高齢者の身長減少は生存率に影響するようです。
高齢男性の身長減少が低生存率、心疾患に関連する可能性 提供:Medscape 前向き試験で、高齢男性における3cm以上の身長減少があらゆる原因による死亡率および心疾患と関連があることが示された Laurie Barclay, MD Medscape Medical News 【12月19日】高齢男性における3cm以上の身長減少はあらゆる原因による死亡率および心疾患のリスクに関連があるという前向き研究の結果が『Archives of Internal Medicine』12月11日/25日号に掲載されている。「身長は年齢とともに減少するが、身長減少が健康に及ぼす影響はほとんど研究されていない」とRoyal Free and University College Medical School(英国、ロンドン)のS. Goya Wannamethee, PhDらは記述している。「軽度の身長減少は一般的であり、何らかの健康問題と関連がある可能性は低いが、顕著な身長減少は骨粗しょう症の徴候である可能性がある。骨粗しょう症の結果としての身長減少は、呼吸器系および消化器系の正常な機能に影響を及ぼす可能性があり、さらには早期満腹、栄養状態低下、体重減少に至る可能性がある」今回の研究では、男性4,213例について、40-59歳とその20年後の60-79歳の間の身長が計測された。後続する追跡調査中(中央値6年)、760例が死亡した。身長減少と、開始時の年齢(r=0.20)および体重減少(r=0.20)との有意な相関が認められた。身長減少が3cm以上であった男性では、身長減少が1cm未満であった男性と比べ総死亡リスク(年齢調整相対リスク[RR] 1.64; 95%信頼区間[CI] 1.33-2.03)が高かった。死亡例が多かった原因は、主として心疾患、呼吸器疾患、癌を除く他の原因によって説明がついた。年齢、心疾患の既知の危険因子、肺機能、既存の心疾患、アルブミン濃度、自己申告による健康状態不良または良好、体重減少について調整しても、総死亡率リスク上昇に大きな影響は認められなかった(RR 1.45; 95% CI 1.15-1.82)。さらには調整後でも、重大な冠動脈疾患イベントのリスクは身長減少が3cm以上であった男性においてのみ上昇した(調整後RR 1.42; 95% CI 1.02-1.98; ≧3.0 cm vs <3.0 cm)。脳卒中リスクとの関連は認められなかった。試験の制限には、選択バイアスの可能性があったことおよび対象集団が男性に限定されたことがあげられる。「高齢男性における顕著な身長減少(>3cm)は、あらゆる原因による死亡率および冠動脈疾患のリスク上昇と独立した関連がある」と著者らは記述している。「身長減少は高齢男性における筋肉減少症および衰弱のマーカーとなる可能性がある。身長減少とCHD[冠動脈疾患]および総死亡率との関連の性質を理解するには、さらなる研究が必要である」。British Regional Heart Studyは、British Heart Foundation Research Groupであり、保健省(英国)の支援を受けている。著者らの情報公開によれば、関連する金銭的関係はないという。 *20年間で身長が3cm以上減少した男性は死亡率が急激に高くなると言う事ですね!