼ばれています。
祭の起源は当地を治めた金森長近の時代⁽1585-1692⁾とされ、屋台は享保に入ってからの起こりと言われています。
古都飛騨高山の町を絢爛豪華な屋台が、からくりを奉納しながら巡る光景は高山の風物詩と言えます。
高山の町は江戸時代だけでも幾度か大火を経験し、享保14年(1729)には975軒、天明4年(1784)には2342軒を全焼する大火に見舞われています。
一度火が出れば、周囲の建物を壊し延焼を防ぐことが当時の消火のセオリーだったはず、火元近くの我家は火に包まれなくとも壊されていったことでしょう。
城下町に住む者は火に対して意識が高くなり、それだけで補いきれない不安を火伏の神を祀り、崇める事で心の安心を得てきたのだろう。
その火伏の神や屋台を維持管理するため発足したのが屋台組という町内組織で、屋台や秋葉社の存在が町民の結びつきを強めてきたのかもしれません。

我々が住む街からなくなったものかもしれませんね。
大新町秋葉社の扁額。

境内全景。
高く積まれた基壇の上に覆屋が建てられ、その下に神明造の社が祀られています。
鰹木は5本、千木は外削ぎで扉が複数ある相殿。

岐阜県神社庁による解説は以下。
「当社の創始は享保二十年、欠ヶ上甚五郎なる者が遠州秋葉山本宮より勧請、大工布目屋幸三郎により三社造りの社を祀ったのがはじまり、明治八年炎上に依り、現在地に遷された。」とあります。


当時のものとは違いますが、シンプルな神明造ながら、側面から棟持柱を注視すると昇り龍が彫られています。

町角の小さな社ながら飛騨の匠の拘りが感じられます。
観光客の多い時間帯の撮影は難しいですが、時間帯をずらし、こうした町角に佇む社を巡るのも高山の楽しみ方の一つかもしれません。

鳳凰台組秋葉社
創建 / 享保二十年(1735)
祭神 / 迦具土神
所在地 / 岐阜県​​高山市大新町1-100​​
参拝日 / 2024/10/16
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Last updated  2024.11.03 00:00:21
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