4月から医療の制度が一部改正になります。
5分ルール「小児科の壊滅必至」 4月の診療報酬改定で、再診時に5分以上の診察時間を必要とする「5分ルール」が導入されることに対し、小児科では5分ルールをクリアできる患者が全体の25%程度に過ぎず、5割の機関で10%以上の減収になることが、神奈川県保険医協会の緊急アンケートで3月27日までに明らかになった。「診察の内容を概ね5分という時間で評価すること自体が不適切」と、医療現場からは批判の声が上がっており、7割超の小児科が「5分ルールで医療崩壊は加速する」と訴えている。 5分ルールに関しては、医師が再診の際、リハビリや処置等をしない場合に算定している「外来管理加算」の要件として4月から導入される。 外来管理加算について従来は「入院中の患者以外の患者(外来患者)に対して、厚生労働大臣が定める検査ならびにリハビリテーション、処置、手術等を行わず、計画的な医学管理を行った場合は、外来管理加算を算定できる」などと規定。しかし、今年4月の改定で「診察結果を踏まえ、病状や療養上の注意点を説明し、その要点を診療録に記載するなどの診察・説明には5分の時間を要する」として5分ルールが盛り込まれることになった。 この新たなルールをめぐっては、時間という要件を満たして時間内に診察を終えようとすれば、1日に診察できる患者が減り、その場合には収入が低下して経営の悪化につながる▽要件を満たしたうえで、すべての患者を診察するには診察時間を大幅に延ばさざるを得なくなる-などの問題点が想定されることから、同協会が神奈川県内の小児科と200床未満の中小病院を対象に緊急アンケートを実施。31の中小病院と34の小児科が答えた。 その結果、小児科では5分ルールをクリアし、外来管理加算を算定できる患者は全体の25.6%に過ぎず、5割の小児科が10%以上の減収になると回答。減収の予想額は平均288万円で、最高額は895万円に達した。 中小病院でも、クリアできる患者数は58.8%で、減収予想額は平均587万円。全体の3割が1千万円を超える減収となるほか、最高では2,291万円に上ることが分かった。 5分ルールについては、小児科の94.1%、中小病院の80.6%が反対を表明。また、小児科の70.6%、中小病院の71.0%が「医療崩壊を加速させる」と回答した。 5分ルールに対する具体的な意見をみると、小児科では、「時間で区切る考え方がおかしい」▽「少しでも多くの患者さんを診(み)るようにしている努力に水を差す」▽「すべて5分以上とすれば、患者さんが他の病気に感染する機会を増やす」▽「医療は時間で測るべきではないし、時間で測れない」-などの反論が続出。 中小病院からも、「医師不足に逆行するルール」▼「5分という定義が不明瞭」▼「診察時間ではなく、患者の状態を把握することを評価とすべき」▼「医師の裁量権への不当介入」-といった批判が相次いだ。 このような結果を踏まえ、同協会は「今回の改定は、医師不足が特に目立つ小児科医・産科医、病院勤務医対策が柱だったものの、5分ルールの導入で小児科が大幅な減収になるなど、医療の実態と矛盾する内容になっている」と指摘。そのうえで「現場は総じて診察を時間で評価するという改定内容に憤りを示しており、5分ルールは撤回すべき。そうでなければ、医療に危機的な影響を及ぼす」と警告している。*「外来管理加算」というのが一番の問題の種になっています。本来再診した時も患者さんの症状を問診及び触診等で観察して病状を経過をカルテに記入しなければならないのです。そのための点数がこの「外来管理加算」になるのですが忙しい小児科では再診のときに病状を聞き取って経過が良好な患者さんには再投薬の必要性を確認して終わりにしてしまいます。今まではこれでもこの点数が取れたのですが今後は5分間をかけて患者さんをしっかり見てくださいと言う事になりました。簡単に言うと再診した場合は、先生と話すだけで再診料710円と外来管理加算520円が支払う事になるので3割負担で370円分になります。国としては520円も払うのだから5分くらいは話をしなさいと言う事ですが、質と量に関しては時間で測るのには無理があるように思えます。